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救え“未来”の小売業
column vol.1237
パーソル総合研究所・中央大学による「労働市場の未来推計2030」によれば、2030年に卸売・小売業において約60万人もの人手が不足すると予測されています…
そこで急速にDXが進んでいるのですが、中でもAIの導入事例がますます加速してきていると感じます。
特に “接客” においては皆さんも、生活の中でその変化に気づく方もいらっしゃるでしょう。
そして今後も、気になるトピックスが目白押しです。
例えば、NTTコミュニケーションズが人の姿や声を画面上に再現した「デジタルヒューマン」に生成AIを組み合わせた接客システムを開発し、今年度からドラッグストアチェーンへの展開を計画しています。
〈NHK NEWS WEB / 2024年6月4日〉
他にもメガネの製造販売を手掛けるOWNDAYSでは、店舗運営を支援するための “AI社員” を新たに導入しているのです。
〈ITmediaビジネスオンライン / 2024年6月9日〉
顧客満足度の向上を目指す“AI社員”
OWNDAYSのAI社員は一人(?)ではありません。
●AI営業管理職
●AI接客社員
●AI問診社員
生成AIでデザインされた役割の違う3タイプの社員がいるのです。
AI営業管理職の「AI-AM(アイアム)/OWNDAYS BRAIN」は、販売から顧客データ、専門知識まで同社に関わる幅広い情報を持つAIチャットボット。
スタッフが疑問に思ったことを入力するだけで迅速に回答してくれるため、上司への確認やマニュアル閲覧にかかる時間を削減できます。
こちらは国内全店舗のスタッフが利用可能で、新店舗にも順次導入予定とのこと。
また、AI接客社員の「アイ・ランドルト」は、店舗に設置されたモニターを通じて対話が可能。
英語や中国語にも対応し、外国人観光客とも円滑なコミュニケーションがとれるそうです。
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今後は、輪郭を読み取ることでそれぞれに合った商品の提案やバーチャル試着機能、購入履歴などを考慮したキャンペーン情報の提供などの機能拡充するとのこと。
また、英語や中国語以外の外国語対応も検討しているそうです。
AI問診社員の「タクミ・ランドルト」は視力測定後に客と対話し、それぞれに合った最適な度数を提案。
異なる3タイプのAI社員が加わることで、店舗運営の支援や業務効率化、顧客満足度の向上に役立てていきます。
年内で50店舗体制を目指しているそうなのですが、比較的家から近い川崎ダイス店で既に導入しているそうなので、近々行ってみますね😊
新インフルエンサーの「瑠菜」に注目
皆さん、こちらの女性をどのように思われるでしょうか?
![](https://assets.st-note.com/img/1720155750273-0m9dZ7gs10.png?width=800)
キレイなモデルさん?
と思っていただけたでしょうか?
既に感の良い方は気づいているかもしれませんが、そうなのです。
こちらの女性はAIモデルです。
AI社員の話から「人」つながりで、こちらの事例をご紹介させていただきます。
タキヒヨー、しまむら、AI modelの3社が「ファッションセンターしまむら」で、AIモデル「瑠菜(るな)」を使ったプロモーションプロジェクトを開始。
そのキャラクターのリアルさに注目が集まっています。
〈流通ニュース / 2024年6月5日〉
若い女性からの支持を意識したビジュアルを持ち、スケジュール調整や撮影に時間がかからないAIモデルを起用することで
●10代~20代の若い女性の顧客層の取り込み
●移り変わりの早いファッショントレンドへの対応
という課題解決につなげたいとのこと。
今回のプロジェクトで、タキヒヨーはアパレルの企画から生産まで一貫して提案できるノウハウを生かし、AI model社の技術をサポートしています。
瑠菜 / プロフィール
身長158センチ、ファッションモデルを目指す20歳の服飾専門学校生
ちなみに名前は5月に公式SNSで募集し、決めています。
また5月13日からはインスタグラマーとしても活躍。
現在のインスタフォロワー数は6588人と上々のスタートとなっております。
最近、アパレル業界では社内インフルエンサーを育てている企業もありますので、新たな一手としてヒントになる事例ですね😊
「値引き」の判断はAIにお任せ
再び売り場に話を戻しまして、最後にお届けしたいのが「値引き」についてです。
イオンリテールは、AIが値引き率を決めるシステム「AIカカク」の導入を進めているのですが、これがなかなかの精度とのこと。
業界から期待が集まっています。
〈ITmediaビジネスオンライン / 2024年6月28日〉
AIカカクは、販売実績や天候、客数などの環境条件を学習したAIが “その日その時” の需要を予測し、最適な値引き率を算出。
同社では、2021年に総菜部門で、2022年には日配品の一部にAIカカクをそれぞれ導入しました。
そして、今年5月からは畜産部門と水産部門にも実装。
従業員用端末で商品のバーコードをスキャンし、その時の陳列数を入力すると、端末に割引率が表示される仕組みになっております。
現在、AIカカクはイオンリテールが運営する約380店舗で導入。
約1200品目の値引きに活用されているのですが、導入した店舗では何とロス率が1割以上低減しているそうです。
また、AIによる値引き率がいつも高く提示される商品は、売れにくい商品だということが明らかに。
その結果、商品の製造数を減らしたり、品揃えを見直したりといった改善がよりスムーズに行えるようになったそうです。
これまで従業員の経験や勘に頼っていた値引き業務をAIに任せることで、業務効率化や商品の廃棄率低減が図れる。
そして今後は、シーズン商品である衣料品の分野でも活用を検討しているようです。
こうしてAIが人手不足を補う以上の利益を生み出してくれる。
人とAIが組むからこそ提供できる新しい価値を考えながら、私も小売業のマーケティングを行っていけたらと考えております😊
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!
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