ゴルさん

尊崇するゴルゴ13から、名称は拝借しました。短歌をライフワークとしています。折に触れて…

ゴルさん

尊崇するゴルゴ13から、名称は拝借しました。短歌をライフワークとしています。折に触れて、過去・現在の自作の短歌の紹介、和歌・短歌にまつわるお話を投稿していきます。長い間、女子校の先生をしていたので、そんな短歌や話題もでてくると思います。よろしくお付き合いください。

最近の記事

短歌のおもちゃ箱15

絵が気に入ったので、当分使用させていただきます。感謝! 今日も、私の好きな、私らしい短歌の紹介です。 ・春夏冬休みはいづこメビウスの環のごとくに働いており ・見上げれば何やらうちに騒ぎあり狼が吼えていそうなこの月 ・掌にのる地球儀の中にいるはずの私がまだ見つからぬ ・人の世はなべて仮面の舞踏会さて踊らむかな息上がるまで ・現し身の憂えは尽きず一息に世の終わるならそれまでのこと 一首目。私立の女子高校の教員でした。高校の同窓会では同級生からは羨ましがられますが、今

    • 短歌のおもちゃ箱14

      このところ忙しくて、アップできませんでした。数日ぶりです。 今日のテーマは私の好きな、私の短歌です。 ・ぐるぐると地球は回る飛ばされぬように大地に足を踏ん張る ・幻と思えばそのまま幻になるものならむ恋も国家も ・オリオン座ペテルギウスの死は近し方の力をとりあえず抜く ・ケータイの電源切れば世の中にたった一人で今あるような ・極東の小さき島にわれは住む遥か夜空に満ちる星々 内容の統一感はありませんが、振り返ってみて好きな短歌です。短歌を詠んでいて、「よし、できた」

      • 短歌のおもちゃ箱13

        今日は年齢を詠みこんだ歌です。詠みこんだ年齢順に掲載します。 ・美しき二の腕だして誇るべき二十歳の夏よ遠き船影 ・あと一歩の勇気がわれになきことも自覚しており三十歳になる ・思うまま己を通せる女教師が教職を去るその年四十 ・虚と実の間に歌があることを知れども知命五十は近し ・恥ずかしき思い出さえも受け容れる齢を知命と言うか孔子は 二、四、五首目が私自身の年齢であり、一、三首目は他者の年齢です。前にも書きましたが、女子校の教員でした。教え子の中には、女優、歌手、オリ

        • 短歌のおもちゃ箱12

          今日はお酒にまつわる短歌です。 ・苛立ちて震え止まらぬ今日なりき濃い水割りをしたたかに飲む ・酒飲めば時間は止まる飴の色それが不幸か幸かは知らず ・ゆえあって断酒しましたこれよりは酒の誘いはお控えください ・まだ断酒初心者ですゆえ忘年会・新年会は不義理をします ・断酒百三十五日目六代目文枝の悲しい言い訳を聞く 先日、歌会で私が酒を飲まないという話題になり、ある年上の男性から「酒を飲まないなんて、人生の楽しみの半分を知らないということだ」と言われました。酒を飲んでい

        短歌のおもちゃ箱15

          短歌のおもちゃ箱11

          今から10年前の3月11日、東日本を大きな地震が襲いました。私は一人の歌詠みとして、「今」を詠み、記録しておくのが務めだと思い、歌を作りました。 ・この島を襲える大きな地震など知らぬがごとく夕陽が赤い ・千年にたとえ一度の地震でも負けてたまるか豊秋津島 ・名も知らぬヒーローヒロイン必ずや東日本の地に溢れいぬ ・友人と同じ名前の被災者の死私の知らない人生があった ・どんな言葉で作ってみても嘘ではないのか恐くて怖くて形にならない ・空はこんなに青いのに風はこんなに渡っ

          短歌のおもちゃ箱11

          短歌のおもちゃ箱10

          今日は、ふるさと岡山を題材にした短歌を紹介します。 ・その上に雪を頂く国境碑「従是東備前国(これよりひがしびぜんのくに)」 ・如月や吉備の野に降る粉雪の舞うも楽しと生きてゆくなり ・「吉備高原都市」にはやはり違和感を持ちつつ自然薯とろりを食みぬ ・したたかに酒を飲みたるこの宵のわれを待ちいる吉備線最終便 ・雷鳴は轟き夕立は盛んなり故郷岡山の夏は暮れゆく 大学の4年間を除いた人生のほとんどを岡山の地で過ごしました。そしてこれからも過ごしていくでしょう。 岡山では、

          短歌のおもちゃ箱10

          短歌のおもちゃ箱9

          今日は、古文や漢文にまつわる短歌です。 ・漢文の講義は次第に熱を帯ぶ長袖のシャツを腕まくりして ・孔鯉逝き顔回が逝き子路が逝き「川上之嘆」孔丘一人 ・孔子とて思うは生の理不尽さ「未だ生を知らずいずくんぞ死を知らんや ・白居易の「長恨歌」など教えつつスカートの丈など注意する日々 ・とつとつと古典を教える者でありたし陋巷に似た教室にあり 35年間、中学・高校で国語を教えていました。現代文の授業よりも、古文や漢文を教える方が好きでした。どちらかと言えば古文を教える方が好

          短歌のおもちゃ箱9

          短歌のおもちゃ箱8

          今日は、卒業の日の短歌です。私の勤務校では3月1日でした。 ・生徒らが輪になり歌う「ディアフレンズ」その中心に私をおいて ・三年間やり抜くことの報われるそんな思いの弥生朔日 ・「先生が担任でよかった」無口なる子が呟くを喜びとする ・十八の乙女が次々ハグをしてくれる当分教師でいるか ・われよりも若き教師が退職すいま立つ基盤その脆弱さ 三年間、学年を持ちあがり卒業式を迎える。さまざまな思い出が去来します。満足感や喜びもあれば、後悔もあります。それでも卒業の日は、三年間

          短歌のおもちゃ箱8

          短歌のおもちゃ箱7

          今日の短歌は人名に題材をとったものです。 ・わが青春の山田パンダの「風の街」僕はどこまできたのだろうか ・普遍性「人を殺すな」特殊性「戦争は別」微笑むヨン様 ・週刊誌の谷内六郎の表紙の絵は幼きわれの目に悲しかり ・右左に上手に自由に切れていく鬼のスライダーはダルビッシュ有 ・随分と大人に見えた河島英五享年四十八にて逝けり かなり懐かしい名前ばかりですが、生きてきた中でやはり印象に残る場面を表す歌ばかりです。 山田パンダは、南こうせつ、伊勢正とかぐや姫を結成した一

          短歌のおもちゃ箱7

          短歌のおもちゃ箱6

          今日の短歌は洋画から題材をとったものです。 ・まなじりを決する顔に魅せられつ「ブレードランナー」ハリソン・フォー   ド ・なれるならデニーロのような中年にモーガン・フリーマンのような老人に ・外つ国の人一様に美しくオリビア・ハッセーの若き乳の房 ・ハンフリー・ボガードはやはり二枚目と知りて我が身の四十六歳 ・映画「セブン」悪き男の科白「楽しかねえさでもそれが人生だろ」 題材を取った「セブン」、「ブレードランナー」、「カサブランカ」、「ゴドファーザーPARTⅡ」は

          短歌のおもちゃ箱6

          短歌のおもちゃ箱5

          今日はサッカーの短歌です。 ・両肩を友にあずけて立ち尽くすアキレス腱を切りし男の背中 ・さも掏摸のような顔してフランスの新星リベリの鋭いドリブル ・PKを前に目を閉じ手を合わす本田圭佑ただ人として ・ふんわりとボールがゴールに吸い込まれ岡田ジャパンの旅は終われり ・伝説の始まりならむ早世のセンターバックの右・松田直樹 一首目のアキレス腱を切った男は、当時サンフレッチェ広島のFWだった高木琢也です。Jrリーグ開幕2年目の出来事でした。 かなり熱心にサッカーも見てい

          短歌のおもちゃ箱5

          短歌のおもちゃ箱4

          こんにちは。 今日はプロレスの短歌です。 ・猪木より馬場が強いと知りしより常識人となった気がする ・存在がプロレスだったこの男ふわりをくわえた葉巻が似合うた ・人の世の定めは常に知り難くわが十代の英雄がゆく ・昭和63年ブロディが死に私の中でプロレスが終わった 「プロレスって八百長じゃん」という人がいます。「俺にはわかるさ。どんな技でどっちが勝つかまで」という人もいます。そんな人に私はいつも言っていました。「プロレスはレスラーの生きざまを見るもので、勝ち負けを見る

          短歌のおもちゃ箱4

          短歌のおもちゃ箱3

          3月11日は、日本人にとって忘れることのできない日です。あの日、テレビを見ながら「これは現実なのか?」と恐れおののいた気持ちをはっきりと覚えています。 すべての人の安寧を祈ります。 それでは今日の短歌。 ・いざこざも憂いもそのまま教室に残してひとり入院手続きをする ・それなりの自負はあれどもわれ抜きにしてそれなりに職場はまわる ・鶏よりも早い目覚めの日が続き夜のしらじらと明けゆくを見る ・不安なる思いぞあまた眠られぬままに見ている街・人・その他 ・病室にて寝てい

          短歌のおもちゃ箱3

          短歌のおもちゃ箱2

          昨日からnoteを始めました。昨日、「すき」をひとついただき感謝! 今日も自作の短歌を掲載します。 ・談春の人情噺にペーソスの流れて我が身をやや振り返る ・艶めきて華やぐ高座兼好という落語家に酔うております ・「小糸」とふ芸妓の顔が目に浮かぶ名人さん喬「たちぎれ線香」 ・「よしとこうまた夢になるといけねえ」落語「芝浜」の下げを聞くなり ・喬太郎の「鬼背参り」に泣いている鬼になれたら楽でもあろうに 地方に住んでいますが、落語の独演会や名人会があるとよく聴きに出かけ

          短歌のおもちゃ箱2

          短歌のおもちゃ箱1

          ミドルエイジ、フリーランス、男性。とプロフィールを考えていたら「ゴルゴ13」と同じだと気付き、名称に拝借しました。 過去・現在の自作の短歌。和歌や短歌にまつわる話。それに長い間、女子校の国語の先生をしていたので、その頃の作った短歌やこぼれ話も。 ということで、「短歌のおもちゃ箱」です。 ・ケータイのマナーモードの音ジジジカタカナゆえに悩みは軽い ・言の葉がザグザグ胸に突き刺さる苦手投手の球は打てない ・美しき怪獣酋長ジョロニモの羽などつけて淑女らが舞う ・七五調の

          短歌のおもちゃ箱1