孤独を救う「仮想家族」
column vol.1116
アメリカであるサービスの拡大が広がっています。
それが「プロ・ママ」です。
〈BUSINESS INSIDER JAPAN / 2023年9月25日〉
…その名の通り「プロのママ」を提供するサービスなのですが…、…一体全体どんな話なのでしょうか…?
大学生の子どもの「第二の母」に
これは、主に親元から離れて暮らす大学生をサポートすることが仕事になるとのこと。
学校に通う子どもたちのために、生活に必要なものを購入したり、ベッドを整えたり、洋服を洗濯してくれる人を学生の親御さんが雇うというわけです。
そう話すのは、プロ・ママサービスを提供する会社の1つ「mindyKnows」のシャーリー・ブルックスさん。
同社では月ごと、学期ごと、1年ごとと、期間を選択でき、年間会員の場合は、年会費450ドル+サービス料で利用ができます。
ここまで聞くと「家事代行サービスなのかな?」と思いますが、プロ・ママにはさらに踏み込んだサポートを求めることができるそうです。
例えば、就職面接のための身だしなみチェックをしたり、学業面を支えたり。
親子で立てた学校生活での目標を管理するなど、まさに「ママの代理人」であることが最大のミッションです。
そういった意味で考えると、さまざまスキルやノウハウが発揮されやすい職業であると言えるのではないでしょうか。
例えば、子どもが自律して目標に向かうための「コーチング」だったり、どんな仕事についてどういう人生を歩んでいくかを導く「キャリアデザイン」だったり。
日本でもお馴染みの資格が発揮できそうな予感です。
10年後、20年後、「プロ・グランパ」(おじいさん)のニーズがあったら、セカンドキャリアの候補の1つにしたいと個人的には思っています😊
「程よい距離感」でのシニアサポート
家族のように、がっつりとサポートしてもらうというのが気が引ける方には、日本のある新しい取り組みがヒントになるかもしれません。
「若者と高齢者が一つ屋根の下で暮らす」というアパートに注目が集まっています。
〈テレ朝NEWS / 2023年9月20日〉
そのアパートがあるのは神奈川県藤沢市。
名前は「ノビシロハウス亀井野」と言います。
この物件、実は2階に住む若い世代が1階に住む高齢者のケアを担うという仕組みを取り入れているのです。
若者は
を条件に、通常は1R・7万円の家賃が、半額の3万5000円で住むことができるのです。
2階に住む70代の女性は
このアパートでの暮らしに安心感と心地良さを感じています。
若者にとっても豊かな人生経験を持つ人生の先輩方に相談できるわけで、きっと心強いに違いありません。
3年前、大阪市住吉区にある単身高齢女性と、護福祉士として働くために来日した外国人女性が支え合って暮らす女性限定のシェアハウスの話をしましたが
同じ神奈川県にも、こうした2つの世代が支え合う暮らしがあるというのは、非常に嬉しい限りです。
今は会社で若い世代と交流していますが、リタイアしてからも若い世代から刺激を受けたいと思っていただけに、こうした選択肢があるというのは気持ちが上がりました😊
「たまごっち」で家族を学ぶ
最後は少し毛色の違う話となるのですが、「令和のたまごっち」について語りたいと思います。
〈dmenuニュース / 2023年8月11日〉
「たまごっち」といえば、その誕生は約30年前。
1996年になります。
この時は社会現象にまでなりましたが、それから時折、小さなブームを起こしながら、気がつくと令和でも愛されるロングセラーに。
しかし、ただただ生き残ってきたわけではありません。
この30年、常に進化してきたのです。
最近では、忙しい時は「ベビーシッター」にお願いできるなど、たまごっちの世界は社会福祉が充実。
お見合いや結婚もする他、大事に育ててきた子が突然、「独り立ちしたい」と申し出ることもあるそうです(笑)
つまり、今の時代に合わせた内容で「親心を育む」おもちゃとして利用されているとのこと。
そして、バンダイの担当者の方の次のコメントがとても心に刺さりました。
私が共感したのは「自分の思い通りにならないドキドキ感」というフレーズです。
血のつながった親子でさえ、子育ては自分の期待したようにはいかない。
ましてや、他人に自分の理想を重ねるのは、100mを5秒台で走るより難しいと思うのです。
(…いやいや、なんのこっちゃという例えですね…😅)
子どもに対して(いや、お互い様?)、理想通りにいかないことを受け入れて本当の親子になるように、会社の上司部下の関係も同じように考えていくと良いのかもしれません。
人間関係は、「上手くいかないこと」を前提に一番良い形を探り合っていく。
子育ての経験を社会人生活に活かしている方が多いことを考えると、子どものうちから擬似育児を行い、「自分の思い通りにならないドキドキ感」をたっぷり味わうというのは貴重な経験なのかもしれません。
さまざまな新しい仕組みを考えながら、家族のように心を通わせられる社会が育まれていくと良いですね😊
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