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”コメント力の高い人”に共通する3つのポイント - 「視点」「視野」「視座」 -

エピソード

発表者「以上、xx社への提案プランです。アドバイスをお願いします

ビジネスにおいて、プレゼンや活動プランの発表を受け、それに対するコメントやアドバイス・質問が行われる際、端的に本質を突く人と、そうでない人がいる。その差は何か、なぜそのような差が出るのか?観察して見えてきたポイントは「視点」「視野」「視座」にあった。

そもそも”よいコメント”とは?

ここでいうよいコメントとは「コメントを受けた人に新たな気づきがあり、納得感も高く、すぐに次のアクションにつながるもの」としている。コメントを受けた人が「あ、確かにそうですね、すぐに実施してみます」となるようなものだと思う。具体的には以下のようなポイントがある。

  • 端的でわかりやすい/具体的
    - だらだら話さない、本当に大事なことに絞られている

  • 目標から逆算して語られている
    - 枝葉末節のことではなく、目標から見て大事なこと、大局的に実践したほうがよいこと、にフォーカスされている

  • 相手のレベルに合わせている
    - ベテランと新人では現在地も経験値も違う、相手の目線に合わせて、コーチング/ティーチングが使い分けられている

”よいコメント”に共通する3つのポイント
「視点」「視野」「視座」

よいコメントの共通点は、
”本人が気づけていない「視点」「視野」「視座」”から
アドバイスが行われていることにあると思う。

視点:どの部分を見るか(鋭さ)

まず発表の中の”どの部分に対して”アドバイスをするか。そのためには、”全体”を構造的に理解する必要がある。”全体”が見えているから、不足している”部分”に気づける。必要となるスキルは、ロジカルシンキングやフレームワーク。

コメントの例:
「○○部門でこの課題があるということは、△△部門においても課題が発生しているのでは?」
「Aの課題を解消することで、Bの費用を捻出できるのでは?」

視野:どの範囲を見るか(広さ)

これは、時間軸や空間軸などをどれくらい広げて見るか。発表されている内容に対して、時間軸や空間(同業他社・エリア・国など)を変えた場合にどうなるか、ということを考える。必要となるスキルは、ラテラルシンキングや想像力。

コメントの例:
「この課題を放置したときに、3年後にはどれくらいの損失が出ると想定されますか?」
「同業他社と比べると、この企業は利益率に課題があるのでは?」

視座:どこから見るか(高さ)

これは、立場・役職などを変えて見ること。経営層、株主、顧客、など立場や役職によって課題は異なるので、発表者が気づいていない立場から考える。ある程度経験が必要になる。

コメントの例:
「担当者は押さえられていると思いますが、決裁者である社長のフォロー状況はどうですか?」
「この企業は本年度に入って減収減益、トップの意向で投資が一律凍結されていたのでは?」

補足:「視点」「視野」「視座」のイメージ

出所:三菱総合研究所

そんなことを考えていたら、以前読んだ『コンサルタントの「ひと言」力』(野口 吉昭著)という本に以下の興味深いことが書かれていたことを思い出した。

多面的にものごとを見るための一言
「高く!」「広く!」「深く!」
コンサルティングの意義の一つに、「違う視点を提供すること」というのがある。私は常に、人と話しながらも先述した「幽体離脱」によって、自身の視点の位置を確認するようにしている。その際に意識している言葉がこの「高く」「広く」「深く」である。
「試しに、ちょっと高い視点から見てみませんか?」
といったように単独で使うこともあれば、
「もっと物事を高く、広く、深く考えてみましょうよ」
と、すべて一緒に使ってしまうこともある。
「高さ」とは、今の立ち位置よりも文字どおり、より高い視点から見ることである。例えば、日本の国内ではジリ貧でも、海外マーケットへの進出は十分に可能な産業というものは多い。そんな時、
「みなさんの中には『うちの業界はこういうものだ』という思い込みがあるようですが、それは国内市場だけに通用するローカルルールにすぎません。もっと視点を高く持ちましょうよ!」
とやるわけだ。
次に、「広さ」とは、業界、業種、部門などの慣習や固定観念、先入観にとらわれない広い視野を持つことである。クライアントがよく口にするのが、「うちの業界は特殊なんです」という言葉だ。そしてとうとうと「どんなに特殊な業界・会社であるか」についての説明が続く。でもそれは、ほとんどのケースで「特殊」には聞こえないのだ。
そして「深さ」とは、自分たちの考えや座標を深く探っていくことである。

つまり、クライアントが「井の中の蛙大海を知らず」状態になっているときに、「もっと高い視点、広い視野、深い視座を持ちましょうよ」と語りかけるわけだ。

コンサルタントの「ひと言」力 (PHPビジネス新書)
野口 吉昭 著

参考になった書籍

まとめ

  • よいコメントの特徴は、”コメントを受けた人に新たな気づきがあり、納得感も高く、すぐに次のアクションにつながるもの”

  • そのようなコメントを行う際に意識するポイントは、「視点」「視野」「視座」の3つ

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