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茶の本から学ぶ店舗の在り方〜モノ編〜

「茶の本」から学ぶ、ヒト・モノ・ウツワの『モノ』について

『ヒト』については、必要か不必要か意見の別れる《販売マニュアル・ロープレ大会》について、私なりの考察を
https://note.mu/tarararara/n/ne4ee3731da82

今日は『モノ』について。

似たような商品が溢れているのは、売る側の責任?

ものモノで溢れる昨今。似たようなモノがどこのお店にもあり、手に入れる手段も豊富。価格帯もピンからキリまで。ルーツを知らずにパッと見の生活を映えさせるモノを手に入れる事が可能な世界。

だけど、今小売は厳しく「モノ」から「コト」へ変化し始めているという傾向。

茶の本の一節でこんな文章がある。

人は自己の感情には無頓着に世間一般から最も良いと考えられているものを得ようとかしましく騒ぐ。高雅なものではなくて、高価なものを欲し、うつくしいものではなくて、流行品を欲するのである。…彼らにとっては、作品の良否よりも美術家の名が重要である。(p74 )

これは、岡倉天心が当時の美術品への庶民の購入や評価の仕方について問題定義しているのだけれど、これって100年経った今もさほど変わっていない。(そして、今、変化のトキを迎えつつあるのでは?と思う。)

特に、バブル期なんかはその最たるもので、モノの価値よりもモノの価格が大切で、自分が好きなモノよりもメディアに取り上げられているモノ、モノ自体よりブランドネームが大切だった。

私も、バブル期からは少しズレるけれど、周りの価値観を全力で追いかけていた1人。
田舎から都会に出てきた私にとって、周りが良いというものが正しいと思っていたし、自分の感情より都会のみんなが言うことや雑誌やテレビの方が信じられたから。

だけど、今はちょっと違う。
それは、SNSの力がとても大きい。

自分の情報源を自分で選べる時代

周りの友達は好きって言ってないけど、SNSを通じて、私の好きを好きと言っている人が実はいるんだという事を知ったり。

流行ってないけど、知らず知らずに集めていた食器が全部同じ作家さんで、インターネットで調べてみたら、想いも含めてパーフェクトに好みだったり。

そういう、リアルの世界では知り得なかったルーツを知る事が出来るのが、今の時代のいいところだなって思う。

ヒトは生まれながらに学びたい生き物。
自分の好きを信じて学べるようになってきたから、興味が「モノ」から「コト」へ変化しているのだ。

「モノ」を購入する時に、もっと深くその「モノ」を知る行動をすると、それはもう「モノ」の域を超えて想いになる。

だから、モノが溢れている現在は、単に売り手側だけでなく、買い手側にも責任があるのではないかな。

テレビでありがちな「セレブのお宅拝見、ファッションチェック、ハウマッチ?」みたいなのって、ちょっとダサいのだけと、テレビが情報源だとそういう思考になってしまうのも仕方がないのかもしれない。

自分で、どの情報の中に生きるのかを選べるのも今の時代の良い所だから、受動的な情報を入れないのも大切。

いくらで買ったのか?よりも、どんな想い出と一緒に我が家に来たのか?の方が、ずっと長く好きでいられる。

売るヒト としても 買うヒト としても、誠実であること

最後に、小売の現場の人間として、SNSを通じて、モノのルーツを簡単に調べられる世の中になったから、作る側(提供する側)もそのモノじゃなきゃいけないってゆうメッセージがないと、調べたお客様にスルーされちゃうんだと思う。

利休は、自分だけにおもしろいと思われる物をのみ愛好する勇気があったのだ。しかるに私は、知らず知らず一般の人の趣味に媚びている。実際、利休は千人に一人の宗匠であった。(p74)

と、あるように、みんなに好かれているという状況って、代替えが効くともとれる。

本当にその商品でなくてはならないのか?っていう自問自答は、買うヒトも売るヒトも大切。

11月は暖冬でコートの動きが鈍かったのだけど、「そもそも、全ブランドがコート売る意味ってあるの?」ってtwitterで言っているヒトがいてなるほどな。って、思った。

これ、ホントにいるの?は、売るヒトも買うヒトも慎重に。

そして、想いも一緒にシェアできるよき販売員でありたいし、よきお客様でもありたいなと思う今日この頃です。

次回は「ウツワ」について

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