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教育のはしくれ

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塾産業の中で教育などと偉そうには言いませんが、父親として息子たちと向き合ってきた一人としての体験と意見。時代的に早すぎた「イクメン」としての背景から、言葉を零してみます。
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#授業

ごめんなさい

ごめんなさい

中3の受験生。今年はどうも、騒がしい。落ち着かない、というのか、余裕を見せたいとでも思っているのか、休み時間にも勉強をする、という生徒が少ない。まだよく分かっていない幼さのせいなのかもしれないけれど、他方、制約されないのだ、という気持ちなのか、やたら何かと喋って笑っている。
 
これまでも何度か注意を促した。だが、すべての教師が言うわけではないらしく、通じない生徒には通じない。中1や中2ならまだ分

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授業のたとえ

授業のたとえ

これは学習塾の話である。教師の立場の話である。子どもたちに、受けてよかった、と思われることを語りたいと思っている。言うまでもないが「ウケて」ではない。
 
テキストを解説するのは当然。書いてあることが分かる。もちろん。それを基にして、問われてきた問題に解答することができるようになる。そうありたい。その連続が、入試合格へと導くことになる。それが目的だ。
 
だが、それで終わりなのか。それが目的かもし

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語る仕事の基礎

語る仕事の基礎

経験のない先生(小中学校の教師)のひとつの特徴は、子どもたちのほうを見ていない点にある。
 
確かに、自分がどのように教えるとよいのか、そこにまずは不安がある。どう教えたら善いのか、そのための準備がまず気になるはずである。そして教職課程でも、授業計画でも、またそうしたアドバイスを伝える本や雑誌でも、どう教えればよいのか、そこに主眼がある。
 
導入を考え、展開を構成し、結論を印象づける。どのように

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問題解決の道

問題解決の道

進学塾でも、面白い授業を展開している。いま社会で話題になっていることを考える授業である。評論的な新聞記事のようなものを題材として、その要旨を理解すると共に、それについてのコメント(小論文)を書いて発表し合うのである。小学校上級生で可能としているから、学年もいろいろだが、四年生も活発に意見を述べる。このような訓練は実によいと思うし、また現実の問題を知るという点でも有意義な体験を重ねることができる。私

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