「家族」から考えるSDGs
column vol.293
江戸時代から明治にかけて、78回も結婚した女性がいたそうです…(驚)!?
〈PRESIDENT Online / 2021年5月6日〉
一年に一度結婚しても78年かかります…。一体全体どういうことなのでしょうか…?
江戸時代は夫婦別姓が当たり前だった
プレジデントオンラインの記事を読んで驚いたのですが、江戸時代まで夫婦別姓は当たり前だったようです。
そもそも江戸時代までは家業の時代。大河ドラマ『青天を衝け』を観ても分かるように家族で生業を営んでいます。
家族や親族とともに家業を行なっており、夫も妻も家業の役割の1つ。それぞれの役割はキャリアであると考え、実家の姓を守る女性は今でいうと嫁ぎ先の家に出向するような感覚だったと記事では伝えています。
当然、勤務先と合わなければ転職するように、離婚、結婚を繰り替えすことはあったそうで、それでも78回も結婚というのは想像がつきませんね…(転職だって78回は考えられません…)。
財産権についても、妻の財産は妻が握っており、婚姻中に取得した財産などは妻の所有に。持参金や持参不動産は夫のものになりましたが、離縁した時には妻の実家に返還されたそうです。
明治以降、近代化が進み、夫が勤め先で働き、妻が家を守るというスタイルに。その後、恋愛結婚が当たり前の時代になって今に至るわけですが、江戸時代の女性は独立(自立)しており、夫婦別姓が当たり前だったと聞くと、なかなか考えさせられるものがありますね。
少なくても今は男女が平等に働く社会を目指しているわけで、これまでの価値観やルールが変わっていくのは必然とも言えますね。
今後は「男性の育休」が定着できるのか?
終身雇用制が崩壊し、雇用の安定が揺らぎ、一人ひとりの自立(自己解決能力の向上)が求められる時代になりました。
自分の人生は自分で切り開く
そもそも夫が会社から将来を保証されていない状況で、妻が夫を支えるために家に入るというのは、自分が女性だったらと考えるとリスクにしか感じません。
出産、育児というライフステージに差し掛かったとしても、なるべくキャリアは途絶えたくない。やはり、ここは夫婦の助け合いが必要になります。
〈BUSINESS INSIDER JAPAN / 2021年4月14日〉
そういった機運もあり、男性がもっと育休を取りやすくなるようにと、育児・介護休業法の改正法案が現在国会で審議されています。
現在の男性の育休取得率はわずか7.48%。しかも1週間内の短期間の取得が7割です。
今回の改正法案の大きな特徴として、育児のスタートとなる大事な出産直後に男性育休を取りやすくするために、出産日から8週間の間、4週間の育休を取得できる仕組みを作ろうとしています。
この4週間の育休は、2回に分けて取得することができるため、「長期間休むことが難しい」という場合でも、繁忙期を避けるなどして取得しやすくなります。
ちなみに育休中の収入については、これまでと同様に休業給付金がハローワークから支給されます。
金額は育児休業開始時の賃金の67%(開始から7ヵ月以降は50%)ですが、健康保険料や厚生年金保険料などの社会保険料が免除。実際の支給額は収入の8割程度が育休中も保障されます。
(ただし支給額には上限があり、最初の6カ月では約30万円。7カ月以降では約22万円。)
2023年4月からは、従業員が1001人以上の大企業では、男性の育休取得率の公表が義務付けられることになることも考えると、企業の意識改革は待ったナシの状況ですね。
年金のちょっとした「落とし穴」
出産・育児の次は老後です。
片働き世帯(夫:年収500万円)、共働き世帯(夫:年収250万円・妻:年収250万円)、単身世帯(年収250万円)という状況だと、いずれも1人当たりの厚生年金保険料は年23万円、1人当たりの年金は年131万円となります。
〈BUSINESS INSIDER JAPAN / 2021年4月23日〉
しかし、生活にかかる一人当たりの費用は、単身世帯の方が割高になってしまいます。このことが年金暮らしにおいて、差が生まれてしまっているという事実があるのです。
実際、65歳以上の高齢者のうち、2人以上の世帯に属する人の生活保護受給率は0.9%に過ぎませんが、単身女性は9.1%、単身男性では16.6%。
高齢単身世帯の生活保護受給率は、女性で10倍、男性で18倍にも上るそうです。
「支え合う」老後を築くことができるか?
もちろん、自分の意思で単身世帯を望む方もいるでしょう。
しかし、望まない方もいることを考えると、老後を支え合うというインフラを整えていくことは大切な取り組みになると感じます。
ビジネスインサイダージャパンの記事では、50歳以上の婚活や同性婚の促進、もしくは同居の勧めを示唆しています。
他にも、リモートワークで勤務先との距離の縛りが薄らぎ、郊外や地方に移ることができれば、子ども家族との二世帯暮らしもしやすいかもしれませんし、フランスのように事実婚制度(PACS)を日本でも認めることも1つかと思います。
もっと言えば、友達同士や価値観の合う人と住めるシェアハウスを整備していくことも1つの方策かもしれません。
海外では若い人との共同生活を送れるインフラなども整ってきているので、支え合う環境づくりを行うことは「誰も取り残されない世界」を目指す上で、とても重要になるかと思います。
夫婦別姓についてもさまざまな考え方があるので、一足飛びにはいかないでしょうが、多様な考えや生活スタイルを認め合えるようになると良いなぁと個人的には願う今日この頃です。
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