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【いとへんの旅】秋田・西馬音内盆踊りの端縫い衣装を着てみたら
日本各地の布や服をめぐる「いとへんの旅」
「いとへんの旅」は、ウェディングドレスの仕立てとリメイクの仕事をしているわたしが、誰から依頼されたわけでもなく、どこかに論文を発表するわけでもなく、ただ好きでひとりで勝手にやっている「研究の旅」です。(もちろん自腹です)
今回は秋田・羽後町の西馬音内という地域の盆踊りの衣装をめぐる旅をしてきました。
そして着てきました。
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だって、服は着てみないと理解できないですしね。ウェディングドレスの仕事をはじめるときだって、まずはじぶんで着てみることからはじめました。ほとんどそのために結婚したようなものですから。(それでいいのか)
今回の記事では、わたしが端縫い衣装を知ったきっかけと、西馬音内盆踊りとは、端縫い衣装とは、端縫い衣装の条件、じっさいに着てみて感じたことなどをお伝えしたいと思います。
西馬音内盆踊りとは
端縫い衣装の前にまず、西馬音内(にしもない)盆踊りについて。秋田県羽後町の西馬音内盆踊りは昨年末(2022年末)に、ユネスコの無形文化遺産に登録されました。このトップページの画像がそうです。
西馬音内盆踊りは鮮やかな端縫い衣装をまとい、編み笠を被って踊るのが特徴です。顔を隠して踊ることから亡者踊りの意味合いがあるそうです。盆踊りなので、ご先祖様の精霊が踊りの輪に加わっていてもいいように顔を隠しているのだとか。
西馬音内の盆踊り衣装には、藍染の衣装と彦三頭巾もありますが、今回の記事では端縫い衣装についてご紹介します。
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端縫い衣装とは
端縫い(はぬい)衣装とは、秋田・西馬音内盆踊りで着用される踊り衣装のことです。
「西馬音内の盆踊」を特徴づけている踊り衣装は、数種の絹織物で構成された「端縫い(はぬい)衣装である。昔からその家に伝わる裂を大切に縫い合わせた踊り衣装として各家で継承され、その色彩的な豪華さから近年特に注目されている。
端縫いは「はぬい」と読みます。一般的に「端縫い」というと、生地の端の処理や端始末のことを想像してしまいますが、ここではそうではありません。
「端切れ」を「縫い」あわせた「接ぎ衣装」のことが、この地域では「端縫い(はぬい)衣装」と呼ばれているようです。たしかに端縫い衣装は、細い生地をパッチワークのように縫いつないで作られているように見えます。
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絹生地が貴重だった昔、人びとはわずかな端切れも無駄にせず、工夫を凝らして組み合わせ、盆踊りの衣装に仕立てていました。現在は必ずしも「端切れ」をつなぎ合わせているわけではないようですが、生地の繋ぎ方や配色には「ある一定のルール」があるようです。この記事ではその「端縫い衣装の条件」もお伝えしたいと思います。
さてその前に、神戸に住むわたしがなぜ、遠い東北の盆踊りの衣装のことを知り、その衣装をめぐる旅をするようになったのかをお話ししたいと思います。きっかけは、2年前にさかのぼります。
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