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「地理学」は「地理」より断然沼だった話

無性に「地理学」をもう一度したい…!ってなるときがある。

……私、「地理学」で大学を卒業した身です。


今、多くの方の頭の中に「?」マークをつけさせていることでしょう。


「地理学」って、なに??


また、多くの方が「地理学」を「地理」の授業と勘違いされていることも想像できます。


?  「地理」と「地理学」は違うの???


無理もありません。かつての私がそうでしたから(過去形で言えるほど自信はありません)。

ひとつずつ、簡単に解いていきましょう〜

私が言っている「地理」は、中学・高校の暗記するだけのあの授業を指します。

テストのためだけに覚えて、何の役に立つ!?

そんな思いを必死に隠して、
肯定的に書くなら、「知識として理解度を深める」授業ですね。

よく地図マニアとかは得意でいいよねーなんて会話をした覚えがあります。

じゃあ、次。
「地理学」について。

こちらは、大学、大学院、研究者たちが学ぶ領域です。

あー、年齢がちがうのねー

それもあります。

根本的に、もっとちがいます。

「地理学」は、暗記がメインではなく、「なぜそうなった(ている)のか」とことん追究する学問です。

この、「なんで?」「なんで?」の域に達すると…

おめでとうございます!「地理学」の沼にようこそ!

と、なります。

「なんで?」「なんで?」は、地表面上であれば、なんでもオッケーです。

「地表面上」を強調したのは、地理学が、
・地中を対象としていないこと
・惑星など他の星を対象としていないこと
を定義しているからです。(専門家の方、違っていたらごめんなさい)

逆に捉えれば、それ以外ならなんでも「地理学」になる、ということです。

余計にわからないわー、となっているかと思います。

地理学は、大きく3つに分類できるとされています。
1. 自然地理・・・気候、地形、動植物の分布、水の循環など
2. 人文地理・・・人口、経済、民族、歴史、集落、ジェンダーなど
3. 地誌・・・特定の地域において、自然地理と人文地理を駆使して、その地域の特徴を描く

つまり、理系なの?文系なの?

「地理学」全体で見れば、理系でもあり文系でもある、と表現する人もいますし、

いやいや、理系でも文系でもない、総合系だよ、と表現する人もいます。

なので、「一概にこれ!」と表現できないのが地理学のもどかしいところですが、

自然地理は理系、人文地理は文系、地誌は最近では珍しい領域と言われている気がします。

共通するのは、フィールドワークという現地調査を積極的に採用する点です。

具体的な例がほしいですね。

こちらの『マーガリンとバターの消費に地域差はあるのか、本気で調べてみた』は、私が本当に授業でレポート提出した題材がもとになっています。

やり方は簡単。
「なんで?」北海道はバターの消費が多くてマーガリンの消費が少ないの?
「なんで?」京都は他の関西圏がマーガリン派なのにバターの消費が多いの?

「なんで?」を頭につけて、法則(パターン)を見つけます。

見つけたら、その理由の説明を探します。

「あ!」、北海道は酪農が盛んだから地産地消しているんじゃない?
「あ!」、京都はパン消費量日本一が関係しているんじゃない?


これで終わってもいいのですが、

・せっかくの説明の根拠を強くする、つまりフィールドワークに出かけて取材をしてみる
・他の地域と差をつけるにはどうしたらいいのだろうか、つまりマーケティングに活かせそうな点はないか探る

などの次の行動を起こそうと思えばいくらでもできます。

もし、これがあなたにとって沼にハマっていなかったら、
「北海道はバター多し、マーガリン少なめ」と暗記するだけで終わってしまうでしょう。

これだと、単なる「地理」になってしまいます。

もし、この話があなたの好奇心をくすぐるようでしたら、「地理学」として成立することでしょう。


「地理」と「地理学」を大きく分けるのは、あなたの好奇心「なんで?」です。
(「あ、そう。だからなに?」の方は方で地理学人|《じん》になる必要性はありませんよ。)

私が「地理学」を専攻するまで「地理」との違いを知らなさすぎました。

そして、「地理学っておもしろい!」と思って卒業したので、またやりたいなーと時々思うのです。

そんなの勉強して何の役に立つの?

みんなに言われることです。

学んですぐには役には立ちません。
「北海道ではバターが多い」と覚えたところでこれこそ「だから何?」になります。

個人的には「なんで?」「なんで?」を繰り返す習慣が、1%のひらめきを生みやすくするのだと思っています。

「『地理学』を学んでも就活には得にならない」

きっぱりとある教授は言いました。

それでも惹かれる何かを感じ取ったので、この「何かを感じ取る」力も、私が人間だから味わえることなんだなぁ(つまり良いこと)と捉えるようにしました。

視覚
聴覚
嗅覚
触覚
味覚

これら五感をフル活用させて「なんで?」という日々の生活へのスパイスを自他共に共有できる人生を送っていきたい、

そういうふうに、「地理学」に接したことで思うようになりました。

言うなれば、私は地理学の沼にハマりました。

まだ「地理学」を知らない方へ、ぜひとも届けたい思いだけで書きました。

よかったら「地理学」、いかがでしょうか?

(ちなみに例は文系の地理学です)

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