朗読

朗読

もう君の夢をみないと約束をさせられた日にみた君の夢

本をあんなに持っているのにまた本を買うのかとなじられる毎日

覚えててわたしの棺へ入れるものメリーゴーランドの設計図

ラッシュ後の駅にはいろいろ落ちていて今朝はゼムクリップと名刺と歯

一日に三回ドトールに行ったじぶんのことをだめだとおもう

店長に監視カメラのうちあれとあれとあれはニセモノだと教わる

波打ち際から逃げる君をみつめてたあの日の波打ち際に住みたい

おばけ屋敷が途中で止まったことがただうれしくてそれだけの一日

ぬいぐるみたちを一列にならべて「前へならえ」とつぶやいてみる

サーカスの団長になって全員を同じ匂いのシャンプーにしたい

「わたしのこと知らないよね」とだけ書いた紙のはさまっている古本

やり方を忘れてしまった解剖のように進んでしまう恋です

賛美歌を口笛で吹いてみたんだ神様のことはなにも知らない

発車時刻ぎりぎりまで本を読んでるバス運転手を見た誕生日

これは魔法って絶叫しながら真夜中のサッカーゴールにシュート決めたい

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