基礎計算研究所

”研究所”とタイトルをつけましたが、研究員は1人です。個人でやってます。中学校で数学・…

基礎計算研究所

”研究所”とタイトルをつけましたが、研究員は1人です。個人でやってます。中学校で数学・国語を担当している教員です。 算数分野の基礎計算について、中学校以降の数学学習の観点からまとめていく構想。筆算の基礎、分数計算(約分中心)。中学正負の加減計算(代数和中心)、中学確率の分析など

マガジン

  • 中学校で学ぶ確率(公立高校入試問題から)

    中学校で学ぶ確率の問題を、公立高校入試問題から、コレでもかというくらいにスモールステップに分けて0から説明をしています。特に確率を「教えにくい」と思っていた10年前の自分に向けて書いています。教科書・参考書の並べ方ではなぜごちゃごちゃバラバラに感じるのか?  確率をラプラスの公式で求める意味に注目して、必要な知識や発想を1つ1つ洗い出して、配列しています。問題を難しくする要素、中学と高校の内容を区分ける(ハズの)境界の存在についても考察しています。

  • 整数の筆算

  • 正負の数の加減

    代数和形式を優先しています。教科書通りの進め方ではありません。なぜその方がいいかの説明も。

  • 約分ヘブン

    分数計算のいちばんの土台となる約分について 徹底したアルゴリズム化と、それに基づく難易度分析

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◆目次◆中学確率 高校入試問題を分析・分類してみる

 確率を解くときに必要な考え方を細かく分けて、順番に並べてみました。伝えたいこと(知ってもらいたい考え方・できるようになってもらいたいこと・覚えてもらいたいこと)1つにつき1問、という構成にしてありますので、とってもまどろっこしく感じるかも知れません。また、説明の仕方も樹形図よりも表を中心にしていて、前での説明を使って次の説明をしている部分はさかのぼってみてもらわないと、説明の意味が分からないかも知れません。当面、書いたものを貯めていくことを目的にしながら、手直ししていきたい

    • 埼玉県|公立高校入試統計問題2024

      箱ひげ図をつかって 期間①と期間②の開花日を比べたときに,最も早い開花日と最も遅い開花日(つまり,範囲)が同じなのに,それでも開花日が早くなっていることが四分位数を根拠にして説明ができるという,なかなかいい問題です。  箱ひげ図は,データの小さい方から並べて4等分した区間を図に表すことで,データの分布(ちらばり具合)の大まかな形を示すために使います。つまり,期間①と期間②それぞれのデータのちらばり・偏り方を,四分位数をみて読み取れればよいわけです。  ここで,教育委員会が公表

      • 青森県|公立高校入試統計問題2023

         青森県内では啓林館と東京書籍の教科書が採択されていますが,その教科書から引用して説明します。 ア 中央値と第2四分位数の関係 中央値とはデータを大きさの順に並べたときの中央の値です。  そして,四分位数の説明で,啓林館の教科書では「データ全体の中央値を第2四分位数・・・といいます。」と書いてあり,次のページにはキャラに「ここからは第2四分位数を中央値とよんでいくよ」と言わせています。  東京書籍の教科書でも「第2四分位数は,中央値のことである」と書いてあります。  ですか

        • 千葉県|公立高校入試統計問題2023

          ①相対度数 相対度数とは,度数の合計に対するその階級の度数の割合 $${\dfrac{(その階級の度数)}{(度数の合計)}}$$ の値です。90回以上110回未満の階級の度数は40,度数の合計は240ですから,相対度数を求めると  40÷240=$${\dfrac{1}{6}}$$≒0.166…… 小数第3位を四捨五入して,0.17と答えればよいです。 ②ひとつひとつア 範囲  範囲とは,最大値から最小値をひいた値のことです。 (範囲)=(最大値)-(最小値)  箱ひげ

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        ◆目次◆中学確率 高校入試問題を分析・分類してみる

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        • 中学校で学ぶ確率(公立高校入試問題から)
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        • 整数の筆算
          35本
        • 正負の数の加減
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        • 約分ヘブン
          5本

        記事

          山口県|公立高校入試統計問題2023

          問題1 度数分布表から最頻値を読み取るときは,度数の最も多い階級の真ん中の値(階級値)を求めます。  度数が最も多い階級は60回以上80回未満ですので,最頻値は(80+60)÷2=70(回)。 問題2ひとつひとつ見ていきましょう ア:令和4年の最小値は10分なので,アは正しくありません。 イ:四分位範囲とは箱ひげ図の箱(長方形)の辺の長さに当たります。令和2年は210-100=110(分)で,令和3年は180-60=120(分)ですので,イは正しくありません。 ウ:

          山口県|公立高校入試統計問題2023

          滋賀県|公立高校入試統計問題2023

           四分位数を求めるときにはデータ全部を4つにわけるわけですが,まず2等分して,2つのグループをさらに2等分します。データの個数が偶数か奇数かに気をつけましょう。 〈1 2 3 3 4 5〉〈5 6 8 10 10 12〉      ↓ 〈《1 2 3》 《3 4 5》〉 〈《5 6 8》 《10 10 12》〉  第3四分位数は,8と10の平均値で9。 答  ちなみに,第1四分位数は,3と3の平均で3。中央値(第2四分位数)は,5と5の平均。つまり5。

          滋賀県|公立高校入試統計問題2023

          岩手県|公立高校入試統計問題2023

           このシリーズのフォーマットは崩れてしまいますが,最初に公表されている「解答例」を見てみましょう。 答 ただ,この理由を聞いて「うんわかった! そうだね!」ってなるのでしょうか? ここでは,もう少し,かみくだいて説明をしてみることにします。 もう少し詳しい説明 箱ひげ図を見てみると,第3四分位数は15~16の間。小数点で表そうとすると[15.?]分という感じで表せます。  そして,第3四分位数に当たるデータよりも大きい値を持つデータは8個。小さい順に並べたときのデータを

          岩手県|公立高校入試統計問題2023

          静岡県|公立高校入試統計問題2024 

          (1)累積相対度数 まず相対度数とは,各階級の度数を総度数でわった値で,この問題では全体(105人)に対するこの階級に入る生徒の割合にあたります。 $${(ある階級の相対度数)=\dfrac{(その階級の度数)}{(総度数)}}$$ ですから,度数が多ければ,相対度数の値も大きくなります。相対度数の値がいちばん大きいのは 15時間以上20時間未満の階級です。そして,答えるのはこの階級の累積相対度数です。最小の階級からある階級までの相対度数の合計のことです。たし算してみましょ

          静岡県|公立高校入試統計問題2024 

          滋賀県|公立高校入試統計問題2024

          箱ひげ図をかくために必要な情報は箱ひげ図をかくには [1]最小値 [2]第1四分位数 [3]第2四分位数(中央値) [4]第3四分位数 [5]最大値 の5つの情報が必要です。  さて,表をみてみると…[1]・[2]の情報がないじゃないですか。もうできません!  とあきらめる前に,「範囲」「四分位範囲」の情報があることに注意をしましょう。  範囲とは,データの最大値と最小値との差のことでした。(レンジともいいます)     (範囲)=(最大値)-(最小値)  このうち最大値

          滋賀県|公立高校入試統計問題2024

          愛知県|公立高校入試統計問題2024

          箱ひげ図から読み取れる情報 箱ひげ図にあるのは [1]最小値 [2]第1四分位数 [3]第2四分位数(中央値) [4]第3四分位数 [5]最大値 の5つの情報です。  この5つの値が,ヒストグラムから正しく反映されているものを探していきましょう。  ヒストグラムから,[1]最小値は5m以上10m未満の階級にあることがわかります。この時点でまずイが消えます。  次にわかりやすい[5]最大値を確認すると,45m以上50m未満の階級にあることがわかります。これは,どの箱ひげ図

          愛知県|公立高校入試統計問題2024

          和歌山県|公立高校入試統計問題2024

          箱ひげ図から読み取れる情報 箱ひげ図にあるのは [1]最小値 [2]第1四分位数 [3]第2四分位数(中央値) [4]第3四分位数 [5]最大値 の5つの情報です。  この5つの値が,ヒストグラムから正しく反映されているものを探していきましょう。  まず[1]最小値をみてみるとすべて0になっていますが,[5]最大値はエだけ5,残りは6になっています。棒グラフの方は,6回の人が2人いますので,最大値は6でなければなりません。エは消えます。  [3]の中央値を見てみましょう

          和歌山県|公立高校入試統計問題2024

          長野県(1)|公立高校入試統計問題2024 

          データ→四分位数→箱ひげ図データから箱ひげ図を作るには,最小値・四分位数3つ・最大値の5つの数を求めます※。たくさんのデータの分布の様子をこの5つの数にまとめて、視覚的に見やすくしたのが箱ひげ図です。 この問題では正しいものを選べばいいので,まずはわかりやすい最小値・最大値を考えて、選択肢を絞っていきましょう。  データは値の小さい順に並んでいますので,最小値はいちばん左のデータ24,最大値はいちばん右のデータ50ですね。箱ひげ図は縦向きになっていますが,最小値はいちばん下,

          長野県(1)|公立高校入試統計問題2024 

          三重県|公立高校入試統計問題2024

          四分位範囲 四分位範囲は,第3四分位数から第1四分位数をひいた差。図では,箱の横の長さにあたります。  22-14=8(点) 答

          三重県|公立高校入試統計問題2024

          富山県|公立高校入試統計問題2024 

          四分位範囲 四分位範囲とは,第3四分位数から第1四分位数をひいた差です。 (四分位範囲)=(第3四分位数)-(第1四分位数) 第3四分位数は11問,第1四分位数は3問ですので,四分位範囲は    11-3=8 8問になります。 7人は何点? そしてみずきさんは? まず7人を,点数の低い順から①・②・③・④・⑤・⑥・⑦として,みずきさんを(み)とします(あ,みずきさんだけ実名さらられてる・・・)  7人のときは,最小値(最小得点)が①,最大値(最大得点)が⑦の人の得点にな

          富山県|公立高校入試統計問題2024 

          高知県|公立高校入試統計問題2024

          (1)累積相対度数 累積相対度数とは,最初の階級からその階級までの相対度数を合計したものです。相対度数とは     $${\dfrac{(その階級の度数)}{(度数の合計)}}$$ でした。この定義にしたがって,20回以上25回未満の階級まで3つの階級の相対度数を計算して,合計します。  0.25+0.2+0.3=0.75と求めることができます。  しかし,東京書籍の教科書には「各階級の累積相対度数は,累積度数を度数の合計でわって求めることもできる」と小さく書いてあったりし

          高知県|公立高校入試統計問題2024

          広島県|公立高校入試統計問題2024

           1つ1つ見ていきましょう。 ア 平均値 箱ひげ図の中の縦棒は第2四分位数(中央値)を表しています。平均値ではありません。引っかかりやすいかもしれません。  箱ひげ図は中央値・四分位数や最小値・最大値を使ってかきます。これだけだと,平均値に関する情報はありません※。  この箱ひげ図からは平均値は読み取れませんので,×です。 イ 第1四分位数 B班の16mのところに第1四分位数を示す縦棒が来ているので,ちょうど16mの人のデータ!とすぐに思うかもしれませんが,本当かどうかち

          広島県|公立高校入試統計問題2024