「場所」を選ぶことが「人生」
column vol.497
勤め先が渋谷で、住まいが横浜、実家が鎌倉と、「場所」には恵まれている人生かな?と最近思っています。
そんな中、パブリックスピーカーで経営コンサルタントの山口周さんの【人生で一番大事なのはなぜ「場所」なのか? 山口周氏のワーケーション論】という記事を読んで、「場所」の大切さを改めて感じることができました。
〈日経BizGate / 2021年11月30日〉
山口さんは人生で大切なのは「3つ」だと言い切ります。
それは「どこで」「誰と」「何をするか」。
その中でも「どこで」が一番大事だと指摘しています。
場所が「人生のパフォーマンス」を決定づける
まず、魂が呼ばれるようなしっくりくる場所を見つけて、その場所で誰と何をするかを考える。
最適な「場所」を選ぶことで累積思考量が上がり、結果としてクオリティ・オブ・ライフ(人生の質)も劇的に上がるからというのが理由です。
前提として、山口さんは今の社会を「高原社会」と表しています。
つまり、もはや経済成長が望めない社会ということです。
であれば、未来のために現在を犠牲にする生き方ではなく、誰しもが人間らしい愉悦のために「今」を生きるコンサマトリー(白己充足的)な生き方をした方が良いのではないかということ。
今日は「正解のない時代」とも言えますが、「自分はこれが良いと思う」と信じるものを突き詰めていかないと、多くの人から共感を得られる商品やサービスを生み出せない世の中です。
ちょっとした個人の疑問が次の共感される商品に繋がっていく。
例えば、「どうしてパソコンって、もっと薄くならないのか?」という疑問からMac Airは生まれました。
つまり、「what if, then ?(もし~だとしたら?)」で考える。
最適な場所を見つけることは常識の枠を外すことに通じると思います。
「通勤しやすい場所」など、合理性の中で決めた場所では既存の、そして制約された発想しか生まれません。
でも、極端な話、私が横浜ではなくハワイに住んでいたら、日本の商業施設一つとってみても、捉え方は大きく異なるはずです。
つまりは、これがイノベーションを生む。
さらに、場所は人に紐付きます。
またまた極端な話、私が渋谷で東京の人たちとブレストするのと、アフリカの大地でマサイ族の人たちとブレストするのでは、生まれるものが違うでしょう。
要するに、場所は「人」も「やること(アウトプット)」も左右します。
ということは、選ぶ場所が「人生」である、という考えは納得しちゃいますね。
「都市」も変容する時代
そう考えると、「場所」視点でも大きな変革が求められるような気がします。
つまり、都市の在り方です。
フォーブスジャパンの【住民に「選ばれ続ける都市」に欠かせない要素とは】という記事がとてもヒントになったので、コチラも共有させていただきます。
〈Forbes JAPAN / 2021年11月30日〉
パンデミックによりテレワークが定着したことで、都市に求められる機能は大きく変化しています。
都市経済のデジタル化とハイブリッドワークには、都市の物理的なインフラの変革が必要となります。
現代の都市は、企業、通勤者、消費に焦点を合わせるのではなく、心地よい居住環境、イノベーション、体験を重視します。
つまり、都市の魅力は、税制や企業の存在感ではなく、生活を豊かにする快適な施設、体験、才能ある人々に委ねられているところが大きいのです。
パンデミックやテレワークによって、オフィスワーカーは選択について強く意識するようになり、生活の質をこれまで以上に重視するようになりました。
アメリカでは1億6000万人いる労働者のうち、1/4は完全なテレワークを長期的に続けると予想されており、さらに多くの人々は仕事の大半がテレワークになると見ています。
一部の国では、人々はエンターテインメントを楽しむように、都市を体験し始めており、もはや職業によってその場所に縛られることはなく、好きな時に好きなものを手に入れられる時代です。
住民が自身の都市体験を形成し始めると、複数の都市に住むことになるかもしれない。
都市のリーダーたちは、住民の新たな優先事項に合わせて、コミュニティを適応させる必要があります。
労働者や従業員に対し、複数の勤務地をパッケージとして提供する都市グループが現れることも考えられ、独自のパートナーシップ、革新的なテクノロジー、そして包摂的な行政サービスの提供を優先し、住民に選ばれ続ける都市を目指すことが求められるのです。
翻って自分がどこに住みたいかを考えてみる
最後はちょっとパーソナルな話になるのですが、よく妻と「超大金持ちになったら、どこに住みたい?」と妄想ゲームすることがあります。
大体、散歩している時の暇つぶしなのですが、ずっと答えが出ませんでした。
けど、最近ようやく結論が出ました。
理想中の理想は、都市と郊外のデュアルライフ。横浜は好きなので横浜駅周辺に住みつつ、鎌倉・葉山など海の近いエリアにも拠点を持つ。
答えが出てしまえば、誰もが思いつく答えになってしまいましたが、ザ・庶民の夫婦なので、デュアルライフが思いつきませんでした(笑)。
私はさらにアドレスホッパー的な暮らしでも良いかなと思ったのですが、妻は「拠点がないと落ち着かない」という意見。
確かに、旅行が人生の中で一番好きだとは言え、毎回帰ってくる度に家が一番と思うことを考えると、そうなのかもしれません。
どんな家(場所)が「一番」だと思えるか?それが人生だということは納得できますね。
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