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二極化する「盛り」趣向

column vol.783

日々、進化するSNSの世界ですが、楽しみ方が多様化しているのは言うまでもありません。

このnoteもそうですね。

メンバーシップがスタートしてから、それまでの「フォロワーはより広く、より多く」という数を求める指向に対し、「数よりも関係の深さ」を追求する傾向も色濃くなってきています。

そして最近は、Instagramを始め「エフェクト」に関するニーズにも、さまざまな意見が生まれてきているのではないでしょうか?

つまり、「盛り」についてです。

人によっては「写真を加工しないで投稿するなんてあり得ない〜」と思う方もいるでしょう。

そんな想いも影響して、最近はエフェクト機能を上手に活用した消費動向も生まれてきました。

エフェクトで「なりたい自分」をテスト

現実世界仮想世界を融合するXR(クロスリアリティ)

有名なところで言えば、InstagramのARエフェクト機能が分かりやすいところではないでしょうか?

特に美容については、XRの活用が多く見られます。

〈Real Sound / 2022年9月10日〉

上記リアルサウンドの記事では、バズっている‘‘美容XR”を2つ紹介されていました。

1つは、TikTok髪色診断エフェクト

中でもパステルヘアーカラーに変身することができるエフェクトを楽しむ動画は42,300本(8月22日現在)も投稿されているそうです。

このエフェクトがあれば、自分にはどの髪色が似合うのか、前もってシミュレーションすることができます。

2つ目リップチェンジエフェクト

これは、5色の異なるリップが次々と自分の唇に反映され似合う色を見つけることができるというもの。

ユーザーは似合うリップの色が分かるのと同時に、自分の肌の色がイエローベースなのかブルーベースなのか考えて楽しむことができるそうです。

こちらも、シミュレーションすることによって失敗することを防げることがメリットとなります。

シミュレーションは小売の現場でも活用

このシミュレーション機能は、消費の現場でも見られるようになっており、例えば、コーセーが運営するコンセプトストア「Maison KOSE銀座」もその1つ。

8月に1階のフロアが全面リニューアルされましたが、 最先端のメイクシュミレーター『COLORMACHINE』を導入。

これは、顧客自身の顔に好みのメイクが立体的に追従して投影され、リアルなカラーメイク体験を可能にしたもの。

2Dバーチャルメイクよりもさらに立体的なメイクを楽しむことができます。

また、ファッションで言えば、GU原宿店にある『GU STYLE CREATOR STAND』という撮影機能を搭載した大型デジタルサイネージを設置。

その場で撮影した顔写真から自身のアバターが数十秒で作成され、GUの商品を着用させることができます。

また、気に入ったコーディネートは公式アプリ『GU STYLE CREATOR』にて登録することも可能となります。

以前、【広がる「失敗したくない消費」】という記事で、慎重な若者の購買心理を紹介しましたが

シミュレーション需要と、その提供は今後も色濃く見えてくるでしょう。

等身大の「リアル」への欲求

一方で、「盛る」「映え」による疲れから、「ありのまま」のリアルを求める声も高まっています。

最近のトピックで言えば、アメリカの若者の間で広まっているSNSアプリ「BeReal」が挙げられるでしょう。

〈AFP/ 2022年9月10日〉

このアプリは、「ありのままの日常の一コマ」を投稿するというもの。

1日に1回、全ユーザーに対して写真の投稿を促す通知を一斉送信するのですが、通知が届くタイミングは不定期ということと、通知が届いたら2分以内に写真を撮ってアップしなければならないというルールなので、取り繕っている猶予はありません(笑)

「ありのまま」と言えど限度がありそうですが…、2年前にリリースされたBeRealは、これまでに世界で3500万回近くダウンロードされ、今年9月初旬にはアメリカでダウンロード数トップに躍り出ています。

コンサルティング会社クリエーティブ・ストラテジーズのアナリスト、キャロライナ・ミラネージさんは、「若い世代は、フェイクで完璧なものに飽き飽きしているのだと思います」と分析しています。

「盛り」や「映え」へのカウンターニーズが生まれてきている実態が、垣間見えたのではないでしょうか?

ということで、本日はSNSの多様化を分かりやすく感じていただくよう、思い切って対極でご紹介いたしましたが、皆さんはどちらの気分が近いでしょうか?

私はnoteを始める前は、Facebookをメインのプラットフォームにしていましたが、自分自身のトピックスをアップすると、どうしても自慢話的になるのが嫌で、すっかりと「見る専」になっておりました。

とはいえ、私の「ありのまま」を楽しむ人もこの世にはいないような気がするので(笑)、「BeReal」の方向も今のところ難しそうです…(汗)

今はnoterとしての自分を楽しみたいと思います!

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。


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