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AIに関する最新「意識調査」

column vol.1105

先週、広告代理店の電通「AIに関する生活者意識調査」を公開。

現時点での社会人の生成AIに関する考えが明らかにされました。

〈電通 / Webサイト〉

この調査結果によると、一般企業従事者約7割AIの導入を検討しているそうです。

一方で前向きな姿勢は見せながらも「不安」「戸惑い」も感じ取れる回答結果があります。

〜ということで、本日は「AIについて今、みんながどう思っているのか?」、そんなことを共有させていただきたいと思います。


AIに期待したいこと

本調査は全国15~69歳生活者3000人が対象となっております。

7割の人が導入に前向きな気持ちを持っていますが、その期待の内訳は以下の通りです。

電通

1位「無駄・非効率な業務が減ること」(26.4%)。

そして2位「AIにより産業・技術革新が進むこと」(20.5%)、3位「社会課題(環境問題、医療問題、災害対策、交通渋滞、人口問題など)の解決につながること」(17.8%)が続きます。

そして、「AIに任せてもよいと思う業務」「AIに任せず、人間がやった方がよいと思う業務」について見てみたいと思います。

電通

任せたい業務については、「翻訳」(42.4%)、「ルーティンワーク・単純作業」(37.7%)、「組み立て作業」(36.3%)などが挙げられています。

一方で人間がやった方が良いと思うのは、「医療処置」(40.7%)、「医療診断」(36.7%)、「経営などの意思決定」(30.6%)など、責任の大きな業務が該当しています。

この辺は、以前【本物のリーダーの唯一の仕事】という記事の中で「責任をとること」AI時代においてますます価値が高まるという話に通ずるところがあるかと思います。

従業員の4人に1人が感じる「罪悪感」

一方、7割の従業員が前向きにも関わらず、導入の時期については人々の不安感が滲み出ているように感じます。

電通

導入目的として「人手不足対策」73%と最多だったのですが、導入のタイミングを聞くと「今すぐ」(8%)から「半年以内」(5.8%)までの合計が約3割(32.7%)程度となっています。

必要性を感じながらも、導入は少し先延ばしにしたい…

そんな心理をより分かりやすくしてくれるのがZDNET【従業員の4人に1人が職場でのAI利用に罪悪感】という記事です。

〈ZDNET / 2023年9月1日〉

米ソフトウェア企業のAsanaアメリカ人を対象にした調査報告書「The State of AI at Work」によると、回答者の26%は、AIを利用することで「怠け者と思われることを心配」しているそうです。

(一般従業員、中間・上級管理職など4546人を対象に、アメリカ及びイギリスで実施)

さらに、18%は、AIの利用は「不正行為をしているように感じる」と言うのです…

そして、何より92%「AIの非倫理的な利用を懸念」しているとのこと。

この結果は「AIに関する明確なポリシーがまだ確立していないこと」が起因しています。

アメリカのナレッジワーカーですら、AI利用についてポリシーやガイドラインが確立されていると回答したのは、わずか30%

イギリスでは20%とのことです…

Salesforceが7月に、4000人のデスクワーカーを対象に実施した調査でも、「生成AIを効果的かつ安全に利用するスキルがない」という回答者が62%にも上っています。

Asanaの調査の話に戻りますと、従業員の大半(52%)は、「AIが企業の目標を効率的に達成する上で役立つ」と考えているものの、AIがまだまだ未知の存在であることやポリシー&ガイドラインが確立していないことが心のブレーキになっているようです。

希望と不安が入り混じる、そんなアンニュイな胸の内が見て取れますね。

学生の3人に1人が「夏休みの宿題」に利用

では、若い世代はどうなのでしょうか?

企業向けにデジタルマーケティング支援を行うナイル日本の学生を対象にした「夏休みの宿題における生成AIの利用実態調査」の結果を公開。

全国の10代から20代の533人(5歳から19歳の388人、20歳から29歳の145人)の学生のうち、「3人に1人が夏休みの宿題に生成AIを活用した」ことが明らかになりました。

〈+Desital. / 2023年9月1日〉

生成AIを活用した宿題TOP3

【1位】論文やレポートの執筆…103人
【2位】数学の問題を解くこと…65人
【3位】読書感想文の作成…48人

となりました。

また、生成AIを使ったことで夏休みの宿題が「捗った」と感じた人は85.7%に上っています。

ちなみに、捗った理由は以下の通りです。

【1位】情報収集を効率的に進められた…94人
【2位】複雑な問題を簡単に解決できた…65人
【3位】文章の質が向上した…58人

逆に「捗らなかった」と回答した人の理由は、「生成AIの回答や提案が不正確だった」「情報の信頼性に疑問を感じた」などが挙げられています。

ちなみに、文部科学省では、今年の夏休みを迎える直前に、小中高等学校向けに暫定的なガイドラインを公開。

現時点では「限定的な活用から始めることが適切である」と伝えています。

その上で「学校や親から制限されたか?」という質問に対しては

「制限された」…32.6%
「制限されなかった」…67.4%

という回答結果に。

教育現場でもAIの活用に賛同しながらも、「慎重に歩みを進めていこう」というムードを感じられますね。

私個人として最近、「AIの導入が本格的に進んだ未来の方が、今よりもずっと人間は忙しくなっているのではないか」と予想しています。

パソコンインターネットの発達により、20年〜30年前よりずっと仕事が効率化できるようになりました。

洗濯機を始め、食洗機ルンバは私たちの代わりに、多くの家事を代替してくれるようになりました。

…それなのに、…私が子どもの頃よりもずっと世の中が忙しくなっているような気がするのです…

…実は、人間が利便性を求め、時短しようとすればするほど “忙しくなる” という「時短のパラドックス」が存在するのではないかと感じるほどです…

…その話を続けたいところですが…、…話が長くなってしまうので、また別の機会に話させていただきます…

〜ということで、話は少し逸れましたが、AIに関する意識(心の現在地)についての報告は以上となります😊

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

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