Photo story No.036 春を告げる海の恵みと誇り。
今年もホタテ漁が始まった。まだまだ寒くはあるが春を感じる風物詩。ホタテ漁は猿払を支える屋台骨。獲って稼ぎ、加工して稼ぎ、販売して稼ぐ。多くの村民が恩恵に預かっている。
村も同じだ。村の貴重な財源確保策のひとつにふるさと納税がある。お礼の品としてもホタテの加工品が占める割合は大きく、全国の皆様のもとへ。
ホタテは猿払村を語る上で欠かすことができない資源。ただ、過去には獲り尽くしてしまいホタテが姿を消してしまうという苦い経験も。
育てて獲る漁業への転換までには、筆舌に尽くし難い苦労と苦難の道のりだったと語り継がれているが、そこまで古い話ではないのだ。
それこそSDGsが叫ばれる前から、猿払の産業の基礎を築いた先人たちは、過去の教訓を胸に連綿と持続可能な漁業を営んできた。
これは、猿払に生まれ育った私にとって誇り。この想いを、いつも思い起こさせてくれる一節がさるふつ公園にある。
猿払村を訪れた方に、村の歴史を説明する度に訪れるいさりの碑。碑文に込められた想いをご説明することで、自分も初心に帰れるのだ。
特に最後の二行が自分にとっては強烈に印象を残す。自然と人間はそれぞれの強さや叡智によって共存すべきだし、できるはず。その固い意志をいつも強く感じるのだ。
社会や物事の断片が良ければ良いという発想ではなく、もっと大きな視野で全体を俯瞰して創造すること大切。
地方公共団体で働く立場の自分だからこそできることがあるはず。この想いは今までも意識してきたが、これからも大事にしていきたい。
そして、幾多の人々の熱き想いが乗せられた海の恵み。この恵みを一人でも多くの方に知ってもらうために私は動き続ける。
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