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カテゴリーエントリーポイントの考え方と使い方
本稿は、『ブランディングの科学:新市場開拓篇』で広く知られるようになった、カテゴリーエントリーポイント(Category Entry Point:CEP)というマーケティング・コンセプトの解説記事です。
なお本稿では同概念を提案したジェニ・ロマニウク(Jenni Romaniuk)の論を立脚点にしながら、後半では「実務的にはこう使った方がよいんじゃないか」という提案もしてみたいと思います。
『
同性同士の競争が激しい職場は、男性従業員にヤクルト1000をより多く買わせるかもしれない。
SUMMARY(さしあたりの)結論
組織文化・風土は、その企業に勤める従業員の消費行動にも大きな影響を与える可能性がある。本記事では、勤務先が「同性間(すなわち、男性間または女性間)の競争を促している」と認識している従業員ほど、Yakult1000 / Y1000 を購入する傾向が高まることを検証した。
DETAIL問題意識
消費者行動論(Consumer Behavior)と組織行動論(O
男性が育休を取りやすくする取組は、地球にやさしい買い物も増やすかもしれない。
SUMMARY(さしあたりの)結論
育休を(特に男性が)長期的に取得してよいと思えるようにする会社の取り組みは、その会社の働きやすさを高めるだけでなく、その会社の社員のサステナブル購買の"障壁"(同性への競争意識)を下げることで、サステナブル購買の浸透にも寄与する可能性がある。
DETAIL仮説立案のために検討したこと
男性は、女性に比べて、サステナブル購買に積極的ではないということはさまざ
カテゴリーエントリーポイント解説[基礎編]
本稿は、『ブランディングの科学:新市場開拓篇』で広く知られるようになった、カテゴリーエントリーポイント(Category Entry Point:CEP)というマーケティング・コンセプトの解説記事です。
基礎編と位置づけた本稿では、前回の入門編で紹介した「適切度」という指標に関する検討を広げることで、「CEPはどのような課題を解決することができるのか」について考えていきたいと思います。
前回の
カテゴリーエントリーポイント解説[入門編]
本稿は、『ブランディングの科学:新市場開拓篇』で広く知られるようになった、カテゴリーエントリーポイント(Category Entry Point:CEP)というマーケティング・コンセプトの解説記事です。
入門編と位置づけた本稿では、CEPをマーケティング実践に導入するための前段階となる「CEPとはどんな意義をもつコンセプトなのか」について検討していきます。
CEPと連想まずCEPは、商品やブラ
個人のパーパスを育てるための〈頭・心・手〉というフレームワーク
本記事では、Palgrave Macmillan社からPDF版がオープンアクセスで出版されている『Purpose-driven Organizations: Management Ideas for a Better World』の中から、第8章の「Nurturing Personal Purpose at Work」の原文と対訳(筆者訳)をご提供します。
Introduction人間は誰でもパ
ブランドパーパスについてちゃんと考えてみたい人への推奨文献5選
「ブランドパーパス」は、現在ブランドに関わる人にとって、その見方が推奨的であれ批判的であれ、避けては通れないキーワードとなっていると思います。
ANA(Association of National Advertisers)が2018年に Marketing Word of the Year に「Brand Purpose」を選出して以来、その重要性を多くの有識者が語り、またここ数年で「ブランド
カテゴリーエントリーポイントに関する検討
本記事は、『ブランディングの科学[新市場開拓篇]:エビデンスに基づいたブランド成長の新法則』で広く知られるようになった、同書の著者の1人であるジェニ・ロマニウク氏が提案するカテゴリーエントリーポイント(Category Entry Point:CEP)というマーケティング・コンセプトの解説記事です。
既に多くのプロフェッショナルが、CEPとその重要性について分かりやすく解説して下さっていますので
マーケターはストーリーの悪さを知らなければならない
人類の歴史は、ストーリーとともにありました。
例えば『サピエンス全史』でユヴァル・ノア・ハラリは、人類の歴史を作ったのは「虚構(フィクション)」であったと結論づけました(※1)。現在の人類の祖であるホモサピエンスが自分より体格の大きいネアンデルタール人との生存競争に勝つことができたのは「物語を共有する力」の有無だったのです。
マーケティングにおいても「ストーリー」は重要なことは言うまでもないで
ストーリーはブランドの意思決定に力を与える
ストーリーと聞くと「ストーリーテリング」に代表されるような、"他者の注目を集め説得する手段"として捉えられる向きがあるのではないかと思います。一方でストーリーには、(他者ではなく)"自らにまつわる記憶や出来事の意味を捉え直す"ことで、自らの意志に力を与えるためにも必要とされるのではないか、という議論があります。
本記事では、後者の"人の意思決定に力を与えるストーリー"に注目し、それがブランドにと
ストーリーはどのようにマーケティングに貢献するのか
「マーケティングにはストーリーが重要だ」。この言葉に異論を唱える人は、それほど多くないでしょう。一方で、狭義のデザインのように、「ストーリーへの投資が事業にどう貢献するのか」を、説得的に語ることは難しいと認識されている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、マーケティング実務の観点から「ストーリー」に関心を持っている人が「マーケティングや広く経営活動にストーリーがどのように貢献するのか」につ