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飛び立て“中高年“

column vol.623

日々ニュースに向き合っていると、我ら中高年世代に待ち受けている厳しい現実を目にすることが多くなっていると感じます。

例えば、昨年の「希望退職」に関する一例は以下の通りです。

JT46歳以上社員およびパートタイマーなど約3000人
ホンダ55歳以上約2000人
フジテレビ勤続10年以上50歳以上の社員約3000人
博報堂DYホールディングス満50歳以上59歳以下かつ勤続5年以上の社員約100人

今年も富士通「50歳以上の幹部社員約3000人」といった大型リストラを筆頭に、平和オリオンビールなど、上場企業だけでなく中小企業にまで拡大しています。

40代・50代の多くの方が気が気でない毎日を送っているのではないでしょうか?

私も副社長とは言え、サラリーマン副社長ですので同じ気持ちでございます…。

というわけで、会社に残るにせよ、起業も含めて新天地を目指すにしても、大切だと思った3つの項目があるので、今日はそちらを共有させていただきます。

「自己受容」が最初の一歩

私もまだ道半ばではありますが…、中高年として輝くための第一歩として「自己受容」が大切だと思います。

自己受容とは、「その人が置かれている現実の状況を受け入れること」を意味します。

もちろん、自分が受け入れにくいことも受け入れていく…(汗)

職位や年齢が上がると、より人間力がモノを言うようになりますので、いかに自分を厳しく見れるかは重要ですね。

ただ一方で、自分のことを低く見積り過ぎている人も少なくないと感じます。

社会の荒波に揉まれていると、「まぁ、自分なんて」と思いがちですが、実は経験値も含めて自分の中に眠る宝はきっとある。

相談予約は3年待ち

これまで3000人以上の大人女性に働き方・生き方・経済のステージをシフトさせる活動を行ってきた起業コンサルタントの中山ゆう子さんは、自分が行ってきたことを書き出す大切さを説いています。

〈ハルメクWeb / 2022年3月31日〉

例えば、転職するつもりはなくとも履歴書職務経歴書を書いてみると、自分の強みが客観的に見えてきます。

また、副業のマッチングや、副業が難しい方はボランティアなど、会社とは違う環境で活動すると気づかなかった自分の良さに気づくこともあります。

私は運動指導の資格を持っており、トレーニングのレッスンや、今こうしてnoteを書くことから得られた自信もあります。

武器を持ってない人はいないというのが私の持論で、その見つけ方に知恵を絞ることが肝要かと思います。

「半径3m」の人を幸せにする

続いて大切だと思うのは、度々「仕事の本質に立ち返ること」かと感じています。

仕事とは「仕える事」。つまり、奉仕することにあります。

SHOWROOM株式会社・代表取締役社長の前田裕二さんの「仕事とはただ目の前にいる人を喜ばすこと」という言葉が好きなのですが、それに近しい記事があったのでご紹介いたします。

健康社会学者・博士、河合薫さんの「半径3メートルの人が幸せになる行為」です。

〈東洋経済オンライン / 2022年4月1日〉

河合さんはフィールドワークとして600人超のビジネスマンをインタビューを行ってきているのですが、東洋経済の記事の中で「万年課長の華麗なる転身」について語られています。

その方は、課長に昇進するまでは同期の中でもトップランナーだったそうですが、そこから足踏み状態が続き、気がつくと最年長の古参課長に。

ご自身曰く「働かないおじさん」になってしまったそうです。

しかしある日、部下が営業先を開拓できず、落ち込んでいたので、かつて世話になった知り合いを紹介したとのこと。

すると、その部下から「本当にありがとうございました。あんな方と知り合いなんて、すごいです」と言われ、そこから「まだまだ自分にはできることがある」と考え直し、「半径3mの人が幸せになる行為」を行うようになったのです。

部下への声がけから始まり、半径3mの人たちに積極的に働きかける

その後、転職し、平社員からやり直したそうですが、目の前の人たちを一生懸命喜ばしていたら、その会社で部長になれたそうです。

昇進ということは置いておいても、歳を重ねるほど「目の前の人を喜ばせる」という意識を大切にしたいと考えています。

クライアントも、社員も、今では20歳ほど離れた人たちと仕事する機会がありますが、謙虚に誠心誠意心を尽くす

そのマインドがないと、ただただ煙たがれてしまうと思うからです…(汗)

謙虚さが生む「計画的偶発性理論」

とは言え…「ただ目の前の人を喜ばせる」という行為は、私の経験では短期的に成果が見えなかったりします

なかなか気持ちが続かず、ついつい気が緩んでしまう…。

しかし、中小企業のバリュー開発・社員教育などを手掛けるsfidaM代表の小沢松彦さんは、この謙虚に小さなことからコツコツと誠意を尽くす姿勢が思わぬ幸運を引き込む可能性があると語ります。

〈NIKKEI STYLE / 2022年4月7日〉

「因果応報」という言葉があるように、良いことをすれば良いことが返ってくる。これは概念的な話ですが、なんとなく「その通りかも」と多くの人が思っているのではないでしょうか?

心理学者のジョン・D・クランボルツ教授の「計画的偶発性理論」はご存知でしょうか?

個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される。その偶然を計画的に設計し、自分のキャリアを良いものにしていこうという考え方です。

小沢さんは52歳の時に起業したそうですが、その原点は10年前にあるとのこと。

半年間に及ぶマネジメント研修プログラムに参加していたのですが、そのうち1回だけ、仕事の都合で遅刻してしまい、昼頃に駆けつけた時には既に研修が終了

仲間からその回が非常に好評だったと聞いた小沢さんは、その先生が昼食中ということを確認し、ダメ元で個人授業をお願いしたそうです。

先生は「遅刻してきて個人授業をしろとは何てずうずうしい奴なんだ」と思いながらも「そこまで言ってくる奴もいない。面白い」とその申し出を了承。

それから、何回か酒を酌み交わすメンターのような存在になり、10年後に一緒に事業を立ち上げることに。

振り返ってみれば、この時の行動遅刻による欠席という偶然必然に変えたというわけです。

まさに、一期一会。小さな縁も大切にし、その人に誠意を尽くす。

やはり、この歳になって新しい案件が舞い込むことの多くは、若い頃からのがんばり貯金の賜物だと感じることが多くなっています。

極め付けは、一緒に仕事をしたことは無かった方からの問い合わせがあったこと。

その方は、マーケティングの担当者ではなかったので話す機会はありませんでしたが、会うたびに挨拶だけは欠かさずしており、当時のマーケティングチームの評価と、「担当じゃない自分にもちゃんと挨拶してくれる人」という印象で声をかけてくれたそうです。

その時は、こんな小さな縁大きなチャンスに繋がるのかと驚きました。

半径3メートルの河合さんは記事でこのように結んでいます。

人を幸せにすれば人から評価され、社会を幸せにすれば社会から評価される。自己受容は誰かに尽くし、喜ばれることで促進され、才能や能力はそうやって引き出されていく。自分で限界さえつくらなければ、無限大に可能性は広がっていく。

この言葉を信じて、中高年時代を飛翔したいと思います。

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