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ユニークな視点で進める「社会貢献」

column vol.743

社会貢献というと重要なテーマだけに、ついつい肩肘張ってしまう方も多いのではないかと思うのですが、皆が意識を向け、参画しやすくするための多様な取り組みが見られます。

最近は特にそうした事例を目にする機会が多いので、本日は「ユニークな視点で進める社会貢献」をお題にお話しさせていただきます。

ゴミ拾いが宝探しに

まず最初の事例がボランティアをエンターテイメントに変える挑戦です。

5月30日(ごみゼロの日)に開業した沖縄水中ゴミ拾い専門ダイビングショップ「Dr.blue(ドクターブルー)」に注目が集まっています。

〈ELEMINIST / 2022年8月5日〉

近年、海には大量のプラスチックゴミが流れ込み、自然分解が困難とされるプラスチックは海の生態系に悪影響を及ぼし続けています。

皆さまもよく耳にすると思いますのが、5mm以下の細かなプラスチック片である「マイクロプラスチック」

半永久的に海を漂い続けるとも言われ、マイクロプラスチックを魚が飲み込んでしまうとともに、その魚を食べる人間にも甚大な影響を及ぼしています…。

特に魚好きの日本人一週間にクレジットカード1枚分も摂取してしまっているとも言われています…(汗)

そんな話を耳にすると、「さぁ、ゴミ拾いを!」と肩肘張ってしまいますが、Dr.blueの代表、東真七水さんは、それを楽しみに変えようとしているのです。

ダイバー全国に150万人いると言われており、ダイバー全員が1ダイブにつき1個でもごみを拾えば、水中のゴミを150万個も回収することができます。

そこで開業支援金を募るためクラウドファンディングを実施。

ダイバーのみならず、ノンダイバーにも呼びかけを行い、海の環境問題を多くの人に伝えられるよう取り組んだ結果、300万円以上の支援金を集めることに成功したのです。

そして、ついに「ごみ拾い×スキューバダイビング=水中ごみ拾い」を新しいアクティビティにするための「水中ゴミ拾い専門店」を開業。

ゴミ拾いにエンターテイメント性を加え、まるで宝探しをしているような感覚をダイバーに感じてもらう。

実際、参加者からは「楽しかった」という感想が次々と聞かれたそうです。

廃ホテルでの肝試しをビジネスに

このようにエンターテイメントの力を使って社会のためになるトライアルを行う取り組みは他にもあり、神戸市の六甲では廃墟となったホテルを活用してお化け屋敷に。

〈カンテレSPORTS / 2022年8月6日〉

その名も「きもだメッセ神戸3」

もともとの廃墟の怖さも相まって、去年は3ヵ月の開催で3500人もの来場者が訪れたそうです。

QRコードを読み取り、ヒントを解き明かしながら進む演出も人気の秘密。

ただ、3年前の閉館した直後は、街の問題物件となっていました。

廃墟の怖さに惹かれて肝試しを行う人や、配線を盗む人が多く現れ、不法侵入に悩まされていたそうです。

その数は、年に直すと数百組ほど入っていてもおかしくない状況だったとのこと…(汗汗)

そこで、犯罪の温床になりかねない廃墟に、監視カメラを設置。

お化け屋敷として再利用することで、不法侵入を防いでいるのです。

おかげでオープンして以来、この廃墟の不法侵入はゼロになったとのこと。

廃墟を使って収益を上げるだけではなく、街の防犯にも役立っている。

まさに一石二鳥の素晴らしい取り組みですね。

耳が不自由な方を救う「エキマトペ」

最後はハンディキャップを抱えている方を救うユニークな試みで締めくくりたいと思います。

ビュウウウウウウン ヒューーン ガタンガタンゴトンゴトン ルルルルルルルルルル ポロン♪ポロン♪ポロン♪

駅に到着する電車のブレーキ音ホームドアが開く音、そして発車のモーター音

耳が不自由な方に対して、こうした音を文字や手話で視覚的に表現する装置「エキマトペ」JR上野駅に登場。

突発的な事件・事故の他、災害による電車の遅れ運休を、アナウンスだけでなく、視覚化(文字化)することで、耳の不自由な人にも漏れなく伝えようという実証実験として行われています。

〈乗り物ニュース / 2022年7月27日〉

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この視覚化にあたっては、富士通のスーパーコンピュータ「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX1000」で構築したAIの学習モデルが活用されていて、マイクで集音した駅の音情報を識別しているとのこと。

もちろん、耳の不自由な方に駅で起こっていることの全てを視覚化することで、安全性を高めていくことが目的ですが、さらに、健常者の方がエキマトペを見た時に、考え方や行動が変わることを期待している部分もあります。

確かに、このユニークなモニターを目にすれば、耳の不自由な方のことを意識するようになりますし、誰かにこの実験のことも伝えたくなる

実際、私が早速共有させていただいているように(笑)

エキマトペの実証実験は12月まで実施。

JR上野駅を利用する際には、1・2番線に足を運び、ぜひチェックしてみてくださいませ。

とても大切なことだからこそ、伝え方、巻き込み方に工夫を施す

非常に勉強になる本日の事例記事でした。



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