2022就活戦線異常なし??
column vol.740
当社では毎年8月にインターンシップの受け入れを実施しており、先週は第一弾としてマーケティングプランナーの回を行いました。
近年は学生側も企業側もインターンシップに対してますます積極的になっており、今回参加してくれた学生たちからも迸る熱意を感じられました。
それだけ、就活への準備が念入りになっているのでしょう。
今年の2023年度採用は「売り手市場」と言われており、リクルートの「就職みらい研究所」の調査でも、7月1日時点の大学生の就職内定率(内々定を含む)は前年同時点比2.8ポイント増の83.3%と裏付けられています。
コロナ3年目にして活発化していることは間違いない。
では、学生は余裕を持って就活に臨めているのか?
現状の就活事情も含めて、確認したいと思います。
リモートならではの新しい兆し
学生たちの思いは学生たちに聞くのが一番ということで、HR総研と就活会議株式会社が運営する就活生向けクチコミサイト「就活会議」が共催で行った「2023年卒 就活川柳・短歌」から本音を読み解いてみたいと思います。
〈東洋経済オンライン / 2022年8月4日〉
〈HR総研Webサイト / 入選作品発表〉
まず、最優秀賞に選ばれたのがコチラの作品です。
面接の フィードバックは 家族から
(大阪府 スーススーさん)
なるほど!
面接をオンラインで行う企業が増えているので、親と同居している学生さんは、親御さんが面接の様子を確認し、アドバイスしている可能性もあります。
私たちの会社でも一次面接はオンラインですが、そういった状況を頭に浮かべられていなかったので、ハッとさせられました。
逆に言えば、親御さんに企業側の様子も確認されているわけでもありますので、「○○ちゃん、あの会社はヤメておいた方が良いよ」と言われないようにしないといけないですね…(汗)
一人暮らしをしている学生さんでも、親御さんが気になってその場にいらっしゃる可能性はありますので、家族総出で臨んでいるかもしれないと思っている方が良さそうです。
また、リモートならではの作品で言えば
優秀賞
恐ろしや 仏頂面の 面接官 よくよく見れば 画面フリーズ
(東京都 ひよこぶたさん)
佳作
面接中 「ご飯どうする?」 「面接中!」
(埼玉県 山田太郎さん)
佳作
難しい 質問来たら 回線が 悪いと言って 時間を稼ぐ
(愛知県 へいへいぼーいさん)
どれも、あるある!と頷いてしまいます。
私は「ご飯どうする」ほどのことはないですが、面接のことを妻に言い忘れて、掃除機の音など生活音が家に鳴り響いたことはあったので、非常に恥ずかしい気持ちになったことを思い出します…(汗)
気をつけなければですね…。
売り手市場だからこその苦しさもある
今年は売り手市場と言われているので、やはり学生の皆さんはハッピーなのでしょうか?
2つある優秀賞の、もう1つの優秀賞は
内定後 カップルみたいな 会話する 別れたいのに 別れてくれない
(兵庫県 さんちゃんさん)
が選ばれていることからも、複数の内定を手にした学生から、内定辞退されている採用担当者の苦悩の様子が目に浮かびますね…
企業側としては内定辞退は非常に辛い…。
文部科学省のまとめによると、1990年以降の18歳人口は94年の205万人をピークに減少を続け、2019年は117万人。20年後の40年には88万人まで減少することが予測されています。
今後は、企業側もますます「自分たちも選ばれているんだ」と意識することが大切になりますね。
一方で、このような作品も並びます。
佳作
御社です! 未来はきっと 弊社です!
(茨城県 けねすけさん)
佳作
ご健闘 祈られ続け 不健康
(広島県 かぶるくんさん)
佳作
羨ましい 進路決まってる 台風さん
(新潟県 wasabiさん)
この3作品には、なかなか内定のとれない学生の焦りや苦悩を感じます。
特に、売り手市場と煽り立てられて、周りが次々と内定を手にする度に心がザワつくでしょう…。
私の頃は就職氷河期だったので、周りがほとんど上手くいってなかったこともあり、劣等感を持たなくて済みました。
学生の苦しい胸の内は、twitterやTikTokからも垣間見えます。
検索欄に「就活」と入力すると、「鬱」や「死にたい」という検索候補が上位に出てくるとのこと。
〈47NEWS / 2022年8月6日〉
私も希望の就職先が決まったのが卒業する1ヵ月前の2月でしたので、現状上手くいっていない学生さんも「いつか、きっと」を信じて欲しいです。
企業側の意識改革が試される時
最後にピックアップしたいのが、企業側の問題点です。
作品を読んでいると、昔のままの慣習から抜け出せていない会社もあるようです。
佳作
地方から 夜行バス乗り 6時間 面接時間は わずか10分
(宮城県 お暇頂戴いたしますさん)
佳作
圧迫面接 するならこちらは メルカリで 御社の商品 ぜんぶ売ります
(東京都 あいこさん)
先ほども触れましたが、「企業側も選ばれている」という意識が無いと、希望するような学生さんから敬遠されてしまう傾向にあるでしょう。
(内定辞退も含めて…)
またSNSや口コミサイトで、学生側からの企業への評価が溢れている時代。
不評だと学生さんが集まらないばかりか、もしかしたらお付き合いのある会社さんから見られてしまう可能性もあります。
面接の現場は密室ではなく、常に社会に開かれていると思うことが大切ですね。
ちなみに、「お互いが選び合う」という認識を形にしたユニークな事例があるので1つ共有させていただきます。
大学事業などを手掛けるデジタルハリウッドでは、面接官側も履歴書を作成するという新たな試みを行っているのです。
〈ITmedia ビジネスオンライン / 2022年7月20日〉
内容は、面接官の名前、これまでの職歴、社内でのキャリア、趣味や特技、自己PR、仕事のやりがいなどがA4用紙1枚に詳細に記載。
学生が企業に提出する履歴書とほぼ変わりません。
これにより、学生側も企業を選ぶ基準を得ることができます。
実際、同社の一次面接では選考はせず、相互理解をする場としているそうです。
確かに当社の面接でも、「どうして御社を希望されたのですか?」「どんなところにやりがいを感じられていますか?」などなど、受験者の方は現場で働く社員の様子をよく聞いてくださっています。
デジタルハリウッドの試みは非常に理に適っていますし、とても参考になりました。
というように、新しい時代の兆しを読み、今までの常識に囚われない一手を打てる企業に学生は集まっていく。
人的資本経営がますます大切になる時代において、何よりもの企業財産である「人財」をいかに希望通りに採用することができるのか。
そもそも新卒一括採用が良いかどうかを見直していくことも含め、リクルートに対して革新できないと、時代に取り残されると言っても過言ではない。
今まで以上に重要な経営戦略になることは間違いなさそうです。
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