「健康経営」驚きの最前線
column vol.250
世界の企業ではCMOという役職が重要になってきているようです。
CMOって何?…という感じですが、「チーフ・メディカル・オフィサー」の略のようです。
コロナ禍で労働環境が激変する中、社員の健康・安全管理の指揮をとるための経営幹部であり、医療の専門家です。
会社全体の意思決定に携わり、従来の産業医とは一線を画す存在なのですが、なぜ今、CMOが増えているのでしょうか?
世界の企業ではCMOを続々登用
オーストラリアの大手小売チェーン「ウールワース」が昨年8月にCMOのポストを創設。
また、アメリカの食肉加工最大手「タイソンフーズ」も同年12月にCMO職を新たに設置し、さらには看護師と医療スタッフ200名を新たに雇い、同社の医療スタッフは総勢600名に達したそうです。
〈AMP / 2021年3月25日〉
パンデミックを乗り越えるために、経営幹部に医療の専門家を迎えることは最大のリスクヘッジになるというわけです。
アメリカでコロナビールなどの販売を手がける酒類販売大手「コンステレーション・ブランズ」もCMOを迎え入れた企業の一つですが、その理由を3つ挙げています。
①従業員の健康管理
②顧客の安全
③企業コンプライアンスの徹底
特に③のコンプライアンスの徹底はなるほど納得いたします。
グローバル企業は各国で感染対策が違うので、企業としての統制が必要になります。感染対策のグローバルスタンダードを自社内で設定するには医療専門家の知恵が必要であるというわけです。
ちなみに日本では楽天がCWO(チーフ・ウェルビーイング・オフィサー)という役職を設定し、「社員の健康・幸せを守る」ことを目指しています。
労働環境の急激な変化や「コロナ疲れ」によるストレスは、働く意欲の低下にもつながりかねません。
経営幹部に社員の健康を推し進める人が必要とされるのもよく分かります。
コミュ不足をeスポーツで解決
リモートワークの増加により、社員同士のコミュニケーション不足が起きてしまう企業もあるかと思います。
コミュ不足は大きなストレスを生み出します。
そこで、凸版印刷は何と社内運動会ならず、eスポーツ大会を開催したそうです。
〈ITmedia NEWS / 2021年3月12日〉
種目は格闘ゲーム「ストリートファイターV チャンピオンエディション」(ストリートファイターV)とサッカーゲーム「eFootball ウイニングイレブン 2021 SEASON UPDATE」(ウイイレ)の2つ。
普段、ゲームをしていない人でも戦況が分かりやすいということで選ばれたそうです。
ちなみに、グループ企業の社長が開催前夜に『ストリートファイターV』で『波動拳』を撃つ練習をみっちり行い、準備したとのこと(笑)。
凸版印刷はもちろん、自社のコミュニケーション不足解消のためにも行いましたが、今後はこの経験を活かし、eスポーツ大会を他社への提案材料にもしていくそうです。
今後、社内イベントとしてeスポーツ大会が根付くかどうか、期待して見届けたいと思います。
“脱・社食” 「出張シェフ」の時代
コロナ禍で在宅勤務が増える中、社員食堂を廃止、または縮小を進める企業が増えてきました。
一方、新たな福利厚生として、社員の自宅に料理人を派遣するサービスや、自宅にチルドのお惣菜を宅配するサービス、フードデリバリーサービスで使えるクーポンの配布を行う企業も増加しているようです。
〈BUSINESS INSIDER JAPAN / 2021年3月25日〉
出張シェフサービス「SHARE DINE(シェアダイン)」の法人プランでは、社員が家に出張シェフを呼び、料理の作り置きをしてもらえます。
さらに、育児や介護中の社員をサポートするため、育児食や介護食を作るプランもあるとのこと。
2020年4月の緊急事態宣言後は、学校の休校や保育園の休園があり、食事の栄養バランスを見直したいという親御さんは多かったのではないでしょうか。
そのニーズがどんどんとマーケットの中で顕在化しており、今年3月の法人プランの問い合わせ数は、1月に比べ5倍に増加。
人は食べたものでできているわけで、食の健康をサポートすることは社員の健康を守る上で重要なファクターであることは間違いありません。
健康経営に関するさまざまな取り組みが生まれてきていますが、我が社でも参考にできないかと、今後も注目したいと思います。
やはり社員あっての会社ですから。
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