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記事一覧

テレビ朝日 退社のご報告

2022年をもってテレビ朝日を退社してAmazon Studiosに転職することを決意しました。
テレビ朝日には大学卒業後の2008年から14年間お世話になり、”感謝”という言葉では表現しきれないほどの素晴らしい経験をさせてもらいました。

今から15年前、就活生として生意気の極みだった自分は総合商社への入社を決断し、テレビ朝日に対して「世の中の仕組みを作りたい」と息巻いて内定の辞退を主張しました

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あざと連ドラと藤吉夏鈴〜バラエティ番組が本気でドラマを作る意味〜

あざと連ドラと藤吉夏鈴〜バラエティ番組が本気でドラマを作る意味〜

9/25(日)に放送された「あざとくて何が悪いの?」で、女優の片山友希さんを主演に迎えた第5弾「あざと連ドラ」が最終回を迎えた。

そして、この記事を書いている10月9日(日)23:55から櫻坂46藤吉夏鈴さんを主演に迎えた「あざと連ドラ第6弾」の放送がスタートする。

そもそも「あざと連ドラ」とは何かというと、2021年1月に第1弾を始動させた「あざとくて」内で放送されるミニドラマ(第1弾は全6

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弘中綾香という後輩

弘中綾香という後輩

私は2008年からテレビ朝日に勤めているが、その5年後2013年に入社してきたのが弘中綾香という後輩アナウンサーだ。

先日、彼女の自身の自伝的エッセイ「アンクールな人生」が発売された。

先に言っておくと、読後「この本は自伝的エッセイという形をとった”教育書”である」と感じた。
考えてみてほしい。「弘中綾香のような人間がどうやったら育つのか?」この疑問に対する答えが示されていると言われれば、多く

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『トゲアリトゲナシトゲトゲ』の歴史と今

『トゲアリトゲナシトゲトゲ』の歴史と今

テレビ朝日系列で毎週月曜の深夜2時16分から放送されている「トゲアリトゲナシトゲトゲ」という番組がある。
この番組は2021年4月から放送が始まった3時のヒロイン 福田・Aマッソ 加納・ラランド サーヤ(敬称略)が毎週様々な企画に挑戦するバラエティ番組である。

自分はこの番組にプロデューサーという立場で関わらせてもらっているのだが、この番組の着想→企画書作成→番組立ち上がりまでを自己満足的に振り

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人の才能を見抜く力〜”テレビマンとしての自分の強み”とは?〜

人の才能を見抜く力〜”テレビマンとしての自分の強み”とは?〜

大げさなタイトルを掲げて書き出してしまったが、本日2/5(土)よる9時55分〜 演出している「あざとくて何が悪いの?」が放送される。
ゲストは音楽プロデューサーの川谷絵音さんだ。

実は川谷さんは、13年の会社員(テレビマン)人生の中で起きた幾つかのターニングポイントの一つに関わる重要な人物でもある。
そして川谷さんとお会いしたのは、そのターニングポイント以来(約6年ぶり)だったので、勝手ながら一

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関ジャニ∞と高卒認定企画と。

本日7/29(水)の「あいつ今何してる?」に関ジャニ∞の横山裕さんが出演する。実は今回の放送は2015年から現在に至るまでの5年半ほどの歳月を凝縮した、自分のディレクター人生を投影した不思議な作品になった。

今回は少し長くなるが、一体それはどういうことなのか書き記しておこうと思う。

そもそも「あいつ今何してる?」は、自分が2015年から企画・演出している番組なのだが、実はこの2015年に幕を閉

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テレビ局に入るために発想力は必要か?

テレビ局に入るために発想力は必要か?

以前、就活生の方からブログに来た普遍的とも言える質問に答えたものを再編集しました。

以下、太字が質問です。

あなたが御社に入ってやりたいことはなんですか?
という質問に対して、どれだけ具体的に答えればよいのでしょうか。
また、そこには、やはり発想力が求められているのでしょうか。

というのも、私はバラエティ制作を志望しています。
もちろん、世の中に笑いを届けたい、それだけ笑いには価値があると信

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「めちゃイケ」を巡る個人的な愛憎について

「めちゃイケ」を巡る個人的な愛憎について

この記事は2018年1月5日に書かれたものを大幅に再編集したものです。
当時かなり感情的に高ぶって書いていることを先に言い訳しておきます。
ちなみに、この年の3月いっぱいで「めちゃイケ」は22年もの長い歴史に幕を閉じている。

2018年1月2日のめちゃイケSP、つまり中居さんとナイナイの日本一周を観た。圧倒的自称「めちゃイケ」で育った生粋の”めちゃイケっ子”として色々考えさせられた。

このシリ

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番組の作り方&放送作家との向き合い方

同じテレビ局内ですらも演出家によって”完パケ”(放送で視聴者の方が見ている完成形)に至るまでの作業の進め方は、国が違うくらい違うので話を聞くと面白い。

我が局の大先輩・加地さんは、基本的に放送に至るまで自ら徹底的にVTRをチェックし、時には自分で直すため、「放送作家」にVTRをチェックしてもらったり、見せるということはしないと聞くが、逆に事細かくナレーションの一言一句まで作家さんにお願いする演出

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「あざとくて何が悪いの?」企画の着想と狙い

4/17(金)23時15分からテレビ朝日にて企画・演出した「あざとくて何が悪いの?」の第2弾が放送されました。

初めてのnote投稿で、多くの好評の声を頂けたこの番組の着想から実現(放送)までを自分の記録用も兼ねてまとめてみたいと思います。

この企画はまず、「田中みな実は面白いなあ。この人のパワーを120%発揮できる(他の番組では見たことがない)企画って何だろうなあ」という着眼点から企画書制作

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「探シタラTV」への思い

「探シタラTV」への思い

リモートワークとなったことでアウトプット不足に陥り、ついつい長文を書きがちな昨今ですが、演出させて頂いている深夜番組『探シタラTV』の立ち上げから企画の狙いまでを書きました。

木曜深夜2時21分というほとんどの人が眠りについている時間に、今年4月からテレビ朝日でひっそりと始まった『探シタラTV』。

この枠でバナナマンの設楽さんとご一緒できると決まってから企画を考え始めたのですが、真っ先に思った

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