起業は72時間以内に実行せよ
column vol.1215
学生ベンチャーが増えているようです。
〈AERA.dot / 2024年6月2日〉
2001年に経済産業省が「大学発ベンチャー1000社計画」を掲げてから20年以上経ちましたが、その数は順調に推移しています。
同省によると、23年度の大学発ベンチャーの数は4288社にものぼるのです。
もちろん、そのほとんどが教授の皆さんが研究成果を元に立ち上げた企業なのですが、学生ベンチャーも約3割にあたる1200社近くまで増加しています。
もちろん若者だけではなく、2023年新設法人が前年比約8%増加し過去最多の15.3万社になるなど、世の中全体として新しい挑戦は活気づいている。
そこで、本日は「起業」についてお話ししたいと思います。
そして、タイトルの「72時間」とは何なのか?
ぜひ最後までお付き合いくださいませ😊
全てのモノが起業から生まれている
経産省が公表している「大学発ベンチャートップ20」を見てみると
1位は東京大学で420社。
続いて慶應義塾大学が2位。
そして、京都大学、大阪大学、筑波大学の順番となります。
ちなみに、東大は起業家教育に関わる講義数が60もあるそうです。
そうした中、学校全体で起業への意識が高まっている。
AERAのインタビューに東大文科一類2年の岡本花恋さんは、このように答えています。
「起業は全く別世界のものではない」。
そうしたマインドがランキングに表れていますね😊
また、このAERAの記事を読んでいて、ある学生起業家の言葉にハッとさせられます。
その方とは、東大文学部の3年生で、介護従事者向けメディアを手がける株式会社emome(エモミー)社長、森山穂貴さん。
起業に躊躇していたある日、ラーメン屋で麺をすすっていると、こんな想いが込み上げてきます。
熱意は72時間で冷める
ここでパチン!とスイッチを入れて起業できるのが若者の強さです。
実はこの「思い切りの良さ」こそが重要というのが本日の話でして
“起業”のスペシャリストである山川恭弘さんは
という言葉で、その大切さを説いていらっしゃいます。
〈現代ビジネス / 2024年5月29日〉
こちらは、行動経済学の「72時間の法則」を山川さん流に表現したもの。
つまり、熱意は3日間放ったらかしにすると、すっかり冷めてしまうというわけです…
これは、起業でなくてもよくある話かと思います…
やはり「鉄は熱いうちに打て」ということなのでしょう…
どれだけ計画を綿密に立てても計画通りにいくことはないですし、そもそも未来のことなんて誰も分からない。
だからこそ思い切りよく始めて
それが、スタートアップのスペシャリストが語る「起業の秘訣」というわけです。
「OODAループ」を回す
こうした話が「無謀な挑戦」に聞こえないよう、もう1つ裏付けを用意させていたます。
多くのビジネスパーソンが、計画し、実行するのに使うのがPDCAサイクルかと思います。
こちらは
の仮説・検証型プロセスを循環させ、プロジェクトの質を高めようという概念です。
一方、移り変わりの早い現代において、それではスピーディーに変化に対応できないと考え、今、多くの企業で取り入れているのが「OODAループ」になります。
OODAループとは
という4つのステップから構成され、目標や課題に対してプロセスを踏んで意思決定・行動につなげていきます。
最大のポイントは「Plan(計画)」がないことです。
変化への適応が重要視されています。
ちなみに、それぞれのメリットを整理すると、こちらになります。
それぞれ良いところがありますが、起業のみならず、熱意を冷まさず素早くアクションに結びつけるためには、OODAループの良さを取り入れていくことが肝要です。
もちろん、3日どころか3ヵ月、3年寝かしても全く熱が冷めないのならば、ゆっくり計画を練り込んでも良いと思います。
…とはいえ、もともとOODAループは予想不能なVUCA時代に最適な概念として脚光を浴びました。
たとえ時間が経っても熱が冷めなくても、実行する段階になって時代遅れになっていないように…、やはり、計画は完璧を求め過ぎずに軽やかにスタートすることが得策かもしれませんね。
〜ということで、本日は「起業」についてお話しさせていただきました。
今月、大和ハウスの社内起業制度『Daiwa Future100』がスタートさせたように、最近ではイントレプレナーのチャンスも増えています。
〈経営プロ / 2024年5月27日〉
もし、起業のみならず新しいことにチャレンジする際は、「72 hours magic」と「OODAループ」を活用しながら、ぜひ夢を叶えていってくださいませ。
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!