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【武器になる哲学】哲学の実用書

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆

〜哲学って役に立つの?〜

哲学、といえばとっつきにくい難しいイメージや「何をそんなことを真剣に考えてるんだ」というイメージなど、おおよそ実社会で役に立ちそうなイメージを持たれていない。

しかし、著者の山口周さんによると、そのイメージは日本だけであり、欧米では哲学は学生の必修科目となっており、社会を作るためには欠かせない教養であると認識されている。

なぜ、日本では哲学が好まれていないのか?という背景はさておき、本書では、「個人」「組織」「社会」「思考」にテーマを分け、生きる上で役に立つ哲学のエッセンスを解説してくれる。


〜山口周さんの哲学〜

さて、著者の山口周さんは個人的に大好きな著作家さんで、これまで「ニュータイプの時代」「世界のエリートはなぜ『美意識』を鍛えるのか?」「ビジネスの未来」などを読んできたが、いずれも新しい視点を与えてくれる良書であった。
本書も山口周さんの代表作のひとつであり、期待して読んだのだが、正直、これはイマイチだった。

というのも、本書は哲学の入門書でありながら、かなり変わった構成となっている。

本文の中で山口周さん自身も

ぶっちゃけて言えば、筆者にとって「使えるか、使えないか」というだけの評価で編集している

と述べているように、ざっくり言えば、哲学の中で山口周さんの好みをかき集めた内容、と言える。

確かに「使える」哲学の考え方はあるが、どうしても「"哲学"を山口周さんの持論に寄せて解説している」感が否めなかったのだ。
中には、哲学というか心理学や数学のような別分野にあたると思われるような内容もあり、純粋な哲学入門と見ると、少し首を傾げたくなってしまう。


〜何か新しい気づきを〜

とはいえ、「これは哲学の本なのか?」という疑問さえ気にならなければ、中身は安定の山口周さんらしい内容となっており、様々な気づきを与えてくれる。
もちろん、これを読んで哲学に興味が出てくることも十分ある。

知的好奇心を刺激する読みモノとしては十分面白い。星の数は、山口周さんが好きすぎて期待しすぎたが故のものである(笑)


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