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短歌のおもちゃ箱15

絵が気に入ったので、当分使用させていただきます。感謝!

今日も、私の好きな、私らしい短歌の紹介です。

・春夏冬休みはいづこメビウスの環のごとくに働いており

・見上げれば何やらうちに騒ぎあり狼が吼えていそうなこの月

・掌にのる地球儀の中にいるはずの私がまだ見つからぬ

・人の世はなべて仮面の舞踏会さて踊らむかな息上がるまで

・現し身の憂えは尽きず一息に世の終わるならそれまでのこと

一首目。私立の女子高校の教員でした。高校の同窓会では同級生からは羨ましがられますが、今の時代(いやいつの世も)、だれもが羨む職場なんてあるわけがありません。大学の同級生は教員が多いので、だれも羨みません。公立高校に比べて、常勤の教職員の配置数は少なく、非常勤の教員が多い。授業時数はともかく、それ以外の校務の、常勤職のそれぞれの肩に乗る量が多いなるわけです。ある時、外部から来た大物弁護士の理事長が「先生方は羨ましい。40日も夏休みがあって。私は毎朝、新聞を読むのだけが楽しみだ。」と言って、大顰蹙を買いました。いくら大物弁護士でも、こういう人を理事長に迎える組織って何なの? そういえば、この理事長に、初対面から「お前」と呼ばれたことを思い出しました。よく「教員は世間知らず」と言われますが、このくらいの社会知識がなくて、弁護士は務まるのでしょうかねえ。

二首目。短歌を作り始めてまもなく詠んだ歌。テクニックはさておき、この感じは我ながらいいですね。

三首目。このシュールさ、同じくたまりません。大好きです。

四首目。人という生き物は多面体でできています。その時々で、応じた仮面をつけている。うちの奥さんは、けっこうどこにいても同じ人です。仕事場でも、妻としても、母としても、自分が子という立場でも、友人に対しても。これって、けっこうすごいことだな、というのが私的実感。

五首目の歌。ある面とても私らしい歌です。しかし、この歌は独身時代に詠んだもの。今の立場では、詠めない。ある米国在住の日本人の外科手術の権威が、「私は死にません。人間は求められているうちは死なないんです」と言ったいました。私も公的な仕事ではありませんが、まだまだ生かせれていくと考えています。

4月、気候もよくなりましたが、コロナには十分ご注意を。

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