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ひとりひとりの創造性があふれ出し、みんなで未来をつくる共創社会

この世界観を、僕自身の取り組みのビジョンと位置づけます。「道」とか「熱源」と表現もできるかもしれません。僕が目指す未来の社会の姿です。僕が見たくてたまらない未来のあり方です。

実は、仕事やその他の取り組みに対する「スタンス」は示していたのですが、どんな未来を目指すのかというビジョンはこれまで明示していませんでした。それは自分のなかで十分な言語化ができていなかったから。

で、それを今回言葉にしました。ただ、無理に決めようと思って考えたわけではなく、ずーっと頭の片隅に置いておきながら発酵するのを待っていた感覚です。ここ最近に至ってようやく熟成が進み、言語化できるようになってきたので、僕が目指す社会のあり方を言葉にしようと思ったのです。

と言っても言語化の精度はまだバシっとハマるほどではありませんので、表現は今後変化していく可能性があります。ただ、世界観はかなり明確になりましたので変わらないと思います。



01.目指す世界観


ひとりひとりの創造性があふれ出し、みんなで未来をつくる共創社会

これが僕の目指す社会です。

まずは「ひとりひとり」が自律した創造性を持つことを大切にしています。しかし、そこで留まらずに「みんな」で生み出せる価値を大切にしています。自分だけでは見ることのできない社会をみんなの力でつくりあげていく。そんな世界観です。

世の中には「あなた」の幸せを追求するような言葉がたくさんあります。それは間違っているわけではないけど、素直に受け取るには違和感もある。

僕のビジョンは「自分だけの幸せ」を決して追求しているわけでは無い人に届いてほしい。「自分が幸せになるだけの考え方」を受け取りたくない人に届いてほしい。「まずは自分の幸せだよ」と言われても、スっと腹落ちしないんですよね。確かにその通りなところもあるとは認めつつも、やはり「みんなで」を追求したいのです。

家族、周りの人、共同体、社会全体に至るまで、「みんなで幸せになりたい」と思う人と一緒に抱えたいビジョンです。

みんなには「自分を含むみんな」と「自分を含まないみんな」があります。
英語にするとWeとTheyのちがいです。僕が指すみんなは言うまでもなくWeの世界観です。だから、Our Visionと表現してもいいと思います。みんなで幸せになりたい人たちのための、社会と個人のあり方を提示します。


02.なぜその社会を目指すのか


いまの日本は「課題先進国」と言われています。世の中を見回しても、どこもかしこも問題だらけ、未来に対する諦めムードも漂っています。「みんなでゆっくり貧しくなっている」と表現する人もいます。

そんな状況に対して強い課題意識を持ち、現状を脱しようと活動している人たちもいます。そんな人たちの活動はエネルギッシュです。でも、どこか悲観的であり、危機感ベースであり、社会を動かし続けるエンジンとしては機能していないようなジレンマも感じるのです。

僕がいまの社会に足りないと思うのは、あふれんばかりの希望と創造性です。

しかし、課題フォーカスが強すぎる現在では「現状と問題」に意識が囚われすぎて、課題解決を「現状からの脱却」としか思い描けなくなってしまいます。

この状態は、時間軸で言えば「現在」にフォーカスが当たっている状態ですね。決して「未来」を見ることができているわけではありません。

「現状からの脱却」は抜け出すための爆発力はあります。しかし、「未来に向けて歩み続けるための持続力」はありません。だから、ネガティブな現実を見せまくるようなアプローチでは結局世の中は変わらないのです。

そこで必要になってくるのが時間軸の「未来」に意識を向ける思考です。目指す一点の未来を希望として思い描き、そこに至るための道筋を創造性で描き出す。ワクワクや期待感をもとに、歩み続けるためのエネルギーを生むアプローチです。

誤解を招いてしまうといけないのでフォローしておきますが、現状や問題の認識はとても大切なことです。社会の問題に対して目を背けず正面から受け止めることも大切です。しかし、「現状と課題」と「未来と希望」を見るバランスを失っている現在は、歩み続けるエネルギーも社会から失われているとも感じているのです。

課題先進国だと声高に叫ぶことで、自分たちの意識を現在に縛り付けてしまっているのかもしれません。課題先進国と言えば言うほどに課題解決から遠ざかってしまうとしたら、こんなに皮肉なことはないでしょう。

だからこそ、ひとりひとりの創造性があふれ出し、みんなで未来をつくる共創社会を実現したい。

未来に期待して、そこに辿る道筋をみんなで生み出して、ワクワクしながら辿っていく。現状や問題はもちろん認識するのですが、その問題が変化した未来を思い描けば、可能性の出現にワクワクできるはずなんです。



03.言うなればブレスト的な社会


少し表現を変えてみると、目指す未来は「ブレスト的な社会」であるとも表現できます。

ブレストってご存知でしょうか。実際にやったことのある方もいると思いますが、僕のブレストに対する認識は単にアイデアを出すためだけのツールだけに留まっていません。ブレストには集団の共創性を生み出す仕掛けが施されています。

ブレストの原理原則として語られるのは以下の4つです。

①他人の発言を否定しない
②自由奔放な発言を歓迎する
③質より量を求める
④他人のアイデアに便乗する

このなかだと、実は一番④が難易度が高いと感じています。一方で、ブレストの持つ価値を最も高めるのも④だと感じています。

自分のアイデアが肯定され、他者のアイデアを肯定する。それだけでなく自分や他人のアイデアを触媒に、もっと面白いアイデアを生み出していく。この状態を「健全な悪ノリ」とも表現しています。

僕が目指すビジョンは、ブレスト的なコミュニケーションが社会全体で起こっている状態とも言えそうです。

学生時代にブレストの原体験・共創の原体験とも言えるモノがありました。そのときの経験が抽象化され、僕にとって社会の理想像に昇華していったのかもしれません。

そのとき生み出されたアイデアは「一人の人間では決して生み出せないアイデア」であり「そのときの集団だから生み出せたアイデア」でもありました。しかし、個別の発想力を持ったタレント的存在に頼ったモノではなく「全員で面白がるプロセスを経たからこそ生み出せたアイデア」だとも感じたのです。ここではお題目でも何でもなく、間違いなく「全員が主役」でした。

このときの体験が、共創することの楽しさや意味を僕に強く印象付けたような気がしています。



04.ビジョンに近づくため、何をするのか


さて、このビジョンを現実のものとしていくためには3つの観点に意識を向ける必要があると感じています。それが「個人の状態」「集団(関係性)の状態」「社会の状態」です。この3つがビジョン実現したときにはどんな状態になっているのか、そこに思いを馳せることから始めました。

■個人の状態
・自己認識ができている
・熱源を持っている
・未来に期待している

■集団(関係性)の状態
・相互理解しようとしている
・各々の価値観を受容している
・それぞれが持つアイデア・考え方を面白がる
・でも、この集団ならもっと面白くできると信じている

■社会の状態
・アウトプットされるアイデアの総量がいまの100倍、1000倍になっている
・必然的に、社会実装される「よいアイデア」も格段に増える
・課題をとらえながらも、未来に向けて前進しつづける
 →深刻に受け取り、ポジティブに吐き出す


この状態を実現するためには、それぞれの対象に対する働きかけと、それぞれの対象が相互に関わり合うことが大切だと感じています。構図にするとこんな具合です。

自己理解を深めていくと、自分の熱源の存在にも目が向きます。熱源を確信できると、それを社会の中に落とし込んでいったときの可能性にも目が向きます。つまり自己理解は未来への期待につながっていくわけですね。

共創の土壌をつくることは、他者との関係性をつくっていくプロセスでもあります。お互いが自己理解した熱源を抱えている人同士が、その熱源を開示し合うことで共創前の受容の段階へと進んでいきます。

自己理解した者同士が相互に自己開示することで「関係性の橋」がかかる
【受容と共創】関係性の二つの段階

そんな自律した創造性を持つ人たちが集まって共創するわけです。誰かの熱源は、また誰かの熱源と溶け合い、もっともっと面白くワクワクするものを生み出していく。その関係性や集団だからこそ生み出せる未来に、誰もが期待をかけていく状態です。

個人の内発的な想いをベースにする思考は「アート思考」とも同じような文脈です。ですが、アート思考を個人の持ち物だけで終わらせるのではなく、集団の中で複数のアート思考を混ぜ合わせることで生まれる価値だってあると信じているのです。爆発的な共創は、自律した創造性がぶつかり合い面白がり合うことから生まれるのかもしれません。

そして、創造的であり未来に期待する個人と集団が社会の中で増えていけば、必然的に集団同士の関わりから新たな共創が生まれ、社会全体に波及していくはずです。

この流れは決して「ステップ」というわけではないと思います。どれが先というワケではなく、すべてのプロセスを少しずつ追い求めていく。相互作用によって少しずつ成長していくものだとイメージしています。とは言え、おそらく最初は「個人」に対して実践していくことがスタートだとは感じています。

実際に「文化」と呼ばれるモノにまで広げていくためには個人と集団の「マインドとアクション」と「社会の取り組みや仕組み」の双方からアプローチする必要があるはずです。仕組みとはそれこそ国や自治体が取り組む「制度」のテーマにもなってくるでしょう。

ただ、制度に近づいていくためには個人と集団に向き合って、その積み重ねが可視化されなければなかなか動いていくモノにはならないと思います。なので、まずは「マインドとアクション」に働きかけることを出発点に位置づけます。



05.いまここから、何をはじめるか


さて、ここからは僕のできること、していくことについてです。

ずっとビジョンを少しずつ発酵させていくなかで「考え方」か「取り組み」かという問題が自分の中にありました。どっちもやっていけばいいんですけどね、でもどっちに軸足を置くのかというコトも、そろそろ必要だなと感じ始めていたのも事実です。

で、僕はまず「考え方」の方からアプローチしていくことにしました。「考え方」は抽象、「取り組み」は具体の世界ですが、ここまでの僕の積み重ねは圧倒的に「考え方」を中心にしており、その磨き上げにこれまで時間を費やしてきました。以前投稿した「図解」についても、その流れの一環なのです。

逆に「取り組み」はとてもステキな活動をされている方がたくさんいるんですよね。僕の目指すビジョンとも相性よさそうな活動をされている方も多いのです。ですが、それらの活動が社会の中でポツンと孤立しているような状態になっているのが勿体無いと感じているところです。だからこそ、「考え方」を広めていくことでそんな活動をつないでいくことができるのではとも感じているのです。


考え方をどんどん体系化していってます

先ほどの「自己理解」「他者理解」「集団共創」には、それぞれ考え方と方法論があります。

その考え方と方法論を「講座・セミナー」と「ワークショップ」を中心の活動として伝え、副次的に「動画コンテンツ」「従来どおりのSNSアウトプット」でも補完していくイメージで準備を進めています。

皆さんに案内できるのは12月の中旬ぐらいになると思います。「自己理解」「他者理解」「集団共創」のアプローチの考え方を知ること、ワークショップで体験すること、その活動をどんどん多くの人に届けていきます。


■第一弾として出来上がった自己理解をテーマにしたワークショップです。


そんな活動をたくさん実践することができれば、きっとビジョンに共感してくれる人とも出会えるはずだと信じています。共感してくれる人たちとたくさん出会っていきたい、そんな想いも「考え方を広める」アプローチを選んだ理由の一つです。

きっと、社会に広げていくことを考えるなら遠回りな道のりです。でも、遠回りな最短経路だとも感じています。どうしても今の社会では現実的な「取り組み」の価値にフォーカスが当たっているので、実を伴わないと見える「考え方」には注目されづらいかもしれません。だからこそ僕は、この段階でビジョンに共感いただける方を欲しています。一緒に歩んでいただける方を欲しています。

社会への浸透は15年後を一つのアンカーとして目指しました。コレ、個人的なことなのですが自分の子どもが社会に出るぐらいの年齢になっているタイミングなのです。子どもが世の中に出るときに、未来に期待できている社会であってほしい。いや、むしろそんな社会をみんなで作り上げるぞと、そう決めたのです。



06.一緒にビジョンを実現させませんか


イメージしてみてください。

誰もが未来に期待できている社会。
自分の熱源を認識し、それを表現できている社会。
創造性を抱き、アイデアを出すことを厭わない社会。
お互いを受け容れ、面白がり、可能性を信じる社会。
課題を認識しつつも、それをポジティブに解決させようとする社会。
みんなで未来に向けた道筋を辿ろうとする社会。

そんな社会を、僕は見たいのです。

何も誰かに強制することはありません。ただ、このビジョンに共感し、その実現を望む人とは一緒に対話したい、ともに歩んでいきたい。どこからでもコンタクトやつながってもらえると嬉しいです。

「ひとりひとりの創造性があふれ出し、みんなで未来をつくる共創社会」

そんな社会を、みんなと見たいのです。


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