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オンライン化で失った、ビジネスが動く隠れた時間。

\オフィスでダンス第7弾/
オンラインでの商談が主流になり始め、「失ったな」と思った貴重な時間があります。
それは、「エレベーター待ちの時間。」今日のダンスはリアルな営業商談現場のお話です。

↓エピソード1、前作から読みたい方

筆者の自己紹介↓

1.プロローグ

オンライン商談では、あと一歩会話を詰める機会がなくなった。そう感じている。

コロナを機に、オンラインでの商談の機会が増えた。キーとなる商談以外はオンラインでの商談に切り替わった。むしろ、理由をつけないとオフラインの商談の機会を創出できなくなった。会う事へのハードルが上がったのだ。

いいこともあった。社内外問わずMTGを組める機会が圧倒的に増えた。移動時間が減り、提案資料や見積もり作成の時間に当てられるようになった。

一方で、ソリューション営業にとって、一つ大きな機会を失ったと思っている。


2.商談は本音と建前が渦巻く

正直、商談では発言内容だけではなく、相手の役職、個人のミッション、組織のミッション、相手の性格、出席者同士の関係性、こう言った変数を考慮した上で、発言の真意を読み取る必要がある。

日本特有だろうか?ビジネス特有なのだろうか?MTGは本音と建前が渦巻く凄まじい環境であると思っている。

例えば、権限を持ったグループリーダーが出席する場では、グループとしてやりたい事に主眼が置かれた発言が増えたり、グループリーダーの見解が優先的に発言される。

ただ、そのプロジェクトを進行する担当者と個別に話すと、グループとしてやりたいことは分かっているが、自分のキャパシティ的には今回のスコープをここまでにして、ここからは別担当と進めてもらいたい。
と言った形で、グループリーダーの前では発言されない本音の部分が語られる事は往々にしてある。


我々営業は、現場の方に寄り添いながらも、現場の1人の方のみだけでなく、お客様のミッションに沿った提案でないとならないので、グループリーダーの方と再度進め方を詰めたり、提案の残りのスコープ分を担当する別担当を立ててもらったりと調整が必要になる。

そう言った、個人間の発言の意図や、真意などを探るのには、発言中の相手の目配せの仕方、誰かの発言を受けた時の表情や反応、溢れた言葉などから情報を拾っていた。
だが、オンラインだと、全員がカメラを向いている、または画面を切っている。ミュートにしているから、溢れた言葉も拾えない。
獲得できる情報量が減ってしまった。


3.本音と建前を解き明かす時間

オフライン時代も、そう言った目配せからも読み取れない、真意不明の発言がたくさんあった。
そこを解き明かす時間が、MTGが終わり、エレベーターに向かい、エレベーターを待つその時間なのである。

ものの5分と言う所だろうか?
その間に、今日の所感、感じたギャップ、腑に落ちなかった所、次の進め方、社内でハードルになりそうな所、ネクストアクションなどの腹の底を探るのである。


そこで、超特濃な情報を引き出す事が、私がプロジェクトを推進していく為に大切にしていた時間だ。それがなくなった事で、見えにくくなった事が多いと思った。

4.社内のプロジェクトメンバ調整も同様だ

提案は基本的に、プロジェクトチームで行っていた。営業の担当と、課長、規模によって部長。また、SE(スシテムエンジニア)の現場メンバー2.3人と課長。プロジェクトの規模によっては営業、SEを取りまとめる事業部長。こう言ったメンバーに、話を振りつつMTGを進行していた。

MTGが終わり、エレベーターまでの間に特濃情報を引き出した後はプロジェクトメンバーに合流して、全員でエレベーター内からお見送りしてくれるお客様に頭を下げる。

そしてドアが閉まって下降が始まった瞬間に、他の人が乗っていない事を確認して、私から特濃情報を展開して、その場で提案の方向性とネクストアクションをディスカッションするのだ。

その場で、まとめるのが重要なのだ。別時間で関係者集めてネクストアクション考えてる暇はなかった。

私の所感をぶつけることで議論に発展させる。
営業的な観点を課長、部長に加えてもらった後にSEに技術的な検討の方向性をだしてもらう。
その際に、工期や金額、マストで調整が必要になる、システム環境なのか権限なのか、許容できるポイントなのかをヒアリングしておく。

そして、その内容を帰ってすぐお客様に軽くヒアリングしてみて提案の変数一つ一つの方向性をきめていくのである。

5.オフラインの価値

やはり、振り返ってみても、オフラインではエレベーター待ちまでの時間が、1番ビジネスを動かす時間であったと思う。

もちろん、ビジネス面だけの情報ではない。
相手の所持品から性格が分かったりした。社会人にもなると、つけてるキーホルダーや持ってるブランドや、キャラクター、PCに貼っているシールに何かしらの思い入れや意味合いがある。

それを何気なく尋ねる事でも、相手の事がわかったりして、こう言う系のストリーで提案を進めたら進みそう、と言ったらちょっとしたら糸口を見つけられたりした。


オンラインだとなかなか難しい。
私はオンラインに切り替わってから半年くらいのタイミングでマーケティング職に移動したので、オンラインの中で、そのような特濃情報を引き出す術を持っていない。
今のメンバはどうしているのだろうか?

6.オフィスでダンス

今回のダンスは私の営業時代のテクニカルな部分の話がメインだった。
テクニカルとはいえ、私はストレングスファインダーで1位の資質が「個別化」である事もあり、相手の特性やスタイルに合わせて提案を進行していく事が得意だったと言う事だろう。
テクニカルと言うか私の営業スタイルという事なのかもしれない。

ビジネスの駆け引きは、それはそれで私としては楽しかったなあと振り返る。
今のマーケターになってからも施策設計、推進のために一役買っているスキルである。

終わり。

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