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聖書と信

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聖書はひとを生かすもの、という思いこみだけで、お薦めします。信仰というと引かれそうですが、信頼などの信として、ひとや世界を大切にする思いが、少しでも重なったらステキだな、と思いつ…
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2022年11月の記事一覧

吉野弘の漢字の詩に

吉野弘の漢字の詩に

吉野弘という詩人がいた。学校の教科書で知ったが、私の心につながるものを感じた。好きな詩人のひとりである。その得意とした分野に、漢字を扱った詩が多々ある。私はその趣味は好むものではないのだが、くすっと笑ってしまうのは確かだ。
 
そんな中で、深く考えさせてしまうものもある。引用させて戴く。
 
   表裏
 
  「裏」の中に「表」があります
  裏を見れば表もわかるのが世の常
  「表」だけに目を

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イエスとパウロの奇蹟

イエスとパウロの奇蹟

神の子なら自分を救え。十字架から降りて来い。
 
怒号の群衆が、死に瀕した者に言葉の鞭を打つ。イエスが神なら、降りてくるくらいは簡単なことのはず。ひとつの理屈が通っている。だが、イエスは降りなかった。降りられなかった。神の子である故に、である。キリスト者ならば、神を弁護することとは無関係に、その意味を知っている。それが信仰というものである。
 
だから、それをここで言葉で説明しようとは思わない。何

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言うべきこと

言うべきこと

確か、小学六年生の時だったのではなかったか。交通安全の作文を書いたら、県で入選してしまった。公欠扱いで車に乗せられて、警察署に行って表彰されたことがあった。小学生に似つかわしくない、ルーズリーフファイルの、けっこうビジネスライクなものをもらったと思う。それと、テプラか何か。こういうのに現金関係は出ないことになっている。
 
その作文が、警察関係か何か、公的な新聞(広報紙)で公表された。交通遺児とな

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日本語の単語と聖書

日本語の単語と聖書

高校受験でも大学受験でも、英語について言及されるのが、単語はどのくらい憶える必要があるのか、ということだ。高校受験ならば、いまは小学英語があるために、2000語を下ることはないようだ。大学受験ならどうだろう。ざっと5000語くらいは標準となるのだろうか。高校生活で1日3個増やすノルマが課せられることになる。
 
ただ、日本語の単語の数はどのくらいか、という話が話題に上ることは、まずない。元々母語と

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『新約聖書の女性たち』(C.H.スポルジョン・佐藤強訳・いのちのことば社)

『新約聖書の女性たち』(C.H.スポルジョン・佐藤強訳・いのちのことば社)

スポルジョンの説教集を現代に出す意義は何だろうか。
 
1850年イギリスにて回心したときが16歳。イザヤ書45:22に呼ばれたのだという。その一途な信仰もさることながら、語る才能に恵まれ、説教の天才と呼ばれ始める。19歳にて教会の説教者の立場に就き、200人の会衆を、その年の内に1200席を満席にしたという。牧師として就任した教会は10人しかいなかったが、1年で400人に成長させたそうである。2

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聖書と生きる礼拝

聖書と生きる礼拝

聖書を読んでいる、というだけで、人間が善くなるわけでもない。だのに、勘違いをするのが人間というものだろうか。そうした人間の醜さやつまらなさの故に、聖書そのものが貶められるということもありうる。しかし、それもまた違う。
 
聖書自体、人間たちが集い、これは聖書だ、これは聖書ではない、と決めたものであることは間違いない。外典になったから、神の言葉ではなく、正典だから神の言葉である、と峻別してよいのかど

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