なぜ僕らは稼げないのか。なぜ副業を始める前につまづいてしまうのか。
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日本の経済悪化とともに2010年代から叫ばれ始めた副業(複業)。最近は大企業にとって社員の副業を認めるかが一つの議論になっている。
年金2000万円問題や企業の寿命の短命化に加え、寿命の長寿化やらVUCA(先の見通せない時代のこと)やらが人々の不安を煽り、副業のブームがさらに加速しているようだ。
遅かれ早かれ副業とやら呼ばれるものを始めないといけない、何か他の収入源を確保する必要がある、と焦りを感じているがいまだ手をつけられていない人も多いのではなかろうか。
そこには副業に対するハードルの高さをはじめ、「お金を稼ぐ」ということに対する間違った認識があり、副業への妨げになっている。
本書は、そんな副業意欲はあるが「始めたいけど始められない」「私には無理だ」と思っている人に、“お金を稼ぐ”とはどういうことかという話を通して、僕らの持っている間違った認識を解き、正しいお金の生み出し方について教えてくれる本だった。
以下、ざっくりと本書を僕なりの言葉で要約しながら、僕の感想も挟んでいく形でつらつらと書いていく。
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なぜ僕らは稼げないのか。著者は「お金を“素直に”受け取ることができないから」と言う。
ほとんどの人は会社員という雇用形態で働き、給料をもらうことに慣れてしまっている。これはつまり、“働いた時間”に対してお金を貰っていると言い換えることができる。一方で、副業など自分の(スモール)ビジネスを始める際には、働いた時間ではなく、提供したサービスの“価値”に対してお金を貰う。
どのくらいの時間働いたのかは全く関係がなく、働いた時間分のお金が返ってこない世界なのが、全く違うところだ。100時間働いても、価値を生んでいなかったらお金にならないのがビジネスの世界だ。
では、その“価値”とは一体何なのか。お客様はどこに価値を感じてお金を払うのか。その答えは「感情」にある。
その上で、価値に対して支払う金額(価格)はいかにして決まるのか。これに関して著者は「お客様の“欲求の強さ”で高いか安いかが決まるのだ」と主張している。
つまり、相手の欲求や感情を満たすサービスや商品を考えることができれば、そこにお金が支払われるのだ。お客様の欲求が高ければ高いほど、その額は大きくなる。
この基本を理解した上で、僕ら(稼げない人)が持っている間違った考えについて、特に僕がハッとさせられたところを抽出すると、
これはすべて間違った認識である。少なくとも今の僕(僕のような稼げていない人)には。
なぜ間違っているのかは、消費者としての自分を想像するとすぐに分かる。自分の家を見渡して自分が買ったものを見ると、必ずしもスキルや才能がある人が提供している物ばかりを買っているわけではないし、業界でナンバーワンのものを買っているわけではないだろう。画期的なアイデア商品もほとんどない。
いちばん引っかかりそうな「お客様に100%の結果を保証しなければならない」に関してもそうだ。例えば、サッカースクールに通えば必ずプロサッカー選手になれるわけではないし、Amazonで商品を購入してみたけど思ったのと違って失敗したなんてことはよくある。買う前に結果を保証しているのであれば話は別だが、99%の商品やサービスはそうではない。
そう思うと、これで僕らが稼ぐ(提供した価値の対価としてお金を貰う)のを妨げていた、間違って持っていたマインドや考え方を少し払拭することができた気がする。
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僕はビジネスについて、大企業が考えているような次元で物事を考え過ぎていたのだ。差別化がどうとか、たくさんの顧客を想定してサービスを設計しないといけないとか、集客がどうとか、すべてにおいて。それが副業でお金を稼ぐことへのハードルを上げていたのだと気づくことができた。
たしかにドイツで生活していて、いろんなサービスを受けるが日本と比べたら質は低い。だけど、そこに僕はお金を払っている、それも日本よりも高いお金を。
僕はもっと目の前の自分のことについて考え、学ばなければならない気がする。ビジネス書やら新書やら、小難しくて大きな概念を扱っている本を読んでは、少し賢くなった優越感に浸る。そんな学びばかりをしていて、なにひとつ結果に繋がっていない気がした。
もちろん、そういう読書が悪いわけではない。興味や好奇心で読んでいる部分も少なからずある。社会問題や経済など、抽象的で答えのない問題について考えることは確かに大事なことだし、長期的に考えて目に見えない大事なものを培うことも大事なことには変わりがない。
ただ、今の僕の頭の中はどうしてもそうした「“今にあまり関係のない”大事なこと」に比重を置き過ぎている気がする。これもバランスだが、もう少し“今に関係がある”大事なことに目を向けていく必要があるのかもしれないと感じた。
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