プログラミングは「ノーコード」と、その向こう側へ
column vol.902
昨今「IT人材不足」という言葉はメディアで目にしない日はないのではないと思うほど溢れています。
コロナでDXが進む中、ますます何をするにもプログラミングが必要な世の中になっている。
実際、経済産業省は2030年には最大で79万人のIT人材が不足すると発表していますよね…
そんな中、脚光を浴びているのが「ノーコード(ノーコード開発)」です。
普通、Webサービスやアプリケーション、システムなどを開発する際は、プログラミング言語でソースコードを記述しますが、ノーコードでは不要になります。
ドラッグ&ドロップなどの簡単な画面操作や文字入力などで開発できるので、最近はNintendo Switch用ソフト『ナビつき!つくってわかる はじめてゲームプログラミング』など、子どもでも簡単にプログラミングを楽しめる世の中になっております。
ということで、今回はIT人材不足を救うかもしれない「ノーコード」の現在地と、さらにその向こう側に待っている世界についてお話ししたいと思います。
広がる「ノーコード」の領域
よく「ローコードと何か違うの?」という声を聞くので、簡単にまとめてみますね。
ノーコードは先ほども言いましたが、ソースコードの記述が不要であることに対し、ローコードは必要最低限のソースコードを記述しながら開発を行う手法・サービスを指します。
「ノー(ない)」に対して「ロー(低い)」である。
プログラミングに関する一定の専門知識を必要とする反面、ノーコードよりも開発の自由度が高いのが特徴です。
ノーコードは「簡単なシステム開発」というイメージを持たれていますが、実は結構幅広い分野でスタンダードに活用されています。
ビジネス+ITで非常に分かりやすく分野をまとめている記事があるので共有させていただきます。
〈ビジネス+IT / 2022年7月1日〉
sowacana代表、安藤昭太さんによると、「Arcadier(アルカディア)」や「Sharetribe(シェアトライブ)」といったノーコードツールを使えば、「メルカリ」のようなマーケットプレイス型のアプリなら1時間で実際に決済できるところまでつくれるとのこと…(汗)
…これが本当だとしたら…、DXが加速する社会において、ノーコードがいかに強い味方なのかが分かりますね。
さらに、今の世は変化が激しいので、小さく試し、臨機応変に方向転換していくことが求められています。
「アジャイル開発」という言葉もよく聞かれるほど、開発には「俊敏さ」がカギを握るのです。
実はすでに身近なノーコード
本日初めてノーコードという言葉を知ったという方もいらっしゃるかもしれませんが、実は世の中はノーコードで溢れています。
例えば、香取慎吾さんのCMでお馴染みの「BASE(ベイス)」は、まさにノーコードです。
ITに詳しくない人でも簡単にECサイトを作成できることで人気を得ました。
あとは「Shopify(ショッピファイ)」もそうですね。
BASEよりは難易度が高いですが、その分、画面デザインやカスタマイズについては柔軟。
また、メール配信やアクセス分析のマーケティング機能、在庫や細かいバリエーションなどの管理機能が追加できることも特徴です。
Webサイトを簡単につくりたいと思えば「ペライチ」が初心者には最適ですし、ちょっと難易度が高くて良ければ「STUDIO(スタジオ)」を活用すれば、それなりのものができます。
一方で、ノーコードは提供するサービスが終わったら、使えなくなってしまうリスクもあります…
そこで、安藤さんは「3年ルール」をオススメしています。
そう考えると、このnoteも3年以上経っているので、安心ですね(笑)
時代は「ノーコード」に向こう側に
しかし、今まさにスポットライトを浴びているノーコードも、もしかしたらこれから先の未来には必要なくなるかもしれません。
というのは、AIによってプログラミング自体の概念がなくなるかもしれないからです。
〈ZDNET / 2023年1月10日〉
「Fixie.ai」のCEOで共同創業者のマット・ウェルシュさんは、次の10年間で「プログラミングは過去のものになる」と予想。
非常に特殊なアプリケーションを除けば、私たちが知るほとんどのソフトウェアは、プログラムされたものではなくAIシステムに取って代わるだろうと予測しています。
つまり、つくるのはAIにお任せということですね。
IT専門家や開発者は専門的な仕事に集中していくことになるということが1つ。
そしてもう1つは、より「何をつくるのか」というコンセプトメイク、グランドデザインに重きを置かれるということですね。
最近、【AIと人間の “違い” と “共存”】という記事で、これからはAIがマンガを描く作業は代行してくれるという内容を書きましたが、通ずるところがありますね。
私はノーコードやAI、専門家の力を借りつつ、よりコンセプトメイクの方を強化して次の時代を乗り切りたいと思っております。
恐らく、どんな方向性を目指すのかは、それぞれの人によって異なるでしょう。
AIの発展は、良い意味でどう生きるか、どう働くかを考えさせてくれますね。
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