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夜の散歩道

久しぶりに髪を切った。
私の髪は中学からの親友に切ってもらっている。

今日は娘も春休みで帰省しているので、友人が
「髪も切って可愛くなったからどこか寄り道したら?」
と声をかけてくれた。

本当は真っ直ぐ帰るつもりだったけど、友人の言葉に背中を押され、美容室の帰り、久しぶりに夜の街を散歩して帰った。

どこかで食事をして帰ろうと思ったけど、通りすがりにかわいい看板を見つけてしまった。

これは私のお店の決め方、看板が気にいったら入ってみる。その勘は割と当たったりする。

一目惚れしたフクロウの看板が夜道を明るく照らしている。

フクロウが優しく照らす夜道


「BAR OWL ?」こんな店あったっけ?

私は、恐る恐る店があると言う2階までの階段を登る。

ドアの前にまた看板があり、窓ガラスから中を覗き込むと、オーナーらしき男性が声をかけてきた。

「良ければどうぞ?」

では、一杯だけ飲んでみようかと勇気を出して中に入る。

何でもこのBARは昨年オープンしたらしく、オーナーさんは数々のバーテンダーの大会で賞を獲っているとのことだった。実はいつか少しお値段のするカクテルをBARで飲んでみたいという夢があった。

お店の成り立ちを聞いてから、大会で入賞した時作ったものと同じカクテルを注文し、作っていただいた。

オーナーさんがシェイカーを振る手つきは手際良くスピーディーだったが、振り終わるとそれはそれは丁寧に、そのカクテルは小さなカクテルグラスにゆっくりと注がれたのだった。

カクテルの色がカラフルで

「出会い」という名のカクテルなんだそうだ。少し明るい赤色が花びらのようで綺麗だ。

東北の地らしく、震災に対する思いや、バーテンダーとしてやっていくと決めた時の意気込み、コロナ禍で感じたこと、様々な想いがこの一杯に込められているとのこと。

そんな話を伺いながら、ゆっくりと味わうカクテルは、私の喉を優しく潤して心を溶きほぐし、なんだか涙が出そうになった。

りんごのブランデーがベースだそうが、レモンやライムも入っており、大人の味わいながら口当たりは爽やかだ。

飲み終えると、気分も爽快になり気持ちがリフレッシュできた。

以前に行きたいと思っていた、日本の最高齢バーテンダー(今はお亡くなりになった)がお店を切り盛りする山形県酒田市の老舗BAR「雪国」に行った時の話も伺うことができ楽しかった。

平日の火曜、1週間はまだ長い。だが、とても良い骨休めになった。明日からも頑張れそうだ。

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