花火の夜に猫が消えた話
猫が消えた。いつまでも猫は一緒にいるものだと思っていた。野良猫から保護して、一緒に住むようになって7年が経つ白い猫だった。家猫として、外に出さない猫として生活して長く、マンションの外を出たらうちの猫はとても生きていけない。だから、ベランダに出るリビングの窓の開閉にはいつも神経を使っていた。ただ、その日は花火の日だった。4年ぶりの花火の日。コロナが明けたというには憚られるかもしれないけれど、コロナの騒ぎが落ち着いて初めての花火だ。コロナの直前に生まれた我が家の3歳児にとって人生