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全社でTwitterに取り組んだら、会社にとって良い影響が3つもあった話

株式会社ベーシック執行役員の角田(@takeshisumida_)です。
私は現在コーポレート部門の管掌役員として、経営企画、人事、広報、経理、財務、法務、総務など、バックオフィス周りの機能全般に幅広く関わっています。

前回の初めてのnoteでは、私がベーシックで「経営企画」を立ち上げた話を紹介させていただきました。

そのnoteから早7ヶ月、かなり間が空いてしまったので、いっそのこと、経営企画とはまったく毛色の違う切り口で2本目のnoteを書いてみたいと思います。

という訳で、今回のテーマは「Twitter」です。ベーシックにおいて、全社でTwitterに取り組んだ結果会社に何が起きたのか、推進責任者として関わってきた立場からその内幕をご紹介していきます。
経営者、人事、広報などの立場にあり、Twitterでの情報発信に興味を持っている方にとって、少しでも参考になれば幸いです。


ビジネスにおけるTwitterの広がり

みなさんは日頃Twitterは使われていますでしょうか?
Twitter自体の詳細な説明はここでは省きますが、これまでと比べて、昨今Twitterの「ビジネス」での活用が急速に増えてきていることを感じている方も多いのではないでしょうか。

ここでいうビジネスでの活用とは、いわゆる企業公式アカウントの運営という意味ではなく、実名や顔出しで、所属している会社を公言した上で、仕事に関する発信をする人が広がってきていることを指しています。

この動きは個人に留まらず、全社で組織的にTwitterでの発信に取り組んでいる会社もいくつか出始めています。(例:テテマーチ社)

かくいうベーシックも、2019年4月頃から本格的にTwitterでの情報発信を行い始めており、ありがたいことに、今では全社的にTwitterに取り組んでいる企業の一つとして一定認知されています。

そのように全社でTwitterに取り組む際のノウハウ自体については、先立って素晴らしいnoteが他の方からいくつか出ていますのでそちらにお譲りするとして(例:ナイル社)、今回は「企業がTwitterに取り組む意義」について、ベーシックでの活動を事例としながら、少し掘り下げていきたいと思います。

全社でTwitterに取り組む意義とは

いきなり結論となりますが、少なくともベーシックにおいては、全社的にTwitterに取り組んだことは、ビジネス上大きく意義がありました。
まだ世間的には事例は少ないのかもしれませんが、ベーシックにおける事例から、意義を以下の「3つ」に分類してみました。

①認知拡大
1つめの意義が「認知」です。Twitterという面が増えたことにより、検討サービスとして第一想起してもらえる頻度が格段に増えました。

特に提供しているサービスの一つである「formrun」は、Twitterとの相性が抜群な?プロダクトオーナー(@Kai_MSYK)のその強い個性も奏功して、Twitterがメイン経路と言っても過言ではないくらいTwitterからサービスが拡散しています。おかげさまで2019年12月にて3周年を迎えたのですが、前年比で2.6倍という急成長を短期間で遂げています。

またBtoBマーケティングのためのSaaSである「ferret One」についても、Twitter上での活動の広がりに呼応するように、いわゆる検索エンジン上での指名検索が右肩上がりに増えていっています。(これは他にも色々頑張っているのでたまたま説はありますが 笑)

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②広報強化
2つめの意義が「広報」です。今まで接点のなかったメディアや企業から、Twitter経由での登壇・取材依頼を受けることが急増しました。これはこれまでの広報活動の延長の中では発生し得なかったことだと考えています。

実際登壇回数においては、2018年から2019年にかけて5倍以上に増えており、優秀ながらこれまで外部的には知られていなかった多くの社員に、Twitterを通じてスポットライトが当たる形となりました。


③採用支援
3つめの意義が「採用」です。実はこれが3つの意義の中でも現状最も大きかったと考えています。
元々ベーシックが抱えていた採用における問題点は2つありました。1つは採用における会社知名度が低くそもそもの母集団形成に苦労していたこと、もう1つはそのような中での採用により、当初の期待やカルチャーとのミスマッチが結果的に起こり、入社した社員が定着しない場合も多かったことです。

全社的にTwitterに取り組むことで、これまでと比べて露出が圧倒的に増加することで会社知名度が上がるのはもちろん、通常の採用サイトやメディアを通じただけでは見えない、よりリアルな各社員の考え方や会社としての風土が候補者にダイレクトに伝わり、入社後のミスマッチが起きることが目に見えて減りました

なお、まさに採用広報的な文脈にはなりますが、特にこの採用という観点においては、noteをツイートにおけるコンテンツの軸とすることで、より相乗効果が生まれます。(ベーシックがこれまで公開したnoteについては以下noteマガジンをご覧ください)


この、①サービス認知、②広報、③採用、という3つの中でも、特に、意義が大きかった考えている「採用」の部分につきまして、次のパートでもう少し深掘っていきたいと思います。

Twitterが採用に与える影響とは

・リファラル採用が激増した
上述のような背景から、これまでのベーシックの採用はいわゆる転職エージェントに大きく依存していました。知名度が低いことによりダイレクトでの応募は少ないのはもちろん、いわゆるリファラル採用として友人・知人に声を掛けたとしてもどうしても求心力が弱かったためです。

この状況が2019年に大きく変わりました。具体的には、2018年は採用人員の約6割を占めていたエージェント経由の割合が、2019年には2割台にまで激減しています。

この代わりに大きく割合が増加したのがリファラル採用です。リファラル採用自体2019年にプロジェクト化して本腰を入れて取り組んでいる為、増加は複合要因ではあるのですが、Twitterでの会社知名度の向上が、これまでと比べて明らかに候補者からの惹きを強くしているのは確かです。
現在ではベーシックにおける採用人員の三分の一は、リファラル経由で占められています。
(リファラル採用の取り組みの詳細については以下noteにもまとめていますので、よろしければ合わせてご覧ください)

・Twitter自体が新たな採用ルートになった
SNSでの繋がりを活かしているため、こちらも大きな括りではリファラルと言えるのかもしれませんが、Twitter自体が新たな採用ルートになりました。
bosyuを活用したTwitter上でのダイレクトな応募の呼びかけも、そのような活動の一つです。

また、「Twitter転職」という言葉自体も少しずつ定着し始めているように、候補者自身が、Twitter上で転職活動をしていることを公言する流れができてきています。
このような流れを受け、特定のTwitterのアカウントに対して、直接声を掛けさせていただく機会も増えました。これは知名度とは違う話ですが、同様にTwitterに対して本腰を入れて取り組んでいなければ起き得なかったアクションです。

・社員が出戻ってきた
Twitterの活動を本格化後、過去に退職した複数の社員が、出戻り社員として再び入社しています。これも種々の組織改革ともセットなので多少結果論的なところはあるのですが、事実ベースとして、これらの社員が口を揃えて言う戻ってきた大きな理由が、当時と比べて会社がよくなっていることをTwitterを通じて肌で感じられたからということです。

前述「カルチャーマッチ」という意味で言うと、出戻り社員ほど確かなものはありません。(もちろん辞めた理由にもよりますが)
また、これは持論ですが、出戻り社員が増えるということは、確実に会社が良くなっているということを表すバロメーターのようなものだと思っています

会社知名度の向上の為はもちろん、かつての仲間に対するメッセージとしてもTwitterは有用であり、これからも出戻りたいと言ってくれる人が増えることを願っています。

全社でTwitterに取り組む際のコツ

前段で、ノウハウネタは他のnoteに任せると言いつつ、全社でTwitterで取り組む上でのコツのようなものを3つだけ記します。

・統一ルールを決める
せっかく全社で取り組むのであれば、「あの会社よく見る」という状態をいかに作れるかを意識すべきです。
王道はアイコンに統一感を出すことでしょう。ベーシックでも、アイコンの背景を会社にある青い壁で極力統一するようにしています。あくまで任意で強制ではないですが、より促進をするために、社内報を通じて盛り上がりを作ったり、プロジェクトチームが随時撮影のサポートを行なったりしています。

アイコン以外でも、会社名を必ず入れるようにしたり、名前の後の@の表記を揃えたりすることが挙げられます。

・強制しない
ベーシックにおいては、実はTwitter運用における絶対的なルールはほとんど存在しません。少しこれまでの話と矛盾に感じるかもしれませんが、そもそもTwitterをすること自体も強制はしていません。あくまで全社に呼びかけ、その意義を伝えた上で、仕事の観点でTwitterをするかしないかは各自に任せています。ツイート内容についても、会社として具体的な指示を行うことはしていません。

もちろんプレスリリースやメディアへの掲載などの全社的なニュースについては都度共有し、ツイートを呼びかけること自体は行いますが、そのツイートの仕方については完全に個人任せにしています。

これは、義務になればなるほど運用することに疲れてくる可能性がありますし、なにより指示もしくは制限された個性のないツイートは、見る人にとってつまらないと思っているからです。
あくまで個人として楽しんでやってもらうことが、運用を継続していく上で重要だと考えています。

・成果を適切な場で共有する
Twitterに限らず、このような全社的な取り組みで往往にしてありがちなのが、呼びかけっぱなしになり、いつのまにか成果もよく分からないまま形骸化するということです。

ベーシックでは四半期に一度「全体会」と呼ばれる全社員が集まるイベントを行なっており、ここで各部からの方針発表を行うのですが、この場を利用して、上位メンバーのフォロワー数の推移や、Twitter上で起きたポジティブな反応、実際会社にとって成果が出た事象などを、定期的に社員に状況を共有しています。

かの有名な?「Twitter将軍制度」も、この全体会での発表の中で生まれています。厳密には、Twitterでそれぞれが高みを目指していくことを、キングダムになぞらえて社員に呼びかけるような内容だったのですが、凄腕マーケター(@Kawamura_KZK)の手に掛かり、いつのまにか対外的にも制度として確立されていたのですが。笑

全社でTwitterに取り組む際の注意点

さて、ここまで読んでいただいたみなさんに、若干元も子も無いことを最後にお伝えしてしまうのですが、「全ての会社においてTwitterの運用が効果的であるとは必ずしも言い切れない」と思っています。少なくとも企業規模は相関性があると思います。ようは、大きい会社であればあるほど会社に与える影響度は低いでしょう。

ベーシックの場合も、100人ちょっとの会社規模だからこそ、Twitterが追加で与える露出の効果が大きい訳で、これが私もかつて在籍していたような数万人規模の大企業であれば、そもそも持っている知名度の大きさや通常の広報での露出の多さで、社員個々のTwitterが与える影響は極めて限られている気がします。
むしろその場合は、社員の意思が統一し切れないことによる外部向けメッセージの不整合や、最悪の場合いわゆる炎上でマイナスの影響を与えるリスクもはらんでいるかもしれません。

もちろん企業規模に関わらず、炎上リスクというものはTwitterにおいては常につきまとっていますが、ベーシックでの事例も踏まえ、特に小〜中規模の会社の場合は、Twitterで得られる前述のメリットが、そのような炎上リスクのデメリットを大きく上回ると考えます。
またそのような炎上の事態に陥らないようにするためにも、たかがTwitterと思わず、全社でやるならやるで、「経営判断」としてしっかりと目的や運用の足並みを揃えつつ、同時に社員が楽しんで継続できる仕組み作りを行うことが大事だと思っています。

(※2021年3月追記)
より簡単に内容をご覧いただけるように、スライド版を作成しましたので、よろしければこちらも合わせてご覧ください。


結びとして、そんなベーシックメンバーのTwitterアカウントをご紹介して、今回のnoteを終えたいと思います。

これからも、コーポレート組織にまつわることを中心に、noteやTwitterで発信していきたいと思いますので、それぞれフォローしてもらえるととても嬉しいです。

Twitter:https://twitter.com/takeshisumida_
note:https://note.com/takeshisumida_

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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