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カリフォルニア・ロケット

こんにちは。TASです。メンタルの病気を克服する、上手く付き合うためには、他の記事でも書かせて頂いている心理的アプローチがとても重要ですが、私はそれだけでもないと思っています。

薬物療法、薬の力を借りることも必要で、この2つのバランス良く、うまく使っていくことで、徐々に症状が改善していくように考えています。少なくとも自分の場合はそのようなステップを踏んできたと思っています。

ただ私自身は薬についてはほぼ勉強したことがなく、主治医に任せきりなのですが、私は躁鬱ですので基本的には多剤併用療法でずっと来ています。

その薬との付き合いの中で、2つの経験談をここでお話しさせて頂きたいと思います。個々の薬の効果は、おひとりおひとりの病気の種類や状態によって、大きく異なると思います。この記事では私にとって、良かったもの、良くなかったもの、良い薬に出会うための過程をご参考までに記載しているものです。

ベタナミン

これは2回目の休職の直前の時期でした。会社にいくのがあまりに辛い状況で、出社しても着座姿勢を保つのもしんどいくらいの時期でした。
私は主治医になんでもいいから少しでも効果の強い薬を出してほしいと、毎回毎回懇願していました。

ある時、主治医はベタナミンという薬を出してくれました。どのような説明を受けたかは全く覚えていませんが、とにかく新しい薬を出してもらったとすがるような思いで飲み始めました。

1週間かもう少し立った頃でしょうか。強烈な効果が現れ始めました。しんどさでクタっとしていた自分が、いきなりびしっと直立姿勢になったのです。しかし明らかな違和感、後ろから首根っこを掴まれて、そこからぶら下がっているような感覚でした。どこからこんな力が沸いてくるのか不思議な感覚でした。

ただその感覚は長くは持ちませんでした。正確には覚えていないのですが、ほんの数週間後だと思います、効果が切れ感情も崩壊し、職場にいてもそれまで以上の苦しさが戻り、理由もなく涙が止まらないようになりました。

これは無理だと思い、上司に話をし、その日を早退し、主治医に診断書を書いてもらい、そのまま2回目の、長く苦しい休職に突入しました。

すいぶん後ですが、ベタナミンは、それ以前に事故がいくつか発生し問題となったリタリンと同系統の薬だったと知りました。恐らく主治医がベタナミンを処方しなくとも早晩休職に突入していたとは思いますので、主治医を責めるつもりは全くないですが、薬の恐ろしさを身をもって体験しました。

カリフォルニア・ロケット

この記事のタイトルですね。SNRIタイプの薬とNaSSAタイプの薬の併用のことを俗に「カリフォルニア・ロケット」というようです。
カリフォルニア・ロケットは、たしかネットで自分で調べて見つけました。かれこれ5年以上前の話だったように思います。

転職した会社でのストレスが結構きつく、休職するほどではなかったですが、毎日しんどい思いをして会社に行っていました。その折にこれを見つけ、切羽つまっていたというほどではありませんが、主治医にこれを処方してもらえないか相談してみました。上記のように主治医は薬物療法に比較的アグレッシブなタイプの人ですので、すぐに処方してくれました。

私の場合、比較的早く良い効果が出始めました。その後の良好な状況は続き、結果は明らかに成功だと思います。その後も休職したことはありませんし、会社で昇進したりと、仕事のパフォーマンス、日々の生活の質も大きく上がりました。

ただ私は躁鬱ですので、カリフォルニア・ロケットの効果が高い=躁のスイッチが入りやすい、でこのコントロールが難しくなるケースはしばしばありました。同僚と口論になるなど、セルフコントロールが効かなくなったケースも何度かありました。ここは引き続きリスクであり、しっかりとコントロールしていく必要があると思っています。

ただトータルで見て、現在まで高い効果を発揮しており、私はこの処方を当面続けていきたいと考えています。ただ長年の服薬の蓄積が今後長期的に体にどのような作用を及ぼすか、というところは常に頭のなかにありますので、1日の服薬回数を少しずつ減らしたりだとか、主治医と相談しながらコントロールしています。このコントロールが難しいのも事実で、一時期急激に減らしてすぐ調子が悪くなり、大きく服薬量を戻したりと、本当に3歩進んで2歩さがるという感じです。

以上、特に結論めいたものはなにもないのですが、心理的アプローチだけではなかなか難しい部分も実際にはあると思いますので、薬と併用し、薬もメリット・デメリットがありますので、その中でトライアンドエラーを繰り返しながら、自分に合った処方を見つけて、うまく付き合っていくのかな、と思っています。

とりとめのない文章となってしまいました。改めて、薬の効能はおひとりおひとりの病気、症状、状態によって全く異なってくると思いますが、私の試行錯誤の経験のうち、どこか少しでもご参考にしていただけれる部分があれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

TAS

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