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日本人の不安を感じやすい性質と、打ち破る共創性

以前、「日本人の不安を感じやすい特性」について講演を聞いたことがあり、そこから感じたことです。

日本人は不安を感じる遺伝子が他の民族と比べて多い、そのため一言で表現すると「心配性」である人が多くなるという研究があるようです。

ならばそんな特性をふまえてどう組織のあり方に活かしていくのかを考えていく必要がある。特に「発想力を育てる仕組み」が大切になる。。。ということが講演の主旨でした。

そのテーマを踏まえたうえで自分なりに感じたこと、考えたことです。

そもそも日本人の気質として「失敗することがストレスになる」のであれば、スタートアップの世界で一般常識とされているような「Fail Fast , Learn a Lot.」のような概念は日本人にフィットしないことになります。

なのに、その概念の素晴らしさだけを持て囃して自分たちにとっては苦行のようなフレームを導入しようとするのは、もしかすると苦しいことなのかもしれません。

また「失敗は糧だ」とか「失敗することに価値がある」という言葉が叫ばれることも多いです。現に自分も叫んでいると思います。ウオー!(叫)

でも、日本人の特性からすれば「その通りだね」と言葉では表現しながらも、本音では受け入れ難い概念なのかもしれません。

「失敗が大事だぜ」と言っているけども、実は自分自身では受け入れていなかったりもしませんかね。

これは社会の流れからすればなかなか苦しいことですよね。スピードの早くなる現代社会では世界の変化の速度もますます早くなる。

そんな世の中ではトライの回転数をとにかく早めることだと言われています。たくさん試行してたくさん失敗することが成功に近づく道だとは、もう色んな場所で耳タコ大魔神ですよね。

かと言って、「日本人はこうせねばならぬ」みたいな「べき論」で語っても実践できないと思うんですよね。だって特性だから。

不安を感じやすい気質はセロトニンの分泌量が関連あるとされているようです。ですがこのセロトニン分泌量は民族的な特徴でどうしようもないことであり、日本人が日本で暮らしていくために培ってきたもの。

不安を感じやすい性質を持った遺伝子が生き残ってきたと捉えることができるのかもしれません。災害の多い日本では不安を感じやすい人の方が生き残ってきやすかったのではないかと、そんな論調も見たことがあります。

さてさて、パッと考えるとなかなか詰んでいる状態ですよね、コレ。

世界の潮流としてはたくさんの挑戦と失敗をし続ける人が世の中をリードする流れが加速する。しかし一方で日本人は自分たちがこの国で生きていくために培った遺伝子的な特性によって、その流れに乗れないでいる。

でも、だからこそ「共創」のチカラなんだと思うのです。僕は「ブレスト的社会」ともよく表現しています。

ブレストの原理原則は4つあります。

①他人の発言を否定しない
②自由奔放な発言を歓迎する
③質より量を求める
④他人のアイデアに便乗する

この中だと④が一番難易度が高いのですが、一方でブレストの持つ価値を最も高めるモノも④だと感じています。

社会全体がブレスト的なあり方のもとに新しいアイデアを集団で生み出すようになっていく。そんな姿が見たいんですよね。

アイデアを生み出した瞬間って、もう動かずにはいられなくなるんです。「○○したくてたまらん」とか言いますよね。

そこではある意味で「失敗」とか「成功」とか、もっと言えば「挑戦」なんて概念すらありません。「たまらん」の前には動き出さずにはいられないのです。強いて言えば「期待感」かもしれません。

「創造性」って、それだけで人を突き動かすとも感じています。

その創造性を個の強さに委ねるのではなく「集団の創造性」を生み出していく仕組みを作っていくのも面白いかもしれないなぁと感じています。

ブレスト的なコミュニケーションのあり方、ブレスト的な創造のあり方、そんな要素ですね。個と個の創造性がぶつかり合い、集団の「たまらん」に変化していく。

そんなブレスト的なあり方って、社会との関係を「I」で捉える西洋的な価値観ではなく「We」で捉えてきた日本的な価値観の方がフィットすると思うんです。

個の強さに頼らず集団の創造性に期待をする状態。もちろんそこでは個の確立は大切になるのですが、確立している個がそもそも自分の創造性よりも集団の創造性を信じている状態です。

「みんなちがって、みんないい」はあくまでも下敷きです。「みんなちがって、みんなイエェーーーイ!!!」が僕の求める世界観。みんなでしか生み出せないモノを生み出していく。それが共創だと思います。

あとね、「コラボレーション」と「コクリエーション」は異なるモノだと捉えています。

世間で語られる「共創」はコラボレーションの意味で語られているモノも多いのですが、僕は「共創」をコクリエーションの意味で捉えています。

これは個人のアイデアを実現するために集団が集まるわけではありません。個人のアイデアと個人のアイデアがぶつかり合い、まったく異なるモノへと変化し、集団のアイデアへと昇華していくプロセスです。

そのためのステップが自己理解、他者理解、集団共創だと捉えています。年末からスタートしたワークショップは「自己理解」を推し進めるためのモノ。その先に他者理解と集団共創のカタチも、自分なりにどんどん模索していきたいと思います。

僕自身が掲げているビジョンと、社会の潮流と、これから先の未来がなんとなく繋がってきたような感覚も受けています。ビジョンについてまとめたnoteはコチラです。興味のある方はぜひ読んでみてください。

と言いながら、既にこの分野は日本でもトップランナーがいます。面白法人カヤックの取り組みとかはその典型じゃないのかなぁ。

「鎌倉資本主義」って本がかなり示唆あります、ものの1時間で読めちゃいますがそこに込められた情報のボリュームすんごい本なので興味ある方はお手に取ってみてください。

そんな、いまの自分が掲げたビジョンと思わぬところでリンクした講演でした。
だからこそ僕は「こうすべき」では動きません。「したくてたまらん」で動いていきます。

たまらん、そう、Tamaranismです。
今日からはタマラニズムでいきましょう。

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