「残念なPR」途中経過
残念な広報を作る要素、として、3回の連載を終えた。
◆意外だったSNS規定
Part1:https://note.mu/takafumitanaka/n/nb19ffa095f82
Part2:https://note.mu/takafumitanaka/n/nc09ace185b12
◆状況把握に見る力量差
https://note.mu/takafumitanaka/n/na810f54504d8
◆ビジョンをあとまわしにする共通さ
https://note.mu/takafumitanaka/n/n9396543d2ba5
これらは重なって、同時進行で起こっているインシデントで、コミュニケーションの不具合によるもの。そして事業のあり方を下流から見すぎたために起こった視点のズレによるもの。組織のそもそもの成り立ちを無視し、目先の顧客の要望に盲目的に答えすぎていると、よく起こることです。
パブリックリレーションズの仕事は、メディアにプレスリリースを発表し、取材対応するもの、と思っている残念な人がほとんどですが、本来はコミュニケーションを戦略的ものに変容させていく責任者である点で、社内に流通しているコミュニケーションにも目を配り、改善の手を打つ指導者であることです(その自覚がない人はここでは「広報」と呼んでいます)。
この3回の記事で上げたことは「それって人事のことだよね」「それって総務マターだよね」と言いたくなる人多数のはずですが、これらの現象を「情報の流れ」であり、「情報は資産である」という認識で経営者目線で見てみると、その主担当はやっぱりパブリックリレーションズ担当者になります。
でないと、安心して情報発表ができません。
法令順守をうたうサービスを標榜しながら、社内は税金の未払いや就業規則を整備していない会社だったらどうするの?政府系組織とタイアップしても、法令順守があやしかったら、それが露見したときにその関係は(そのプロジェクトは)どうなるのか?「そのあたりは隠して発信してしまえばいい」で、広報担当者、責任すべて取れるのかね?ってことです。
そうなると戦犯はあきらかに広報担当者です。そうならないためには、発信する上でひっかかることすべてに首を突っ込み、改善してもらう。改善が認められるまで発信はしない。チャンスがなくなっても、それは会社が相応の準備をしなかったから、という見解が持てるかどうかです。
残念な経営者は臭いものにはフタ的な見地で、目の前にあるビジネスチャンスに固執しますが、、、たいていは大したことのないチャンスです。隠して露見する迷惑や損害賠償なんて考えもしない笑っちゃう状況も、複数社を経験して得た共通項でした。
迷惑な発信は、しないに限る。
それでキャリアパスに傷がついても、わたしは発信しない。直近の会社では副社長以上から袋叩きにあいいましたが、発信は断固拒否しました。期待を裏切られた人の顔を想像すると、発信はできない。人々をふわふわふわーっとすることは、資格があります。人をだましてその資格を手に入れても、すぐに破たんします。破たんした先には犠牲者がいる。傷つけてはいけない人たちがいることが多い。それを広報担当者(←「広報」と使っています)は真剣に考えないといけないはず。
ふわふわふわぁっ、キラキラキラーで、勤まるなら、いいけれど。
さて、連載は後半戦に突入。
・上から下まで「忙しい」おかしさ
・調査が抜けたPRのおかしさ
パブリックリレーションズは、アンビションのある企業が持つポジションですが、その実現のためには地道でありまっとうである基本的なことが整っていなければ力をふるえません。そこに来た担当者にとっては、発信したくても発信できない、スキルがあっても使えない地獄が待っています。その人のキャリアパスを奪うとんでもない侵害行為なのです。こういうことが就業する前に改善されていれば、と思うこと多数です。
あたりまえに見えていることを疑えるか。
引き続きポイゾネスな執筆をつづけていきます。
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