古賀たかえ

短歌人所属。第60回短歌研究新人賞最終選考通過。 もう君の夢をみないと約束をさせられた…

古賀たかえ

短歌人所属。第60回短歌研究新人賞最終選考通過。 もう君の夢をみないと約束をさせられた日にみた君の夢

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穂村弘さんに採用して頂いた短歌

ミッキーとミニーには歯が無いけれどわりとなんでも食べるみたいだ もう君の夢をみないと約束をさせられた日にみた君の夢 少しだけネイルが剥げる原因はいつもシャワーだ…

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短歌人 6月号

燃やしたい街があるんだという君の燃やしたい街の名を知りたい 神様に呼ばれた気がして見た空は青くてまだ生きたいと思えた 人を否定するほどすごい君ですか?叫び出した…

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朗読②

一0八の監視カメラが疼いてる池袋駅にピースサインを 十二本スプーン曲げをされた日に真顔で元に戻したわたし 手紙は短く書きなさいって号令をかけながら動かすボールペ…

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朗読

朗読 もう君の夢をみないと約束をさせられた日にみた君の夢 本をあんなに持っているのにまた本を買うのかとなじられる毎日 覚えててわたしの棺へ入れるものメリーゴーラ…

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短歌人8月号

あじさいに一眼レフを向けているわたしの写真を撮る人がいない さみしさをごまかすためにつづけてる会話の中身に意味なんてない 目の悪いわりにこまかい文字を書くわたし…

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ムーミンバレーパーク オフィシャルホテル ムーミンスペシャルルーム(川越プリンスホテル)

ムーミンバレーパークオフィシャルホテルの川越プリンスホテルの、ムーミンスペシャルルームに行って来ました。 とても素敵なお部屋でした。 とても大きなムーミンがいま…

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短歌人 5月号

パーキングエリアで車に戻れない車は全部同じに見えて タクシーのシートベルトはいつだってどこにとめるかよくわからない 君がもうこの世にいない夢をみて目覚めてそれも…

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短歌人4月号

もう人を好きになることはないだろう雪をみつめながらそう思った 病院でいつもは三十分待ちの採血が今日は三十秒待ち 夜を待つ開演を待つ今はまだ八時開演時間十九時 三…

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短歌人12月号

乾かないかもしれないけどベランダにピースの形にして干す手袋 イレギュラーを待ってる例えばマックのさナゲット六個入ってないかな 老けたことを大人になったと言われて…

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短歌人9月号

としまえんに最後の夏がやってきてもう花火の上がらなくなる町 こどもの頃は首から鍵を下げていたいまは扇風機を下げている 観覧車を待ちながら撮った横顔をスマートフォ…

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短歌人7月号

日記に誰も登場しない雨の降る誕生日に読む寺山修司 ぬいぐるみたちを一列にならべて「前へならえ」とつぶやいてみる ミラーレス一眼を買うかディズニーの年パスを買うか…

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短歌人2020年4月号

あの花の名を知っている君はもういなくてわからないあの花の名 あの冬の記録としての牛乳ビンでつくった歯ブラシ立て 二本 熱湯には充分ご注意ください。とはじまるティ…

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短歌人2020年3月号

わたしだって嫉妬しますと便せんに書いてくしゃくしゃにして捨てたの 青空に向かって叫びたいことと星にお願いすることは同じ ぬいぐるみの中身はシャワーを浴びるけどぬ…

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短歌人2020年2月号

これは魔法って絶叫しながら真夜中のサッカーゴールにシュート決めたい わたくしのかばんの重い原因はメイクポーチが重すぎるから 郵便のバイクの音が聞こえたら取りに行…

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短歌人2020.1

喋りかたからなにもかも決めてくれ誰かどうかわたしにメソッドを つけまつげはもうプリクラの機械から出てこない。て知った おととい 悲しみより笑いが勝った目が覚めて…

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日経歌壇

黄身色の毛布にくるまれ救急車は卵みたいと思った昨夜 古賀たかえ 2020.2.1 日経歌壇 穂村弘さん選 今朝の日本経済新聞の日経歌壇にわたしの短歌が掲載されていました。…

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穂村弘さんに採用して頂いた短歌

穂村弘さんに採用して頂いた短歌

ミッキーとミニーには歯が無いけれどわりとなんでも食べるみたいだ

もう君の夢をみないと約束をさせられた日にみた君の夢

少しだけネイルが剥げる原因はいつもシャワーだよシャワー土下座しろ!

脱がしかた不明な服を着るなってよく言われるよ 私はパズル

タメぐちで宝石を売りつけようとする人と二時間喋ってる

本をあんなに持っているのにまた本を買うのかとなじられる毎日

覚えててわたしの棺へ入れるものメ

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短歌人 6月号

短歌人 6月号

燃やしたい街があるんだという君の燃やしたい街の名を知りたい

神様に呼ばれた気がして見た空は青くてまだ生きたいと思えた

人を否定するほどすごい君ですか?叫び出したくなる夜八時

呼吸する方法を忘れていた日をもう思い出せない四月三日

PCR検査はこれで何回目かもう全く思い出せない春

エアコンの試運転をしてみた春のわたしに感謝する夏の夜

朗読②

一0八の監視カメラが疼いてる池袋駅にピースサインを

十二本スプーン曲げをされた日に真顔で元に戻したわたし

手紙は短く書きなさいって号令をかけながら動かすボールペン

雪の結晶の写真を撮ってみるここは二人だけの実験室

世の中と君とのずれをあらわしたみたいなメガネをかけてみる夜

朗読

朗読

もう君の夢をみないと約束をさせられた日にみた君の夢

本をあんなに持っているのにまた本を買うのかとなじられる毎日

覚えててわたしの棺へ入れるものメリーゴーランドの設計図

ラッシュ後の駅にはいろいろ落ちていて今朝はゼムクリップと名刺と歯

一日に三回ドトールに行ったじぶんのことをだめだとおもう

店長に監視カメラのうちあれとあれとあれはニセモノだと教わる

波打ち際から逃げる君をみつめて

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短歌人8月号

あじさいに一眼レフを向けているわたしの写真を撮る人がいない

さみしさをごまかすためにつづけてる会話の中身に意味なんてない

目の悪いわりにこまかい文字を書くわたしの手紙はとても読みづらい

道をゆく誰とも服が完全に同じではないことが不安だ

いつかみんないなくなるってこと以外なにも考えられなくなった

ムーミンバレーパーク オフィシャルホテル ムーミンスペシャルルーム(川越プリンスホテル)

ムーミンバレーパーク オフィシャルホテル ムーミンスペシャルルーム(川越プリンスホテル)

ムーミンバレーパークオフィシャルホテルの川越プリンスホテルの、ムーミンスペシャルルームに行って来ました。

とても素敵なお部屋でした。

とても大きなムーミンがいます。

ニョロニョロのライト
(スナフキンとムーミンの小さなぬいぐるみは私物です)

ムーミンのラグ。

朝食はカフェテリア方式でした。

オムレツとクロワッサンがとても美味しかったです!

お部屋にはムーミンの絵本が置いてあります。

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短歌人 5月号

短歌人 5月号

パーキングエリアで車に戻れない車は全部同じに見えて

タクシーのシートベルトはいつだってどこにとめるかよくわからない

君がもうこの世にいない夢をみて目覚めてそれもいいなと思った

いっせいに手が挙がるのをみつめてたライブハウスで遠い冬の日

人を好きになれてた頃に戻れたらネイルを朝日の色にしたくて

短歌人4月号

短歌人4月号

もう人を好きになることはないだろう雪をみつめながらそう思った

病院でいつもは三十分待ちの採血が今日は三十秒待ち

夜を待つ開演を待つ今はまだ八時開演時間十九時

三十分のショーを三回撮ってみて思ったことはカメラが重い

休園をしたディズニーをみつめてた駅から橋からホテルの部屋から

短歌人12月号

短歌人12月号

乾かないかもしれないけどベランダにピースの形にして干す手袋

イレギュラーを待ってる例えばマックのさナゲット六個入ってないかな

老けたことを大人になったと言われてる同窓会のような食事会

シンデレラ城の前でジャンプをして撮った君との一枚を破り捨てた

どら焼きの賞味期限は今日なのに食べる気がしないままもう夜

短歌人9月号

短歌人9月号

としまえんに最後の夏がやってきてもう花火の上がらなくなる町

こどもの頃は首から鍵を下げていたいまは扇風機を下げている

観覧車を待ちながら撮った横顔をスマートフォンから消去する夜

虹を偽造して撮影する方法を大江戸線の中で調べた

いつか君との思い出を全て書きつくして空っぽになるのだろう

短歌人7月号

短歌人7月号

日記に誰も登場しない雨の降る誕生日に読む寺山修司

ぬいぐるみたちを一列にならべて「前へならえ」とつぶやいてみる

ミラーレス一眼を買うかディズニーの年パスを買うか悩んでいる午後

こんなにもかわいいのになハイカットのスニーカーは履くのがめんどくさい

ほんとうはひとがこわくてしかたがない うそ ほんとうはじぶんがこわい
#短歌

短歌人2020年4月号

短歌人2020年4月号

あの花の名を知っている君はもういなくてわからないあの花の名

あの冬の記録としての牛乳ビンでつくった歯ブラシ立て 二本

熱湯には充分ご注意ください。とはじまるティーバッグのいれ方は

ティーバッグを捨てたのたった一杯のハーブティーしか入れてないのに

分解をなんどもしては組みたてるおもちゃとしてのシャープペンシル
#短歌 #tanka

短歌人2020年3月号

短歌人2020年3月号

わたしだって嫉妬しますと便せんに書いてくしゃくしゃにして捨てたの

青空に向かって叫びたいことと星にお願いすることは同じ

ぬいぐるみの中身はシャワーを浴びるけどぬいぐるみはどうなるかわからない

ディズニーのショーやパレードを聴きながらひとりぼっちの部屋で生きてく

血圧計・体温計を持ち歩くクセがついたのはいつからだろう
#短歌 #tanka

短歌人2020年2月号

短歌人2020年2月号

これは魔法って絶叫しながら真夜中のサッカーゴールにシュート決めたい

わたくしのかばんの重い原因はメイクポーチが重すぎるから

郵便のバイクの音が聞こえたら取りに行くそれだけの毎日

数十名を採用予定 オリエンタルランドの求人にキャラの中身

火事ですという放送で外へ出るこのノート一冊を掴んで
#短歌

短歌人2020.1

短歌人2020.1

喋りかたからなにもかも決めてくれ誰かどうかわたしにメソッドを

つけまつげはもうプリクラの機械から出てこない。て知った おととい

悲しみより笑いが勝った目が覚めて突然声が出なかったとき

味がするのなんて一瞬のことだから そう言いきかせてダイエットする

積み上がる本の高さが身長をこえたら売ろうと考えていた

日経歌壇

日経歌壇

黄身色の毛布にくるまれ救急車は卵みたいと思った昨夜

古賀たかえ

2020.2.1 日経歌壇 穂村弘さん選

今朝の日本経済新聞の日経歌壇にわたしの短歌が掲載されていました。

うれしすぎて、涙目で新聞をみつめています。

ありがとうございました。