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良い会社づくりの「盲点」

column vol.257

気がつくと新年度。副社長になって3期目がスタートしました。

3月は2期連続で黒字着地したことにホッと一息ついていましたが、コロナ禍もあり、また険しい一年を乗り切らなければなりません。

ただ、手前味噌ではありますが、当社の仲間(社員)がますます頼もしくなってきたと実感しています。特に変わったと感じるのが、仕事をちゃんと「自分ごと化」しているのです。

みんな「自分の会社だ」と思ってくれていて、会社をより良くしたいという意識と意欲がヒシヒシと伝わってきます。

私としては、仲間がますます情熱を注げる舞台として、会社づくりを行いたいと改めて思って新年度を迎えたのですが、その参考になる記事を最近多く見かけたので、本日は「社員の育成」「福利厚生」に絞ってお話をしたいと思います。

「褒めて育てる」はNG?

人事評価によって昇格した方や、新入社員が入社し初めて後輩ができた方もいるでしょう。

最近では「褒めて育てる」というのが主流となってきていますが、実はあまり良くないようです…。

〈東洋経済オンライン / 2021年3月16日〉

もちろん、「叱って育てる」ことが良いわけではありません。

褒めるでも、叱るでもなく、一番良いのは「承認する」こと。「相手の存在」を認めるということです。

相手がそこにいること、相手が行動したこと、相手が発言したことなどを、「気づいているよ」「見ているよ」「聞いているよ」「受け取っているよ」しっかりと相手に言葉で伝えることが大切のようです。

「褒める」と、「承認する」の違いを解説しますと、例えば、髪を切った人に「可愛いね、似合っているよ」と言うのは褒めることになります。

一方、「髪切ったんだね」と言うことは「承認」になります。つまり、「気づいていますよ」ということだけを伝えています。

「承認」という冷静な導き

もちろん、本当に褒めるべき(褒めたいと思う)時は、褒めて良いのですが、テクニック論として多用すると、「忖度する部下」が生まれてしまうというわけです。

つまり、褒めるは「麻薬」。上司が部下を褒めることで支配してしまうことに繋がります。

これでは部下は上司に褒められることが目的となってしまい、仕事の本質を見失ってしまいます。同じように部下が付いたら、褒めることで支配し、忖度が組織全体に広がり内向きの会社になってしまいます。

皆が、褒められるために良いことしか報告しない会社。これでは健全な経営の足元が揺らいでしまいます。

また、「褒め慣れ」してしまうこともあります。

そして、より刺激の強い「褒め」を期待するようになり、徐々に「褒められている自分(過剰評価の自分)」「本当の自分(周りのリアルな評価)」とのギャップが広がってしまい、部下が自分自身の暗部に目を向けられなくなっていきます。

承認なら、本人が10頑張ったと思ったら、10のままで自身の記憶に残りますが、褒めるとそれが20にも100にもなってしまう。この差を理解すると分かりやすいのかもしれませんね。

ケース別の承認の仕方が先ほど紹介した東洋経済オンラインのLP4に載っておりますので、ご興味のある方はぜひご覧くださいませ。

リモートワークで変化する福利厚生

社員のモチベーションアップのためにも福利厚生が必要ですが、社員が望んでないものを用意すると、「こんなことにお金かけるな!」と反発が生まれます。

社員が本当に必要な福利厚生を考える必要があるのですが、コロナ禍で新しいものが次々と生まれています。

〈AMP / 2021年3月31日〉

欧米の企業ではアプリを使って会社がベビーシッターや家庭教師を派遣したり、オンラインのフィットネスプログラムを社員に提供したり、家に引きこもりがちな社員には散歩を促すためのインセンティブを与えるところも出てきました。

もちろん、こういったものも良いのですが、私はこの記事の最後に書かれていた「賃金そのままで労働時間を短縮」という福利厚生に着目しました。

本当に素晴らしい福利厚生とは?

オランダの通信最大手KPNでは、12歳未満の子供を持つ従業員に対して、有給の休暇時間を追加。従業員が4時間の休暇を取る際、会社が4時間分を追加して丸1日休むことができるようにしました。

(それ以外の従業員に対しても、6時間の休暇に対して、会社が2時間分を追加。)

金融サービスプロバイダーの「Aegon」でも従業員の労働時間を「1日最低4時間」とすることで、フレキシブルな働き方に対応しています。

この福利厚生を行うには、社内でのやり方を改革しなければ成り立ちません。

無駄な業務の断捨離

しかし一方で、やっている本人たちは無駄だとは思っていませんので、業務の断捨離は相当大変なことです。

これはちゃんと社員たちと向き合い、整理しないといけない福利厚生です。お金をかけるのではなく、熱意をかける。ココが私の共感ポイントなのです。

当社は中小企業なので福利厚生を手厚くすることはできませんが、経営努力でより働きやすい環境休暇を取れる環境を整えることはできます。

そして、なるべく利益を確保し決算賞与などで社員に還元する。それが今のところの理想です。

もちろん、めちゃめちゃ稼ぐ会社になったら、お金を使った福利厚生もどんどん考えていきたいと思います(笑)。

少なくても社員の育成福利厚生も、社員に対する想像力熱意、そして冷静な判断が大切だと感じる今回の事例記事でした。

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