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ファッションに希望をもたらす若い力

column vol.751

当社では今月、インターンシップ月間ということもあって、学生と接する場面が多いので、最近は自ずと未来を担う若き人財の活躍に興味が引かれます。

つい先週も、バーバリー学生が行っているサステナブルなプログラムを目にしたので共有させていただきます。

バーバリーが2020年に英国ファッション協議会とパートナーシップを組んでローンチした「ReBurberry Fabric(リバーバリー ファブリック)」が、イギリスを拠点とするファッションクリエイターの卵たちに、自社で発生した残布を寄付しているのです。

〈FIGARO.jp / 2022年8月13日〉

若いクリエイターと持続可能な未来を考える

余った生地を有効活用するだけでなく、若きクリエイターたちに素材と創作について新たに向き合う機会を設け、自身の可能性を広げるきっかけを与える内容となっているとのこと。

現代社会にマッチした意義深い取り組みとして、ファッションのみならず、環境問題教育の観点からも注目を集めているのです。

今回はエディンバラ芸術大学ブライトン大学など30を超える大学ファッションスクールに、総量12,000mを超える残布を提供。

過去のコレクションで使用したさまざまな生地が若きデザイナーたちに配られています。

このプログラムについて、バーバリーのニコール・ラベットさんは、このように語っています。

私たちは、次世代のクリエイターを支援するとともに、環境保護のためにできることを実行していきたいと考えています。英国ファッション協議会と再びタッグを組み、循環型社会を目指しながら、フレッシュな才能をサポートできることを誇りに思います。学生たちがクリエイティビティを存分に発揮できる素材やツールを提供することが、ファッション業界のよりよい未来に繋がることを願っています。

そして、若きクリエイターたちからも

このプログラム最大の魅力は、学生が通常では手に入れることができない生地を使用できること。さまざまな生地を使って試作がしたくても、学生の予算は限られています。『ReBurberry Fabric』では、廃棄物を削減した上で学生がより多くの生地を手に入れることができます。サステイナブルな要素と学生支援、2つを備えている点が非常に重要だと思います。

などといった喜びの声が上がっております。

これからの循環型社会に向けてどのようにファッションビジネスに向き合っていくかを考えるきっかけともなり、「ReBurberry Fabric」の持つ意味はとても大きいのではないでしょうか。

刑務所発のファッションブランド

「残布」を使った社会的な取り組みは、この国にもトピックがあります。

日本初「刑務所のファッションブランド」が話題になっているのです。

〈CHANTO WEB / 2022年8月13日〉

産官学が連携した「みとびらプロジェクト」は、社会復帰を目指す受刑者の方々服のつくり手となる取り組み。

企業行政教育が手を取り合い、産官学が連携して進行しています。

座組みとしては、産業の部分をアパレル企業の部分を法務省矯正局の部分を東京藝術大学美術学部のDOORが担当。

具体的には、刑務所の中にファッションブランドを立ち上げ、服役中の若い女性に裁縫技術を身につけてもらうことで社会復帰を支援します。

また、受刑者の方が縫製などで携わった商品の売上金の一部は、出所後の奨励金になるというのです。

一般社団法人みとびらの理事である山部千明さんは

私は、「障がい」とは身体的な不自由さを指すことが多いのだろうと思っていたのですが、法務省の井上さんの講義の中で受刑者の実状を知り、「障がいって身体的なものだけを指すのではなく、環境も障がいの1つなんだ」と学びました。

と語っており、さまざまな受刑者の方たちと触れ合う度に、刑務所に持っていたイメージが「罪を償うための場所」というイメージから「生き直しを学ぶ場所」「生き方をもう一度勉強する場所」というように変わっていったそうです。

まず女子に目を向けたのは、例えば薬物事件で受刑している女性の70%以上家族や配偶者からDVを受けていたり、少年院に収容されている少女の半数以上虐待など小児期に辛い体験をしているという背景があったりなど、立場の弱さや知識の無さから犯罪に加担してしまったケースが男性受刑者よりも多い傾向にあるからとのこと。

しかし、これが単なる社会貢献活動に留まってはいけないとも考えていらっしゃり、「刑務所の人が頑張ってつくったものだから…」を「素敵な商品だから買う」と思ってもらえるような教育を提供していきたいと思っていらっしゃいます。

国内で初めての挑戦に、今後も期待が集まります。

2年前に開業した会社が偉業を達成

日本初と言えば、先月の終わりに驚きのニュースがありました。

アパレルブランド「CFCL(シーエフシーエル)」が、7月28日に国内アパレルブランドで初となる「B Corp認証」を取得。

2021年5月に申請をしてから1年以上の審査・評価期間を経て、認証取得の条件となる「80点(200点満点)」を上回り、最終的には「128点」にまで至ったそうです。

〈ELEMINIST / 2022年8月3日〉

「B Corp(Benefit Corporation)」とは、社会や環境に配慮した公益性の高い企業に対する国際的な認証制度のこと。

アメリカの非営利団体「B Lab」が運営を行っています。

2006年にアメリカで始まった「B Corp」は、ヨーロッパ各国や北米で急速に拡大し、世界83カ国5,344社が認証を取得済み(7月28日時点)。

厳格な審査が行われることでも有名で、長期にわたってエコ活動に偽りが無い企業であることを示していける国際認証制度となっており、業界を越えて全世界12万社以上が認証の合否に拘らず、この評価制度をビジネスの指標にしています。

「CFCL」は、3Dコンピューター・ニッティングの技術を中核に据え、時代に左右されない衣服を提供。

さらには、衣服としての機能性環境への配慮最適な国産素材の選択サプライチェーンの透明性を追求。

積極的にサステナビリティに取り組んでいるブランドなのですが、これがまた2020年に創業したばかりなのです…(驚)

それなのに、128点という超高得点を叩き出している…

設立から2年、10人程度の社員で、資金を始めリソースはまだまだ不足している状態でこの成果は、真のサステナブル企業として、今後ますます成長していくでしょう。

若者の力若い会社の力

「若さ」持続可能なファッションの未来を感じる本日の事例記事でした。



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