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「快適」な体験価値を目指して

column vol.1211

顧客のファン化には素晴らしい「体験価値」が必要ですが、それは派手なことばかりではなく、小さな改善の積み重ねも重要です。

そこで、本日は地道に体験価値向上に努められている事例をご紹介したいと思います。

ぜひ最後までお付き合いくださいませ。


全てはブランドコンセプトに帰結する

今回のテーマについて、ドンピシャな好事例がホテルメッツです。

同社では、3つ「地道すぎる改善」があるとのこと。

〈東洋経済オンライン / 2024年5月23日〉

その3つとは、こちらです。

(1)ホテルの「当たり前」を見直す
(2)客室デザインをブラさない
(3)バスタイムの追究

例えば、(1)「ホテルの当たり前を見直す」については、近年建てられたホテルの客室には、クローゼットがありません

なぜなら、少しでも客室を広くしたいからです。

もちろんクローゼットの代わりに、柱にはハンガーバーを用意

これなら場所を取らず、圧迫感もないわけです。

そして、(2)の「客室デザインをブラさない」については、近視眼的に売上を追わない姿勢が、東洋経済オンラインのこちらの文章から伝わってきます。

近年、インバウンドの増加で客室単価が上がっていることもあり、室内をラグジュアリーなデザインに改装するビジネスホテルも多い。だがホテルメッツの客室が目指すのはあくまでも快適性だ。表面的な華やかさではない。そんな思いから生まれたのが、明るくナチュラルで、地域に特化したテーマに沿ったインテリアデザインである。

自分たちのアイデンティティをしっかりと守る、そうした姿勢が伝わってくるかと思います。

そうなのです、

創業以来こだわっている「(3)脚を伸ばせるバスタブ」での豊かな時間を向上していくことも含め、ホテルメッツでは「究極の快適さ」を目指しています。

面白いと思ったのは、同社の理想とする顧客評価

「何も不満を感じない、いいホテルだった」

という声が理想とのことですが、実に控えめです。

一方で「ワクワク」「ドキドキ」の感動体験を目指す企業もある中、実直さが伝わってきますね😊

省人化にも「快適さ」が加速

「快適さ」ということでいえば、飲食店での省人化が進む中、顧客満足の改善につながる好事例の1つが、くら寿司のモバイルオーダーでしょう。

〈ITmedia Mobile / 2024年5月28日〉

こちらは、くら寿司の公式アプリを使ったものなのですが、事前に予約できるところが嬉しい点。

回転寿司というと、普通は並んで入店するものですが、これなら時間のないランチタイムでもお寿司をサクッと食べられるわけです。

入店して「自動案内機」のパネルをタッチ操作してチェックインすると、座席が表示

その案内に従って座席に座るという流れになっております。

席についてからは、同伴の人たちもスマホで注文のQRコードを読み込み、アプリなしでも注文可能に。

複数人の場合はタッチパネルだと時間がかかりますが、そうした時間も省くことができる

まさに “快適” です!

あと個人的に「良い!」と思ったのが、キーワード検索できるところ。

ITmedia Mobile

ネタの名前の一部を入力して検索できるため、膨大なメニューの中から探さなくて良く、手間が省けます。

こうした、ちょっとした工夫が体験価値を高める

これも地道な改善でありながら、効果的な改善の1つでしょう😊

快適さで働く人の気持ちを向上

最後は、快適さを従業員に向けている事例をご紹介したいと思います。

小売業のコンサルを行なっていて、非常に重要だと思うのが、CS(顧客満足)の前のES(従業員満足)

やはり、従業員が気持ちよく働ける環境をつくることで、接客のパフォーマンスが上がり、それが最終的には顧客満足へとつながっていく

そんなES向上策として、地道だけど大切だと思ったのがドトールの事例です。

〈ITmediaビジネスオンライン / 2024年5月28日〉※無料会員登録記事

同店では今年の12月、8年ぶりに制服をリニューアルするとのこと。

ドトールコーヒー

オンワードと共にデザインした新ユニフォームには、ストレッチ素材を使用したり、トップスにトリコット(ニット素材)を採用したりして、着やすさ通気性などを高める工夫が施されています。

つまり、機能性抜群の快適ユニフォーム

そして、非常にポイントだと思ったのが、従業員の声を聞いて改良したこと。

やはり、普段働いている方々の実感を反映することは大切でしょう。

さらに、アツいと思ったのが、その素材です。

実は漂着ペットボトル由来の糸を一部使用しているそうですが

これも従業員満足の一環として地球環境問題に興味・関心を持ってもらうため、役員含む6人の社員が、わざわざ石垣島まで行き、素材を探したとのこと。

探すといっても漂着ペットボトルを保有している業者ではなく、現地で自分達で拾うことからスタートしたそうです…(汗)

その数、何と1500本

こうした物語が詰まったユニフォームを従業員が着ることで、より一層の顧客満足につながっていくでしょう😀

〜ということで、本日は【「快適」な体験価値を目指して】と題して、地道だけどキラリと光る取り組みにスポットライトを当てさせていただきました。

私もこうした事例にヒントをもらいながら、会社経営に活かしていきたいと思います。

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

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