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短歌のおもちゃ箱4

こんにちは。

今日はプロレスの短歌です。

・猪木より馬場が強いと知りしより常識人となった気がする

・存在がプロレスだったこの男ふわりをくわえた葉巻が似合うた

・人の世の定めは常に知り難くわが十代の英雄がゆく

・昭和63年ブロディが死に私の中でプロレスが終わった

「プロレスって八百長じゃん」という人がいます。「俺にはわかるさ。どんな技でどっちが勝つかまで」という人もいます。そんな人に私はいつも言っていました。「プロレスはレスラーの生きざまを見るもので、勝ち負けを見るものではない」と。

たとえばこんな試合がありました。新日本プロレスでの、タッグマッチで、ブルーザー・ブロディとディック・マードックとの絡み。

ブロディは当時飛ぶ鳥も落とす勢いの外国勢トップレスラー。かたやマードックも天才と呼ばれた実力者。

筋書き通りならば、ブロディがマードックに勝つ。それもキングコング・ニードロップで。結果はそうなりました。

しかし、試合の中ではマードックはブロディの風下に立たなかった。「調子に乗るなよ」とばかりに、ブロディの攻撃を受けても平気な顔をして反撃していた。自分の実力を十分ブロディにも、ファンにも印象付けたあと、きっちり負けて見せた。

そこに着目するのがプロレスファンなのです。

「わが十代の英雄」は馬場を詠んだものですが、今振り返って読むと、ブロディとも捉えられます

「インテリジェント・モンスター」とも、「キングコンブ」とも「超獣」とも呼ばれたブロディは、プエルトリコで刺殺されました。

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