【感想】「表現の永続革命 河東碧梧桐」石川九楊(評価・B)
本書は俳人・河東碧梧桐の奇抜な書の表現から、彼の自由律俳句に至る変遷を捉えた一冊。
俳句とは何であるか、書道とは何であるかを著者なりの視点で説明してから、碧梧桐の表現の卓越さを語っているので、そこに感情的な押し付けがましさは感じられない。ただ、どちらの素養もない僕には理解できない部分が多かったと思う。
本書の最大の読みどころは、碧梧桐の関東大震災の記録であろう。その風景描写は、優れた記録映画を見ているように明晰である。仮名遣いを現代的に改めれば、誰もがその優れた描写力に