特に喋らなくても。短編小説。
関さんは学校が終わると一人教室で宿題と勉強を終わらせてから帰る。
夕陽に照らされ教室は赤く染まり、部活の掛け声掛け声と吹奏楽部の音色が聞こえる。
僕は少しはなれた窓側の席で、読書をしながら関さんの勉強が終わるのを待っている。
いつ頃から日課になったのだろうか。
たまに教室に戻ってくる生徒もいて、からかわれる時もある。
それでも学校日和の日課は変わらない。
「君はいつも待ってくれるね」
関さん宿題終わったの?
「終わったよ」
じゃあ帰ろうか。
僕と関さんは無理して喋らない時間が好きだ。
沈黙の空間に耐えられなく無理して喋ることが苦手だ。
僕と関さんは無理して話すならゆっくり何も話さない時間のほうが好きだ。
その方が時間がゆっくり進む気がするからだ。
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