かわらまりお

ダサい話をnoteに書くことで供養したいのです

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俺たちが間違ってんのか、社会が間違ってんのか、はっきりさせよう

先輩が会社を辞めた。1年で。 ーーーーーーーーーーー 先輩との話 先輩とは大学時代の部活の1個上の先輩のことで、本当に本当に大好きな先輩だった。家が近かったためよく家に上がりこんだ。どうしても全裸監督が見たくて、毎週ネットフリックス乞食をするために家に通った。一人で徹夜して早朝の焼きたてのパンを買いに行き、寝ている先輩をむりやり起こして一緒に食べた。先輩には彼氏がいたから、のろけ話も彼氏に対する愚痴もたくさん聞いた。だけど一緒に野毛のストリップショーを見に行ったこともあ

    • 【質問】新卒2年目で香川転勤は出世街道まっしぐらですか?

      「GW明けから四国ね、これ決定事項だから」とマネージャーが言い放ち、なんだか満足気な表情で会議室を出ていった。11:00~12:00の1時間尺で借りた会議室Bは5秒でその役目を終えた。 今日は年度明けの4月3日。残り一ヶ月で転勤? あふれ出る疑問と怒り。ぶつけようと思った所でマネージャーはとっくに退室済み。 社会的ヤリ逃げをくらった俺は、一ヶ月後の香川転勤が決定した。 余談だが、今年の2月に入部した社会人アメフト部の退部も同時に決定した。「チームを勝利に導きます!」と

      • ポンコツ新卒のとある一日

        初めて有給申請をした。 来週木曜の午後、13時から18時の範囲をカーソルで指定し、ドキドキしながら申請のボタンをクリック。少ししてOutlookに有給許可のメールが届いて、あっけなく有給童貞を捨てた。 有給の理由の欄には「家庭の都合」と記入した。 上司から理由を聞かれたら「母が東京に観光に来るからです」とでも嘘をつくつもりで、上手くいけば ”家族想いの好青年” という評価も得られるかもしれないとほくそ笑む。 ちなみに本当の理由は女の子とデートするから。 女の子が火曜日し

        • 左手にプール

          彼女は最終的に1時間ほど遅刻してきた。 さほどイラつかなかったのは、「まあ出会い系なんてこんなものか」という諦めに似た感情があったんだと思う。待っていたその間、待ち合わせ場所と予約したお店を何度も何度も往復して時間を潰した。スマホのマップを見ながらお店に行くのは嫌だった。スマートだと思われたかったから。 「○○さんですか?」 振り返る。ポニーテール。ダボッとしたTシャツ。黒いスカート。写真より少し可愛くない。これから行く客単価5000円のイタリアンは正直勿体ないと思った

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          アメフト部にイタリア人が入部してきた話

          春それは新歓の季節。「人を入れないとヤバい」という上からのお達しを受け、当時アメフト部の新歓リーダーだった僕は日々忙しなく動いていた。 彼に気付いたのはイベントの最中だった。グラウンドの外からじっと僕たちをじっと見つめる、金髪ロングの外国人。留学生だろうか。「アメフトが珍しいだけだろう」と特に気をとめることなく、僕はイベントをこなした。 次の日も彼は来ていた。彼の表情からなんとなくやりたそうな雰囲気を感じ取った僕は、とりあえずキャッチボールをしようと彼にジェスチャーで促す

          アメフト部にイタリア人が入部してきた話

          東京のあなたへ

          なんとも大層なタイトルをつけたものの、書こうとしてるのは別に大したことじゃない。東京に住むあなたのことを、道端を歩いている時や、勉強の息抜きでスマホを見たり、車を運転してる最中に、ふと思い出す瞬間が増えてきた。 これを書いている今は14時を5分ほど過ぎて、さっき食べたおにぎりが消化され、少し眠いと感じている。眠気覚ましに外へ出れば、この灰色の街と対比した、どこまでも澄み渡った青空が頭上に広がる。君がいる東京も今日は一日中晴れるらしい。 窓辺から燦燦とふりそそぐ陽の光に照ら

          東京のあなたへ

          親父とミニバン、時々セダン。

          街中で、ふと目に入ってくる車。トヨタのエスティマという大型のミニバン。俺が産まれたときから親父はこのミニバンに乗っていた。 教師として生徒を県外への遠征に引率することが多かった親父は、生徒がたくさん入るミニバンサイズが丁度良かったんだろう。 俺の成長と共に、親父は初代のエスティマ、そしてハイブリットのエスティマの二台に乗り継いだ。実際は俺が産まれるより前から乗ってるから、もう同じ車種に乗り続けて30年以上になると思う。 親父がエスティマを運転する姿を、そして運転する大き

          親父とミニバン、時々セダン。

          うちのルームメイト・ニートの話

          「ニートとシェアハウスしています」 そう自己紹介すると、相手はたいてい小馬鹿にしたように笑う。 目の前のおばちゃんは、それに加えて眉をひそめ、「ニートって…ちょっとアレねぇ」と苦々しく言った。初手の挨拶にしては最悪の反応だった。 それでも僕はそんな反応は慣れっこだから、ニートと一緒に住むと結構いいことあるんですよと弁明する。 「ずっと家にいるんで、いつ帰っても『おかえり』って必ず言ってくれますね。あと朝早い時なんかは、事前に言っておけば起こしてくれたりします」 おば

          うちのルームメイト・ニートの話

          しょうもない嘘をつく女

          高校時代、好きな人がいた。 どういった経緯で連絡先を入手したのかは覚えてないが、毎晩LINEをしていた。 毎晩と言っても、彼女は夜の9時には返信が来なくなった。不思議に思って彼女の友達にそれとなく確認すると、「○○はおばあちゃんだから」と言われた。彼女は早寝早起きらしい。 「こんなことがあってさ」 後日その話を周囲の友人に話した。すると、その中の一人、サッカー部でボランチをしてる男が、「俺その子と深夜までLINEしてるけどなあ」と言い放った。 「残念だ」とか「悔しいな」

          しょうもない嘘をつく女

          【一部屋だいたい】人生負け組シェアハウス【4.5畳】

          僕は今とあるシェアハウスに住んでいる。そのシェアハウスは横浜市の外れも外れにあり、緑の生い茂った豊かな森の中に存在している。僕は横浜市と偽ることで値段を吊り上げようとしてるのではないかと疑っている。このシェアハウスは一見すると二階建ての普通の一軒家である。しかし驚くべきことに、玄関を開ければ所せましと小部屋が乱立している。その数なんと16。建築基準法の何らかに抵触してると疑っている。 風呂はない。クソほど狭いシャワー室、常に小便臭いトイレ、カウンターキッチンとは名ばかりの小

          【一部屋だいたい】人生負け組シェアハウス【4.5畳】

          カメレオン・ガール

          土偶に似てるな、とも思った。 よく世界史の資料集とかに載ってる、豊穣を願って作られたあの土偶。 「何それ?」彼女は少し怒ったような声を出した。口から漏れ出ていたようだ。彼女はぷんぷんしながら風呂場に向かって行った。 「でもあれ”縄文のビーナス”って名前らしいよ」 彼女の丸々としたお尻を追いかけながら、そうフォローすべきか迷う。困って一物に思わず目を向けると、彼は所在なくうなだれていた。さっきまでの威勢はどこに行ってしまったのだろうか。 彼女とは今年の一月末ごろにタップ

          カメレオン・ガール

          生きる意味とは何か

          中学生の時に個人経営の塾に通っていた。そこの塾は学校の教室を一回り小さくしたような広さで、男女合わせてだいたい20人弱が通っていた。先生が1人しかいないため、よくある新学会みたいに学力別にクラスが分けられることもなく、進学校を目指す奴もいれば工業高校を目指す奴もいた。 地域の個人塾なんてほとんどが同じ中学校の生徒だし、また仲のいいやつらばかりが通っていたから、塾がある日は学校も合わせてほぼ一日中一緒にいたことになる。でも夜遅い時間に会うのも新鮮みがあって、第二のクラスという

          生きる意味とは何か

          【ノンフィクション】知り合いがマルチに引っかかっちゃってさ

          *予想以上に話が長く、また結論から言うと後味が悪いです。でも圧倒的に事実なので、田舎にもマルチって流行ってんだなーみたいな視点で見てくれると幸いです。 知り合いって言っても、まあ詳しくは姉の友達なんだけどさ。その人は小中と姉と一緒の学校で、時には同じクラスにもなったりして、弟から見ても仲は良かったように思う。何度か姉と話してるのを見た感じ、優しい人だなって思ったよ。 数年前、成人式に参加した姉との会話の中にその子が出てきた。ビックリするほど可愛くなっていたらしい。写真を見

          【ノンフィクション】知り合いがマルチに引っかかっちゃってさ

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          5時をおすそわけ

          5時をおすそわけ

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          ボクにとってオリンピックは

          ボクにとってオリンピックは、5年前のリオのオリンピックになる。リオ以前の五輪の記憶はきれいさっぱりないから、今回のオリンピックで実質人生で二回目だ。 5年前、高校三年生だったボクは、オリンピックの開催されている時はまだギリギリ部活をしていたように思う。高3の夏なんか、もうめちゃめちゃに受験勉強の時期だ。でもおそらく”最後の夏”という言葉と”大学受験”という言葉のせめぎ合いの中で、”最後の夏”に軍配が上がっていた。 「だって大学はいつでもいけるけど、17才の夏は二度とこない

          ボクにとってオリンピックは

          現実はそう甘くないから、        ハッピーエンドが嫌いだ。

          「いつかはきっと遊べるようになるから、きっとお前ん家行くからさ」 「宣言が明けたら、絶対に飲みに行こうな」 「今の時期頑張ってお金貯めてさ、台湾なんか行ってみようぜ」 笑顔のスタンプと添えて、何度そう締めくくったことか。 「”いつか”は来ないから”いつか”なんだ」って変な声した人も言ってたし。 未来に期待するの、俺もう疲れちゃったよ。 *** 昨年の二月、コロナ真っただ中でアメフト部の主将に就任したんだけどさ。 主将になるにあたって、チェスター・バーナードの『組織

          現実はそう甘くないから、        ハッピーエンドが嫌いだ。