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身になる企業の「SNS広報戦略」

column vol.676

昨日は当社の広報用アカウント誕生についてお話しさせていただきました。

そこで今日は、さまざまな企業の「広報戦略(企業PR)」についてお話ししたいと思います。

最近の主流はSNSを使うことが多いと思いますが、Twitterに関する興味深い調査結果がありましたので、まずはそちらをご報告させていただきます。

企業TwitterのKPIとは何か?

マーケティング支援などを手掛けるテテマーチが2月28日~3月11日、同社のメールマガジンを購読している企業のTwitter担当者を対象にアンケートを実施。

Twitterの企業活用について161人の回答をまとめました。

〈SankeiBiz / 2022年6月1日〉

まずは、Twitterが自社のビジネスに貢献しているかどうかの実感について。

0~10の11段階で評価してもらったところ、「0(実感なし)」19.8%で最も多い結果に…。

逆に…、最高評価「10(実感あり)」2.5%に留まっております…(汗)

やはり、広報って難しい…。

実際、調査の総括として、ノウハウや知識の不足が課題だとする担当者は65.2%に上り、Twitterをビジネスにフル活用できている企業は多くないことが明らかになりました…。

ちなみに、運用担当者の人数を聞くと「1人」最多の52.8%、運用にかけている1週間あたりの時間「30分未満~2時間」63.4%に上り、人員と時間を割けていないのが現状というところ…。

さらに、予算については1万円未満とする回答が最多の45.3%で、10万円未満全体の84.4%

マーケティング会社、PR会社に委託できておらず、ご担当の方がヤキモキしながら運営している様子が思い浮かびますね…

そして、気になるKPIについては複数回答になるのですが、「フォロワー数」(61.5%)で最多。

次いで、投稿した内容に対して他の利用者がリツイートなどのリアクションを起こした割合を示す「投稿のエンゲージメント率」(36.6%)、「投稿のいいね数」(29.8%)、投稿が見られた回数を指す「投稿のインプレッション数」(29.8%)「投稿のリツイート数」(26.1%)の順に多い結果に。

さらに、驚いたのが「特に注力している指標はない」13.0%にも上っています。

「まずはやってみようよ。結果は後からついてくるよ」という寛容な会社も一定数あることが分かりますね。

「試してみたい」がバズるカギ

もちろん、KPI(重要業績評価指標)はエンゲージメントやインプレッションなど、SNSの中に置くものの、KGI(重要目標達成指標)は当然、広報している商品やサービスが売れることにあるでしょう。

その好事例が「ヤクルト1000」です。

〈マナミナ / 2022年5月26日〉

「ヤクルト1000」はご存知の方も多いとは思いますが、従来のヤクルトと比べ、ヤクルト独自の乳酸菌の「シロタ株」が1本に1,000億個入っているというもの。

研究によってエビデンス(証拠)があるため、「ストレス緩和」「睡眠の質向上」と大々的に謳えることが強みとなります。

商品自体に大きな魅力があることがバズる原因の一つですが、もう一つ重要なのが、SNSで発信しているだけではなく、「反応分析」をしていること大きな要因になっていると思います。

Web行動ログ分析ツールの「Dockpit」を使い、検索ユーザー数推移やワードからユーザーの興味関心を把握しているのです。

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「ヤクルト1000」Dockpit分析

一番下の画像でたくさんのワードが並んでいる中に「マツコ」とありますが、2022年4月4日放送の「しゃべくり007(日本テレビ)」マツコ・デラックスさんが「ヤクルト1000」の話題を出し、一気に「ワード」が増えたことを表しています。

(文字が大きければ大きいほど、よく使われているワード)

こうした分析をすることで、サカナクション山口一郎さんの「松任谷由実さんに勧められて飲んでいる」という発言も把握。

そして、もう一つ着目したいのが、同じ画像「マツコ」の2つ上にある「悪夢」というワード。

これは

「確かに睡眠の質は上がるが悪夢も見る」
「悪夢を見て夜中に飛び起きることもあるがそれでも目覚めはすっきりしている」

という口コミが多いことが起因していました。

一見、健康がウリの商品なので、ネガティブに思われがちですが、ユーザーからは「ホント!?私もやってみよう(飲んでみたい)」という参加性を生み出すことに繋がっています。

ユーザー同士の自発的なムーブメントこそが「バズる」最大のキーポイントなのです。

こういったことを分析できているか否かがKPI、KGIの成否を大きく分けることは間違いありません。

当社でも企業のSNS運営を委託されることが多いですが、「分析」に力を入れ、SNS運営の最適化を図っています。

そんなことも、いつか会社アカウントの方でも紹介させていただきますね。

「バックグラウンドストーリー」がファンをつくる

我らがnoteで広報している企業も多いですよね。

ということで、最後はnoteの好事例をご紹介します。

カルビー「ファンとつながる」ブランディング戦略を行っているのですが、商品の裏側にある「バックグラウンドストーリー」を発信しているのです。

〈TECH+ / 2022年5月31日〉

「かっぱえびせん」「じゃがりこ」「Jagabee」、これらの商品がどんな人によって開発され、そこにどんな想いが詰まっているのか?

そこには原料であるじゃがいもへのこだわり社員の想いが溢れています。

しかし、普段のキャンペーンなどでは情報過多になってしまうので、伝え切れない。

そうなると、お菓子という “モノ” とキャンペーンという “刺激(お得)” しか、生活者には届きません。

そこで文章を使ってじっくり語れるnoteを使って、同社の歴史こだわり商品の裏側にあるストーリーを伝えることにしたということです。

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公式アカウント「THE CALBEE」の企画のうち、新しいところでは「プロ野球チップスカード復刻会議」や新卒採用活動に合わせて始まった連載の「NEXT is NOW」などに注目が集まったそうです。

プロ野球チップスカードについては、確かに我ら中高年世代にとって、子どもの頃の思い出があるので、じんわり来る方も多いのではないでしょうか?

これもユーザーの参加性(自分事化)の話に繋がりますね。

2年目の今期は、「noteのクリエイターやカルビーのファンとの交流」を大切にしていきたいそうです。

一人のnoterとして、今後の展開が楽しみです。

ということで、本日はSNSの広報戦略についての事例を紹介させていただきました。

ちなみに、本日は紹介し切れなかったのですが、ネット担当者フォーラム【評価されるECサイトのポイントとは?約4万店から選ばれた最優秀店舗「sisam FAIR TRADE(シサムフェアトレード)」に学ぶ】という記事も非常に勉強になったので、併せてご覧いただければと思います。

〈ネット担当者フォーラム / 2022年6月1日〉

そして、最後に会社アカウントを早速読んで、さらにフォローまでしていただいた方々に大変感謝しております!

今後とも2つのアカウントで何卒よろしくお願いいたします。


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