日本の「お金」にまつわるエトセトラ
column vol.698
参議院選挙を目前にして、日本の未来を考える方も多いのではないでしょうか?
少子高齢化、人口減少、戦争、コロナ、インフレ、円安、そして賃金の上がらない国…。なかなか課題多き状況であることは間違いないでしょう。
ちなみに「お金」については現状どうなっているのでしょう?
まずは「年収」と「貯蓄」の現在地を把握してみましょう。
都道府県別「現役世代の貯蓄と年収」ランキング
国税庁によれば日本人の平均年収は433万円です。
〈LIMO / 2022年6月25日〉
そして、総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年-(二人以上の世帯)で明らかになった【都道府県別 平均貯蓄額・平均年収】の勤労者世帯・全国平均は
平均貯蓄額:1454万円 平均年収:749万円
今回の調査を全国平均で見ると、世帯主の年齢は49.9歳、女性の有業率は54.6%となっています。
以下、「貯蓄」、「年収」の都道府県別ランキングとなります。
■【47都道府県】貯蓄トップ10
東京2372万円(978万円)
京都2210万円(712万円)
奈良2023万円(799万円)
岐阜1943万円(801万円)
千葉1913万円(795万円)
滋賀1909万円(786万円)
愛知1815万円(801万円)
埼玉1758万円(937万円)
群馬1682万円(793万円)
神奈川1642万円(837万円)
■【47都道府県】年収トップ10(年収・貯蓄)
東京978万円(2372万円)
埼玉937万円(1758万円)
神奈川837万円(1642万円)
岐阜801万円(1943万円)
愛知801万円(1815万円)
奈良799万円(2023万円)
福岡795万円(1284万円)
千葉795万円(1913万円)
石川794万円(1437万円)
群馬793万円(1682万円)
貯蓄と年収をみると、年収と貯蓄のトップ10には関東が5つランクインし、関西や中部地方などやはり都市部ほど高い傾向に見られました。
一方で、郊外など住む場所を工夫することで家賃や生活費などを抑えることも可能でしょう。
年収600万円世帯・貯蓄額1000万円の落とし穴
同じくLIMOの記事に【年収600万円世帯の平均貯蓄額は1000万円!でも油断するとやばい2つの理由とは】という記事があったので共有させていただきます。
〈LIMO / 2022年6月25日〉
「年収600万円」と聞くと、「ある程度貯蓄しながら生活できる世帯かな?」と感じますよね。
同じく総務省の調査での年収600万円台の世帯の平均貯蓄額と内訳を見てみたいと思います。
■年収600万円~650万円の世帯
平均貯蓄額:1119万円
通貨性預貯金:421万円
定期性預貯金:299万円
生命保険:245万円
有価証券:124万円
金融機関外:30万円
■年収650万円~700万円の世帯
平均貯蓄額:1128万円
通貨性預貯金:455万円
定期性預貯金:310万円
生命保険:224万円
有価証券:112万円
金融機関外:28万円
上記を見ると、年収600万円の世帯は預貯金を中心に1000万円程度の貯蓄をしていることがわかります。
一方で…、世帯主の平均年齢は、年収600万円~650万円の世帯で平均48.4歳、650万円~700万円の世帯で平均50.1歳となっています…。
さらに、世帯の中で18歳未満の人が1名程度いる。
18歳未満というと、大学進学を視野にいれている家庭も多いはず。
「私立と国公立」、「自宅通学と下宿」などの選択肢にもよりますが、1000万円以上の費用が発生する場合もあります。
となると…、「1000万円の貯蓄があれば安心」とは言えなくなりますね…。
さらに、金融庁は「老後の生活費は年金収入以外に2000万円が必要」と言っております…。
なかなかシビアな状況であることが把握できるかと思います。
「年収200万円の豊かさ」に加熱するSNS論争
今、『年収200万円で豊かに暮らす』(宝島社)という書籍についてSNS上でさまざまな意見が飛び交っているようです。
〈DIAMOND online / 2022年6月25日〉
「年収200万円 本」で検索すると、これまでもこの本に似た趣旨の書籍は多く出ていることが分かります。
ダイヤモンドオンラインの記事は、フリーライターの武藤弘樹さんがこの「年収200万円で豊かな暮らし」についての考察しているのですが、騒動についてのご意見に考えさせられました。
SNS上では、もちろんこの本に好意的な人もいますが、一方「このままで良いのか、日本??」という意見も溢れています。
武藤さんはそれぞれの意見に
今でも「無駄遣いの我慢」はしているのだから、筆者の年収を200万円に下げれば、我慢すべきものがさらに増える。そこまで年収が減ったら、物理的豊かさの低下にともなって現在の精神的な豊かさすら損なわれるのではないか、という懸念がある。
一方、
ただし「住めば都」とも言うし、「きっと年収が200万円になっても、自分は持ち前の楽観性を発揮してなんとか楽しく暮らすだろうなあ」という気もする。生活コストを下げるためにさらに地方へ移住するというのも手かもしれない。その先ではさらなる“豊か”な生活が手に入る可能性がある。
と両者の考えに理解を示しています。
その上で、この盛り上がりについて、このようにお話しされています。
昭和の時代から「勝ち組になること(仕事で成功すること)こそ全て」という価値観があった。しかし、平成、令和の時代になると「そんなにガツガツしなくてもいいではないか」「仕事以外にも充実を求めるべきではないか」というカウンターカルチャーが育まれ、節約術やミニマリズムも注目されてきた。(中略)
この話題の発端となったあるユーザーのツイートには「日本経済を衰退にいざなうあしき書籍がまた出てきた」といった趣旨の声が多く寄せられている。それくらい、みんな現況にイライラしているということであろう。この本が、国民の日本経済への不満のはけ口として消化されているきらいもあり、その点では不憫である。
現状、日本は「不安社会」と形容するのにふさわしく、この先の光明を見つけにくい。その状況にみんながイライラしている。その感情の渦を各政党の政治家たちがどのように見ているのか?
今までとはちょっとレイヤーの違う状況に差し掛かっているんではないかなと感じています。
ひろゆきさんに称賛の声、なぜ?
ちなみに今、ひろゆきさんのSNS上での発言に称賛が集まっています。
〈Smart FLASH / 2022年6月24日〉
ひろゆきさんは、6月23日、日本人の平均手取り給与がこの20年間で下がり続けていることを示した国税庁の資料を引き合いに出し、《日本人の平均給与を上げる方法》と書いたツイートを投稿。
内容は以下の通りです。
低給外国人労働者のビザ停止。
日本国民全員に最低限の生活費支給。
配偶者控除の拡充。
年金受給者の労働には年金支給額引き下げ。
高等教育無償化。
生活の為に無理して働く人が減ると、働き手を確保する為に昇給が起きます。また、自動化が進み生産性も上昇。
『低給外国人労働者のビザ停止』は、単純作業に従事する人が少なくなり、時給を上げないと人が来なくなる。
そして、『最低限の生活費支給』『配偶者控除の拡充』、そして働く年金受給者の『年金支給額引き下げ』により、あくせく働く人が減り、やはり同じように求人に際して時給をあげる必要が出てくる。
Smart FLASHではひろゆきさんの考えを受け、上記のように解説しています。
皆さんは「年収200万円で豊かに暮らす」と「ひろゆきさんのツイート」をどのように感じられたでしょうか?
さまざまな考えがあるかと思いますが、少なくても国民一人ひとりが今まで以上に社会や未来について意識を向けていった方が良いことは間違いでしょう。
さぁ、参議院選挙です。
なかなか…決め手がないという方もいらっしゃるかと思いますが、私たちが最初にできることは投票です。
私も今まで以上に勉強し、そして考えて、未来のための投票をしたいと思います。
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