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アーティストインレジデンス【宮城県 遠刈田マルヨシ】

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アーティスト・イン・レジデンスで訪れた宮城県遠刈田マルヨシでの思い出やリサーチ内容、考察などを書きます。
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誰にも知られていない置屋の廃墟

誰にも知られていない置屋の廃墟

皆さんは宮城県蔵王町にある遠刈田という町はご存知だろうか。ここは温泉街として有名で、御釜などに行く観光客や登山客などが休日は温泉に入りに来る。
今ではずいぶん寂しくなった町並みだが、ほんの数十年前まではデートで来るといえば遠刈田と言われた場所らしい。
さて、実はこの遠刈田には誰にも知られていないが置屋の廃墟がある。
なぜ誰にも知られていないのかというと、表通りからは全く見えないからだ。とある建物の

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宮城県遠刈田の遊女は巫女由来だったのだろうか?

宮城県遠刈田の遊女は巫女由来だったのだろうか?

私が現在もリサーチをしているテーマに宮城県遠刈田町にいた遊女達はもともとは巫女だったのではないか?がある。
ちょっとこれは前提をお話しなければならないかもしれない。

私は昨年遠刈田マルヨシのアーティスト・イン・レジデンスに参加した。
そこでテーマにしたのが町に残された記憶だった。
このときに制作した写真作品は今年中に発表する予定なので、また機会があれば告知しようと思う。

さて、あまり知られてい

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遠刈田のこけしと花魁の関係性。そこに大人の恋愛ドラマがあったのではないか。

遠刈田のこけしと花魁の関係性。そこに大人の恋愛ドラマがあったのではないか。

宮城県遠刈田はこけしで有名な場所だ。
東北には様々なデザインのこけしがあれど、遠刈田のこけしは遊女をモデルにしていると考えられる。
遠刈田の遊女に関しては別記事で確認してもらいたい。

宮城県遠刈田のこけしは花魁をモデルにしている。
私がアーティスト・イン・レジデンスで遠刈田マルヨシを訪れリサーチをした際、上記のエピソードを知ってある漫画を思い出した。
それは藤子・F・不二雄先生の「山寺グラフィテ

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蔵王山は縄文・弥生時代の巫女たちにとってどのような存在だったのか?【考察】

蔵王山は縄文・弥生時代の巫女たちにとってどのような存在だったのか?【考察】

さて、私が昨年アーティスト・イン・レジデンスで訪れた宮城県遠刈田。私はそこで置屋跡を見つけたことから遊女の歴史に興味を持ち、遊女=巫女という仮説を立てて蔵王山にまつわる歴史をリサーチしていった。

遠刈田に遊女がいたことはこけし、置屋跡、町史、町の住民の証言から確定している。
遊女のルーツを辿ると平安期の白拍子(遊女(あそびめ))に関係すると思われ、さらにそれを辿るとシャーマンに行き着くと考えられ

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