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大学視察(1)iU 情報経営イノベーション専門職大学

iUの学び

「世界を変える、問いを持て」を掲げる2020年開校の専門職大学。「ICT×ビジネス×グローバル」の3領域を学ぶ。学びの特徴は①企業連携&教育連携、②起業チャレンジ(卒業までに6回)、③インターンシップ(640時間)というかなり実践的な内容となっている。VUCA時代に求められるいわゆる21世紀型スキルの取得に加え、チャレンジングなカリキュラムにより生徒のアントレプレナーシップが高まっていくことが期待できる。

既存の大学からの脱却を感じさせるiU

iUの生徒たち

iUの生徒たちは多種多様である。偏差値的な幅も広い(それがまたいいのだと思う。)生徒2人と話をさせていただく機会があり、いろいろ質問をさせていただいたが、彼らに共通していたのは型にハマらない考え方である。進学校を卒業し、浪人を経てiUに来たAさんは、考え方の大きな変化を経験している。また大手通信制高校を卒業したBくんは、同じように浪人をした後、iUを進学先として選んだ。偏差値教育の枠の中では絶対にできない選択、安直に大学を選んでいる生徒たちとは違うように感じた。彼ら2人にあるのは、高いチャレンジ思考と起業家マインド、リスクを背負うこと、安定思考とはかけ離れているということ。2人の学生から非常に大きな刺激をいただいた。

この椅子が欲しいと心から思いました。

iUの雰囲気

まず生徒と大学事務の距離感に驚いた。私の記憶の中で、大学の教職員と会話をした記憶はほぼない。あったとしたら何かやらかした時である。規模的にも大きくないため、程よい距離感を感じた。学生たちの学びに対する姿勢は非常に高く、ラウンジスペース等では自主的にグループワークを行い、プロジェクトについて真剣に対話している姿が見られた。大学生というよりは、ベンチャー企業で事業についてミーティングをしているような光景である。また、質問に対する受け答えの感じの良さ、自分の考えを言葉としてわかりやすく伝える力の高さを感じた。

よくあるラウンジスペースだが、学生たちのミーティングの質は高い

これからの大学での学びとは

大学とはどういう場所であるべきかを、改めて捉え直すことが必要であると感じる。私が大学生の頃(2005~2009)は、偏差値の高い大学にいかに進学し、年収の高く福利厚生も充実した企業に入ることがゴールであった(私に至っては有名大学に入ることが勉強のゴール。)大学に入って何を学ぶか、どう学ぶか、誰と学ぶか、どこで学ぶか、どれを選択するか、そして卒業後は社会に対してどのように貢献していくのか、どのようにして社会を良くしたいのかを、自分の頭で具体的にはっきりとイメージすると同時に、それを言語化できていることが求められます。それがない人は大学に行くべきじゃないと思います、はっきり言って。シンプルに時間とお金と労力の掛け方が間違ってしまっていると思います。
海外には「ギャップイヤー」というものがあります。これは、高校卒業後にまずは学校から社会へと飛び出て、就職したり、ボランティアしたり、海外研修をしたり、社会と世界を理解する機会があります。(もちろん進学を選ぶ人もたくさんいますが。)ダイレクトに進学を選ぶのではなく、いったん社会に出ていくことで、自己理解を深め、自分がやりたいこと、これから社会のためにやるべきことは何かを言語化できるようになるためでもあります。日本は先進国の中でも異常なほどに高校卒業後の大学や専門学校への現役進学率が高い。なぜ?同調圧力?浪人したとしても、その浪人にどこまで自己理解がある?今一度、大学での学びを捉え直すことが必要かもしれません。

ここから逆算した場合、高校生活はどうすべき?

社会との接続、企業と連携した学びが必要なのはいうまでもないことですが、それはあくまで手段の一つ。高校での学びに必要なのは、①基礎学力、②自立した学びの習慣、③チャレンジ思考、④学びへの意欲だと思います。まずはここからだと思いますし、これらを身につけるのは簡単ではありません。大人ですら難しいことばかり。基礎学力も目に見える学力と、目に見えないない学力もある。捉えようのないものですが、僕らは2つの学力を両方とも大切にしていかなくてはならないのだと思います。目には見えない、自分の中にある柔らかいクリーム状のような学力も大事なんです。難しいことばかりやろうとしないこと。内側を大切にすること。野球もそうですが、インサイドアウトの考え方は大事なんです。学力を伸ばしたければ、外からの知識の詰め込みよりも、内側から伸ばすことこそが大事。
ならば高校生活はどうあるべきなんでしょう?答えのない問いですね!

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