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【実録】壮絶な立ち会い出産は涙が止まらなかった。すべての旦那さんへオススメします

2019年の5月に僕は父になりました。

その際、立ち会い出産をしたのですが、その時の記憶を陳腐化させないように、父になって2日目に残したiPhoneのメモ。

語り口は、不思議な感じですが、これから出産を控えている人や、父になる予定の方に読んでもらえると嬉しいです。

それでは、始まり始まり。

5月4日9時

病院に着くと、すでに嫁は陣痛促進剤を点滴しており陣痛を誘発している。

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というのも、5月2日に検診を受けに行ったところ妻は尿蛋白が++出ており、血圧も140/90と非常に高い状態で妊娠高血圧症と診断されたのだ。昔で言うところの妊娠中毒症である。

放っておくと母子ともに危険なる可能性があるため管理入院を余儀なくされた。

5月3日の朝9時から陣痛促進剤を点滴されていたため、5月4日は2日連続の陣痛促進剤の点滴だった。

妻の子宮口は順調に開いていっており僕が病院についた頃には6センチくらいに開いていた。
そこから7分間隔くらいで陣痛が訪れる。はじめのうちは余裕が感じられた妻だったが時間が経つにつれ痛みが増していったようで顔が引きつっていった。


陣痛促進剤は点滴開始当初は毎時12mlくらいで投与される。定期的に12mlずつ増やしていき、最終的には毎時120mlになるようだ。

なぜ、いきなり120mlにしないかと言うと、陣痛促進剤は子宮を収縮させるものであるため、急な収縮は赤ちゃんと母体にとっても非常に負担がかかるからだそうだ。

点滴をしている間はずっと赤ちゃんの心拍と妻のお腹の張りの状況がモニタリングされている。
痛がる妻の顔を見ても、痛みを変わってあげることができず、不甲斐ない自分がいた。できる限りのことはしてあげたいと思い、むくむ脚や痛む腰をさすった。

8時半から陣痛促進剤が投与されていたが、破水が起きず10時20分が過ぎていた。

5月4日10時20分

担当医師が内診に訪れた。
そして僕は陣痛室から出され、廊下で待たされた。

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すると、内診を終えた担当医が部屋から出てきて10時25分に人工的に破水させたと話してくれた。
これにより陣痛が早まり、赤ちゃんを外に出すのを早めることが出来るようだ。

それ以降も定期的に陣痛促進剤の量は増えていき、妻の陣痛の間隔が短くなっていく。

赤ちゃんが降りてくると、ちょうど大便をもよおすような感覚になるらしく、それを堪えないと子宮口が開ききってない状況で生まれてきそうになることで赤ちゃんの身体が危険な状態になるようだ。

テレビでテニスボールをお尻に押し当てているのを見たことがあるが、嫁はそれはあまり効かないようだ。

妻の尾骶骨の挟むような感覚で、両手の親指で押し上げる。
これを陣痛が来るたびに、力を込めてぐっと行うのだ。正直、指はしんどく親指以外の指で押したり、体勢を変えたりして押してみる。

妻の陣痛に合わせて全力でやるので指が折れるんじゃないかと思うくらい痛い。
しかし、妻の方が圧倒的に痛いし辛い状況なので耐えながら心と力を込めて押しまくった。

5月4日12時

気付くとすでに12時が過ぎており、妻はますます痛がるばかり。
僕もモニターを見ながら、陣痛の間隔が段々と読めるようになってきた。
tocoという値が10から20の時は痛くないようでそれが一気に127まで上がる。このときが押し時である。ぐぅーーっと力を込めて押す。絶対に普段こんだけ押したら痛いだろう強さで押すが、全く痛がる様子はなくむしろ助かっているようだ。

5月4日13時45分

定期的に助産師が訪れる。
13時45分くらいに子宮口を確認したときは8センチくらいになってると言っていた。
あと2時間くらいで全開(10センチ)になるとのこと。そうすれば、心置きなく嫁はいきむことができる。
いきみたいのにいきむことができず、それを防ぐためには僕の指が必要なようだ。指はとっくに限界を迎えていたが、ただただ必死に押しまくる。

5月4日14時半

14時半すぎ、妻は「もうやだ」と言いながら痛みと戦っている。
陣痛の間隔はすでに2分から3分になってきている。僕もトイレに行きたいがトイレに行くに行けない。
行ってる間に陣痛が来たらきっと嫁は耐えられないはず。しかし、我慢ができなくなったため駆け足でトイレに駆け込む。
急いで用を足し手を洗い陣痛室に駆け込む。よかった、まだ陣痛は来てないようだ。
そのあとすぐに陣痛は訪れた。僕はまた全力で指を押し込んだ。

5月4日15時過ぎ

15時すぎ先生が訪れる。
また、廊下に出される。

陣痛室から今まで聞いたことのない嫁の悲鳴が聞こえる。
その悲鳴を聞いて僕は涙がこみ上げてきた。
先生が部屋から出てきた。血だらけのビニール手袋を手にした先生は、「赤ちゃんの心拍も安定しているので出そうと思います。なので無理やり子宮口を全開にしました」とのこと。
それは、想像絶する痛みだったと思う。

その直後、妻の陣痛の間隔は早くなり、陣痛が収まっているその瞬間に分娩室へ移動していった。

僕はまだ廊下で待たされている。部屋から出てきた妻の顔は憔悴しきっている。これから、分娩となるともっと大変だ。

5分程度待たされて、助産師から分娩室へ案内される。

看護師や助産師、産科医など6名くらいが慌ただしく動いている。

分娩台に乗る嫁は覚悟を決めた表情をしている。
テレビドラマで何回か出産シーンを見たことはあるが実際はやはり違う。
何が違うか。それは、これから母になる女性の顔つきは、演技のそれとは違う感じがした。

妻の血圧は146/90と少し高い状況が続く。

「次の陣痛でいきむよ」と助産師さんに言われ、冷静に聞き入れる嫁の姿に頼もしさを感じるとともに感動した。

その陣痛が来た。
妻は思い切り息を吸い、全身の力をお腹に集める。もう一回。
そして嫁は大きく息を吐く。

少しずつ出てきているようだ。

また、次の陣痛が訪れる。
同じく妻はお腹に力を込める。そして、もう一回。

まだ、頭は出てこない。

妻の血圧が上が160超えるもしくは下が100を超える場合は吸引すると先生が指示を出す。

そしてまた陣痛が訪れる。
妻は今まで聞いたことのない大きな声を出す。

頑張れ頑張れ。

何もできないが僕は妻の力が入るように頭を支えてあげる。
僕も陣痛に合わせ、呼吸を合わせる。

すぅーー!ぐぅーーーー!
だめだ。もう一回。

すぅーー!ぐぅーーーー!

まだ、赤ちゃんは出てこない。
どうやら肩あたりが引っかかっているようだ。


妻は麻酔を打たれ、切開される。
痛そうだがそれよりも頑張って欲しい。

次の陣痛が来る前に先生は吸引機を用意する。それを妻に入れる。それも痛そうだ。妻の悲鳴が上がる。

次の陣痛が来た。吸引機で赤ちゃんを吸い上げる。妻もそれに合わせて力を込める。

僕も必死で妻の頭をお腹の方に持ち上げる。
もう1人の産科医が力を込め、妻のお腹を上から押し込む。

まだ出てこない。

吸引機のサイズを変更するように担当医がアシスタントに指示をする。
また、吸引機を妻に入れる。
さらに悲鳴が上がる。
変わってあげたい。

妻の頑張る姿はかっこよく、僕は自然と涙を流している。

次の陣痛が間も無く来る。次が勝負だ。
頑張れ!妻よ!

次の陣痛が来た。
妻は力一杯お腹に力を入れる。
僕も力一杯頭を持ち上げる。
産科医も力一杯お腹を押し込む。
担当医と助産師が一生懸命赤ちゃんを引っ張り上げる。

5月4日16時2分

ついに、16時2分赤ちゃんが生まれた!

灰色の顔をしたしもっぷくれの赤ちゃんだ。

生まれた直後から大きな産声を上げていたため、テレビでよく見るような背中をさする行為も必要もないようだ。
その産声は、ガラガラガラとうがいしてるような音だった。喉の奥に羊水がたまっているらしく、うがいをしているように聞こえた。そのため、看護師の方は子供の喉を何度も吸引してくれていた。

ドラマで見る限り生まれた直後にお母さんに抱っこさせるイメージだったが、実際は違っていて赤ちゃんをヒーターの下で温めながら身体を拭いていく。赤ちゃんの身体を冷やさないためだ。
その間も大きな産声は鳴り響いている。どうやらほんとうに元気な赤ちゃんのようで僕も安心した。

一方、妻の方は残った胎盤などを取り除く処置を受けている。
16時4分に胎盤が全て取り除かれた。
産まれてから2分。凄まじい手際の良さだった。

胎盤を看護師さんに見せてもらったがとても大きく、また太い血管が走っている。苦手な人は見れないかもしれない代物だった。

赤ちゃんも処置が終わり、体重計に乗せられる。
3,274gの元気な女の子の赤ちゃんだ。
ついに妻の元に運ばれる。
あんだけ泣いてた赤ちゃんが、すっと泣きやむ。
「かわいい…」と嫁の口から言葉が漏れた。
僕はその言葉に安心して涙が溢れた。

僕も抱っこをさせてもらった。
僕の腕に抱かれても泣き止む。とても空気の読めた子だ。

まだ、妻への処置は続く。
無理やり引っ張り出したため、傷が多いようだ。縫合作業は続く。
もう終わりますよーと言いながらずっと続く。
結局、1時間半、妻の処置に時間がかかった。

5月4日17時半過ぎ

その間僕は妻の親と自身の両親に電話をする。
近くまで来てくれていたお義母さんと合流する。
お義母さんにも抱っこしてもらう。


かわいいおにぎりのような顔をした可愛い女の子。
ひとしきり赤ちゃんを抱っこしたり眺めたりした。

遂に妻が分娩台から降りるときが来た。
産んでから2時間近く経っていた。

憔悴しきった妻はやっとの思いで歩いている。
やはり歩くのは危険と判断され車椅子に乗って入院している部屋までやってきた。

立ち会い出産について

今回、立ち会い出産をして本当に良かったと思う。
あんなにも大変なことが行われているのも知らずにただただ我が子を可愛がるのは正直、嫁と旦那のバランスは合わないと思う。

妻の偉大さを知り、自分がその妻に対し何が出来るかを考えながら一緒にお産をすることはとても重要だと思う。

しかし、奥さんの方がやめて欲しいと思う方も多いのでそこは夫婦間で話し合うのが良いと思います。

僕の妻は特別大変だったのかもしれない。
・陣痛促進剤
・人工的な破水
・子宮口人工的な全開
・吸引分娩

生まれる前にもマイナートラブルは色々あった。

今回一緒に力を合わせて娘が生まれてきてくれたことは家族の絆を厚くしてくれたと思う。

生まれてきた娘も無理やり頭を引っ張られ、大変な思いをしたと思う。

親子三人で掴み取ったこの幸せを僕は大事にしていきたい。

現在

娘は8ヶ月となり、毎日元気にズリバイをして動き回っている。

いつの日かこれを読んでもらいたいなと思いながらnoteに書き残しました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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