見逃せない「ぬい活」市場
column vol.1133
「ぬい活」という言葉をご存知でしょうか?
「ぬい」とは「ぬいぐるみ」の「ぬい」。
ぬいぐるみを愛する「推し活」です😊
最近、このぬい活市場が見過ごせないものになってきているようです。
〈ITmediaビジネスonline / 2024年1月29日〉
ぬいぐるみは「誰」のもの?
ぬいぐるみ、いや、もっと言えば「おもちゃ」と聞くと「子どものもの」というイメージがあるかと思います。
…であるのならば、少子高齢化により、おもちゃ市場はピンチです…(汗)
ところが!
15歳未満の年少人口が減少する中、おもちゃ市場は伸長しています。
14~17年度まではほぼ停滞していた市場ですが、20年度から伸び始め、何と22年度は約9525億円!
「過去最高」を記録しています。
特に伸び率が高いのは「カードゲーム・トレーディングカード」分野。
22年度の全体構成比は24.7%で、売り上げは前年比132.2%。今やカードゲームはおもちゃ市場の超主力部門となっています。
これを聞くと、ピンと来る方が一気に増えるでしょう。
今や、おもちゃメーカーはいかに「大人」を取り込むのかが重要になっています。
ぬいぐるみも同じです。
22年度の市場規模こそ約320億円と小さいですが、伸び率は113.1%と3番目の伸び率。
この「ぬい活」熱の噴火口となっているのが「ぬい撮り」です。
SNSの新たな楽しみ方「ぬい撮り」
「ぬいぐるみ」+「撮る」というSNS時代の新しい楽しみ方です。
ぬいぐるみを旅行に連れて行ったり、一緒に出かけたり、お気に入りのぬいぐるみを様々なシーンで撮影するのが「ぬい撮り」。
その代表選手の1つが、IKEAのサメ「ブローハイ(BLAHAJ)」です。
このブローハイは超人気者で、Instagramでは擬人化した投稿(#IKEAのサメ)が3万件近くも上がっています。
その一部がこちらです。
…う〜ん…、可愛い…
実は、私の周りにもぬい撮りする人たちはチラホラいるので、こうした投稿を楽しむ方の気持ちは分かります。
と、ピンと来なかった方も、ぬい撮りが入口になりやすいというのは少々共感いただけたのではないでしょうか😊
ちなみに、ブローハイだけでも3万近くも投稿がありますが、Instagram全体ではどうなのでしょうか?
検索すると「#ぬい撮り」とハッシュタグが付いた投稿は、現時点で344.5万件もありました。
市民権を得ていることは、ここからも分かりますね。
ぬい活はビジネスチャンスに
ぬい撮りを求めて街へ、旅へ。
最近はそうしたニーズを捉えたサービスも増えてきています。
例えば、「ぬいぐるみ旅行」。
これは、大事にしているぬいぐるみを預かって旅行に連れていくサービスです。
合同会社うきうきわくわくが展開している、ぬいぐるみ旅行サービス「おもちトラベル」が、その一例となります。
すでにツアーは20回ほど開催。
130体以上のぬいぐるみが旅を楽しんでいます。
リピーターも多く、参加者は全国各地の10~70代と、幅広いようですよ。
他にも、ぬいぐるみと一緒に楽しむバーやカフェもある。
…極め付けは、「ぬいぐるみ病院」…(汗)
…まぁ、こちらは平たく言えば「修理屋」さんです😅
ただ、ホームページを見ていただけると分かる通り、完全に擬人化されています。
〈ぬいぐるみ病院 / Webサイト〉
擬人化した世界観のままお伝えすると、退院した患者は2万体。
入院予約は何と半年待ちだそうです。
人気といえば、ぬいぐるみを自慢できる「ぬいバ」は外せないでしょう。
〈Lmaga.jp / 2024年2月6日〉
えっ、、?「ぬいバ」なんて知らない…?
失礼いたしました…!
「ぬいバ」とはぬいぐるみをディスプレイできるバッグ。
…これは、ちょっと若い人用ですかね。
このように、ぬい活市場はさまざまな業界に広がっているのです。
「じぶんぐるみ」に注目!
IKEAのブローハイを始め、ニトリのインテリア雑貨専門店「デコホーム」の「モチモチクッション(大きなネコのぬいぐるみ)」、コストコの「クマのぬいぐるみ」など、さまざまな人気シリーズが生まれているぬい活市場。
そんな中、自分のオリジナルぬいぐるみをオーダーできるサービスがあります。
それが「じぶんぐるみ」です。
〈京都新聞〉
こちらは、自分も含め誰かにそっくりなぬいぐるみをつくることができるサービス。
例えば、結婚式の記念などでつくるわけです。
他にも、誰かへのギフトにも喜ばれています。
写真は「開業祝い」のプレゼントですが、例えば、同窓会の際に大好きな先生へのプレゼントとしても最適でしょう。
いずれにせよ、ぬい活市場は意外と見過ごせないぞ、と感じていただけたのではないでしょうか😊
今後は人と同じように、ぬいぐるみのライフストーリーを楽しむ結婚式場や葬儀ビジネスなんかも出てくるでしょうね。
そして、何より家族や友人、ペットと同様、ぬいぐるみとの素晴らしき時間を創出するサービスやアイテムに注目が集まりそうです。
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。
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