【詩】結婚式
今作ってる自主制作アニメとは全く関係ないんですが、昔シナリオの勉強をしている時に、詩の本を読む事があって、pixivに練習でいくつか投稿したんでこっちにも投稿してみます。
結婚式
ええ、当然よ！
もちろん！わかっているわ！
何せ今日は、私にとって人生最高の祝福を
神から頂ける日なのだから！
そう！あの人との結婚を！
誰にも邪魔はさせないわ！そう、誰にも！！
ただね…
ええ、ただ…
彼との結婚にはね
無いって訳じゃないのよ
そう、不安がね…
ねえ、知ってる？
彼が他の女の子と、街で親しく歩くのを、見たって人がいるの。
でも、何の心配もないわよね？
そう思わない？
私が間違っているのかしら？
全ての物事に対し、信念に従って生きていれば、きっと神様は私を見捨てたりはしないわよね？
ああ！彼と同じ時間を過ごすのは、まるで天国にいるみたいに素晴らしい体験！
それを失う事は、この命を失う事と同じなの！
それは本当に地獄なのよ！！
考えてもみて！
幸せを夢見て、私は一生懸命階段を昇り、目の前に輝く、鮮やかな光に向かって突き進んできたわ。
でもね、ああ！それでも…
彼は…
彼はどうなのかしら…
私が昇ってきた階段を、彼も一緒に
最後まで寄り添い、昇ってくれるのかしら？
……
ねえ、あなた…
私、急に不安になってきたわ。
ええ、何もかも…
今日は私にとって、世界最後の日、終末の時になるかもしれない。
私の人生の幸福に終わりを告げ、それを知らせるラッパが世界中に鳴り響くかもしれない。
ほら！聞こえる！？
あのラッパの音！もう終わりよ！終わりだわ！！
何もかも！！！
…
え？
ああ…わかっているわ。
もちろん、そんな事、当然わかっているわよ。
あの音は式の始まりを知らせるラッパの音
そう、私と彼との幸せの合図よね
さあ、行きましょう。彼もきっと、私を待ってるわ。
きっと…
ええ、きっと…
今日は、私にとって、人生最高の祝福を、神から頂ける日なのだから
予定は全て順調よ。
私の幸福な一日を邪魔する人間が、ここに来ている事以外はね。
忌まわしくも、嫉妬深く、
いつも私を哀しみの暗闇へと連れていく、醜い女。
いつも私を苦しめるのね。
あなた。
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